6月19日、スプリント第3戦、アースカップが行われた。
今回はRMU公式Cルールという、
赤ドラありの一般に親しまれているルールだ。
この日はワールドカップ日本対オランダだったせいか、
48人といつもより少ない参加人数となったが、
会場は大いに盛り上がった。
予選4回戦と準決勝を勝ち上がってきたのは以下の4人。
多井隆晴 +106.9
花房賢 +89.6
野村祐三 +62.5
寺本喜一 +59.2
※決勝はスコアを2分の1にして持ち越す
注目は予選を1・1・1・2着、準決勝もトップで、
計200ポイント以上叩き出したRMU代表の多井か。
並び次第では2着でも優勝の可能性がある。
果たしてどうなるのか。
東1局。
起家から花房、野村、多井、寺本。
北家の寺本が、親の第一打のポンから入る。
しかしこの仕掛けは実らず、この局は12巡目に南家の野村が、
ロン ドラ
この1,000点を多井からアガる。
東2局。
親の野村が10巡目に、
ドラ
で即リーチ。
しかし北家の花房もテンパイを入れていた。
ドラ
この満貫以上確定のドラタンキテンパイから、
親のリーチを見て花房もツモ切りリーチへ。
しかしツモ切りの牌はだった。
裏ドラがでリーチ一発裏の7,700を手にする。
同局1本場は親のダマテンをかわし寺本のアガリ。
ドラ
ツモで700-1,300は800-1,400。
東3局。
花房が8巡目に、
ドラ
この形でテンパイ。そして丁寧にダマテンにする。
これに飛び込んだのは多井。12巡目、
ドラ
ここからをツモ切り打ちこんでしまう。
ピンフドラドラの3,900。
「ドラまたぎのは危険と感じてたので先に処理した。
7,700放銃の花房さんが冷静にダマテンに構えるとは…。
勉強になりました」
対局後、多井はこの局を敗因にあげていた。
東4局。
花房が2つポンを入れて1人テンパイ。
南1局。
ここまでの点数状況は、
花房19,400、野村35,300、多井18,300、寺本27,000。
ここで多井に初めての勝負手が入る。
10巡目にドラがアンコになり13巡目にテンパイ。
ドラ
しかしこの手が実ることはなく、3人テンパイで流局。
南1局2本場。
花房、野村、寺本の仕掛けに挟まれる多井。
アガったのは寺本。
ドラ
この赤3枚の満貫に飛び込んだのはまたしても多井。
前巡に通った、今通ったの筋を追い、オリ打ちに近い形での放銃。
南2局。
花房は残りツモ2回で
ドラ
このテンパイ即リーチ。
ツモれはしなかったが1人テンパイで流局。
南3局。
親の多井が連チャン狙いで必死に仕掛ける。
ドラ
しかしこの仕掛けで花房からリーチが入り、野村にもテンパイが入る。
アガったのは野村で、
ロン ドラ
トップ目の野村の冷静なピンフ。
供託込みで3,300点を手にする。
そしてオーラス。
花房20,100、野村38,600、多井9,700、寺本31,600。
いち早くテンパイを入れたのは多井だった。
ドラ
これをリーチ。
追いついたのは親の寺本。
ドラ
続いて野村。
ドラ
決着は16巡目だった。
野村のツモ切った牌は。これに多井からロンの声が掛かる。
裏ドラが乗らないと優勝には届かないが、この決勝はあくまでスプリントトライアルの1戦という位置付けなので、4位から2位になるこのアガリは、非常に大きい。
裏ドラは乗らなかったが、多井は準優勝となり、
スプリントレースの首位に立った。
寺本 +95,8
多井 +93,6
花房 +64,7
野本 +64,1
こうして今期初めてのCルールによるアースカップは、
放銃をせず、丁寧にワンチャンスをものにした寺本が優勝に輝いた。
試合後、寺本は嬉しそうに感想を語ってくれた。
「今までのスプリントは相性が悪かったのですが、今日はツモに恵まれてました。
予選で大三元と国士無双のテンパイがアガれなかったので不安はあったけど、
なんとか決勝に残れて最後はタナボタで優勝出来たという感じです」
アガらなきゃいけない場面でアガり切り、打ってはいけない場面はこらえる。
当たり前のことだが、それを丁寧に実践した寺本。
やはり優勝した人はいい笑顔を見せてくれる。
文責 渡辺卓也
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