|
5月29日、今期2戦目のスプリントとなる、ヴィーナスカップが開催された。
Bルール「一発裏ドラなし」というあまり一般的に馴染みのないルールで行われたが、
68名もの方々に参加して頂き、会場は大いに盛り上がった。
さて、本大会の予選4回と準決勝1回戦を終え、
決勝へ駒を進めたのは以下の4名。
※決勝でポイントが2分の1になり、以下の通り
仲川翔 +58.7
谷井茂文 +52.5
宮本卓 +48.8
村田淑子 +43.8
それぞれの戦いを観戦していたが、並み居る強豪を相手に決勝へ進出しているだけあり、
技術、勝負強さ、運量、どれもズバ抜けている。
ポイント的にも横並び。
ここでのトップ者がほぼ優勝という状況で、決勝戦は始まった。
私の予想では、四者の勝負強さから、
序盤から乱打戦になり高得点の応酬になると思っていた。
しかし、開局は静かな立ち上がりとなる。
東1局、並びは起家から宮本、仲川、村田、谷井。
10巡目、南家仲川にリーチが入る。
            ドラ
ツモれば大きなアドバンテージとなる勝負手だが、
結果は流局1人テンパイとなった。
が3枚、 がドラ表示に1枚見えていることを考えると、
ダマテンという選択もあったように思うが、
これは仲川の優勝への意気込みなのであろう。
続く1本場、今度は西家谷井が10巡目リーチと出る。
            ドラ
すると11巡目に南家仲川が追いかけリーチ。
            ドラ
2人のめくり合いとなるが、
13巡目に谷井が仲川の を捕え、1,300は1,600。
局面が動き出したのは、東4局。
ここから村田の怒涛のラッシュが始まる。
東4局1本場。
            ロン ドラ
これをダマテンに構えて2,000は2,300を仲川からアガる。
続く南1局には、僅か3巡目にして以下の大物手。
            ツモ ドラ
この手をリーチして引きアガり、3,000-6,000。
南2局には、
         ツモ   ドラ
この500-1,000で加点。
さらに南3局に、先行リーチをかけた南家谷井から5,800を撃ち取る。
   ロン       ドラ
この4連発で持ち点を一気に53,100点にまで増やし、村田の独壇場とした。
これでオーラス時の持ち点は、
東家谷井20,500、南家宮本23,700、西家仲川24,100、北家村田51,700となる。
親番の谷井はさておき、仲川、宮本からすると、
優勝はかなり厳しくなってしまった格好だ。
しかしながら、スプリントカップの決勝では、
ファイナルに向けたトライアルポイントが変わってくる。
よって優勝以外の着順も非常に大事になってくるのだ。
点差の拮抗している下位の2着争いも熾烈になるだろう。
そう予測していると、3巡目から宮本が果敢に仕掛け、
      ツモ     ドラ
この300-500で2着に浮上し、ゲームセット。
終わってみれば、村田の終始安定した横綱相撲であった。

試合後、村田に勝因を聞いた。
すると、まだ興奮冷めやらぬ状態ながらも、嬉しそうにこう語ってくれた。
「麻雀アカデミーという講座で勉強していること。
それと、多井プロの新著を3回読み返してからこの日に臨んだことが勝因でしょうか」
私自身、日々技術研磨に励んでいるつもりだったが、まだまだ甘いと痛感した。
改めてこの場に立ち会えた事を誇りに思う。
文中敬称略 文責・萩原亮
|