RMUスプリント マーズカップ

開催日:2010/08/08(日)

会場 :麻雀柳 銀座本店

【大会ルール】
Aルール(一発・裏ドラ・カンドラ・カン裏あり)

【本文】
今年の夏は例年にも増して厳しい暑さが続いてますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
そんな中、RMUにおいて「スプリントトライアル-マーズカップ」が開催されました。

参加56名の中から、予選(4半荘)・準決勝(1半荘)を勝ち上がったのはこの4名。

多井隆晴(RMU S級ライセンス)
矢島学 (日本プロ麻雀協会)
有田幸司(一般)
山崎千三(一般)

トップ通過は、今年のスプリントはいつにも増して絶好調の多井。
予選・準決勝をオール連対でまとめて決勝へ駒を進めてきた。
このまま横綱相撲で勝ち切るのでは?
今日はそんな感じが漂っている。

2位通過は矢島。
予選終了時点ではトップだったが、準決勝でポイントを少し下げてしまい、
2位に甘んじることに。
とはいえ10ポイント以内の点差なので、
多井より着順が上になれば、十分優勝も見えてくる。

3位通過は有田。
去年もスプリントを制した実力派。
予選道中を安定した成績でまとめ、再び決勝の舞台へ。
持ち前の勝負強さで、20ポイントの点差を跳ね返すことが出来るか?

そして4位に滑り込んだのは山崎。
予選終了時点では14位も、準決勝での大きなトップが効いて最後のイスを掴んだ。
決勝で再びミラクルを起こせるか?

【決勝開始時の成績】※得点は準決勝終了時の半分
 起家 山崎 +41.2(▲28.3)
 南家 多井 +69.5(現在トップ)
 西家 矢島 +61.3(▲8.2)
 北家 有田 +48.9(▲20.6)

決勝開始。

東1局。
9巡目、矢島がドラ3のチャンス手をテンパイする。

 ツモ ドラ

役アリなのでダマテンも考えられるが、矢島はリーチを選択する。

「優勝するために主導権を握りたかった。
相手が強いので、ダマテンでアガってもいずれ追い付かれると思った…」

と後に語っているが、結果は流局。
結果論ではあるが、ダマテンを選択していると、
すぐ多井にテンパイが入り、が余る形になっていた。

「ダマテンだったら放銃していたと思うよ。
しかしリーチときたからには打たないよ。彼にドラがありそうと思っていたからね」

後に多井はこう語ってくれた。
こうして矢島は主導権どころか、この半荘最大のチャンスを失ってしまった。

流れて東2局1本場。
矢島のリーチをかいくぐって山崎が満貫をツモアガる。

 ツモ ドラ

この時点で、微差ながら山崎がトータルトップへ躍り出た。
親カブリした多井はいきなり苦境に立たされるが、すかさず反撃に出る。

東4局。
6巡目、テンパイから即リーチ。
そして一発ツモで満貫とし、再びトータルトップに立つ。

 ツモ ドラ 裏ドラ

しかし、それも長くは続かない。

南1局1本場。
多井は有田に5,200(1本場で5,500)を放銃し、またしてもトータルトップは山崎へ。
この放銃で、微差ながら多井はトータルでラスまで順位を落とすことになる。

このまま逃げ切りたい山崎であったが、南2局(山崎→矢島)、南3局(山崎→有田)と、
連続して放銃してしまう。
これで勝負は最後までわからなくなった。

オーラスを迎えてのポイントは以下の通り。

 山崎 +62.5(現在トップ)
 多井 +47.3(▲15.2)
 矢島 +54.2(▲8.3)
 有田 +56.9(▲5.6)

 ※数字は順位点込み

山崎はノーテンでもいいので早く終わらせたい。
有田はラス親を生かして連チャンを重ねることで、優勝が見えてくる。
多井と矢島は優勝条件が何通りか存在する。
整理すると以下の通り。

 多井:矢島を交わして3着に上がることが絶対条件。2着以上になれば確定。
    3着の場合は、1,300-2,600ツモか6,400出アガりのいずれか。
    (5,200出アガりでは山崎と同点となり、ルール上山崎が優勝となる)

 矢島:有田を交わして2着に上がること。
    (1,000-2,000ツモか5,200出アガリ、または有田から2,600出アガりのいずれか)

おのおの条件を確認し、オーラスへ。

決着がついたのは9巡目、決めたのは…

多井だった。

 ツモ ドラ 裏ドラ

7巡目にリーチを掛けた2巡後、優勝を決めるを卓に置いた。
1,300-2,600ツモ。
この半荘3着ながら、トータルで山崎を1.3ポイント上回り、
見事逆転優勝を飾った。

決勝戦の間ずっと苦しかった多井だが、最後はしっかり決めてきた。
自分でよく「シルバーコレクター」などと冗談交じりに口にしているが、
接戦をものにした今日の麻雀はとても勝負強く、まさしく横綱相撲だったと思う。

これで多井のファイナル進出はほぼ確定と思われるが、
まだまだポイントを重ねるのでは?
そう思わせる今日の戦いぶりであった。

【最終成績】
 
優勝  多井隆晴 +62.5  
2位  山崎千三 +61.2 
3位  有田幸司 +54.3  
4位  矢島学  +42.9 


盟友、阿部孝則プロから表彰される多井隆晴プロ

文責 仲大底充