RMUリーグ第6節

胸突き八丁第6節

RMUリーグ第6節を迎えた。ここまでの順位とポイントを記す。

土田浩翔  +160.1
阿部孝則  +107.8
多井隆晴  ▲27.0
河野高志  ▲113.3
古久根英孝 ▲158.6

過去の5節で役満が4回も出現しているリーグ戦は、おそらく空前絶後だろう。
2回アガリの土田がトップを維持しているのは当然としても、
2回放銃の多井が3位につけているのが凄い。
だが河野・古久根もこのまま黙っているとは思えない。
とにかくワクワクするリーグ戦、どうぞ会場へ足を運び、生でご観戦ください。
レポートで読むより、はるかに面白いこと請け合いです。

さて、突然ですが問題です。
この6節で観戦した局の中から出題します。
あなたも考えてみてください。

問題1 まだそれほどの点棒の動きのない局面です。

配牌  ドラ

■問1ツモの5巡目終了時のあなたの手牌を想定してください。

■問2 その手牌は、次のうちどれでしょう。
A)テンパイ B)イーシャンテン C)リャンシャンテン

■問3 この打ち手はまだテンパイには至っていませんでした。
やおら6巡目に、のポン。
その後、手替わりの後12巡目に出アガリ、8,000点のアガリとなりました。
その最終形を答えなさい。

問題2 見事な一色手(ホンイツ、もしくはチンイツ)のアガリ形があります。
そのアガリ形とその手の配牌を結びつけてください。
なお配牌ABは親のため14枚あります。

アガリ形  ツモ

アガリ形  ツモ

アガリ形  ツモ

配牌A 

配牌B 

配牌C 

ちなみに、この問題の解答はそれぞれの本文中に出てまいります。

1回戦

並びは親から多井・古久根・河野・阿部(抜け番は土田)。
東1局、ドラは

古久根がピンズの一色手仕掛け。
ポンしたを加カンしてたたみ掛けようとするも、結果流局。
こらえた阿部も手を進めており、2人テンパイ。

東2局、1本場。ドラ
ここでは多井に手が入る。
5巡目にのポンテン。

  ドラ

途中を引き入れ、打のホンイツトイトイに手替りし、
出てハネ満、ツモなら倍満まで仕上がる。
だがを鳴かせた阿部が追いつき、

 ドラ

このテンパイを入れた。
多井の一色手をケアしてか、多井の上家の阿部はソーズ部分の手替わりも想定して慎重にヤミテン。
あたりを引いたらピンズを落としていく構えだ。
多井がドラをツモ切りして、阿部の5,200のアガリとなった。
短絡にリーチに出ないあたりが阿部らしい丁寧さである。

東3局、ドラ

阿部のテンパイが

 ドラ

テンパイ時点の8巡目で待ちのは場に4枚切れ。
ドラの所在も不明なまま出アガッて2,000点。

東4局、ドラ
阿部のテンパイが10巡目であったが、

 ドラ

場にが3枚切れ。
テンパイすると、待ちが切れ筋に陥る。
ピンフのみのリーチも阿部のフォームにはなく、ヤミテンのままツモアガリとなった。
一人で東場をアガリ切った阿部だが、なんとなく釈然としない。
阿部自身も好調とは感じていないだろう。

東4局1本場。ドラ
ここは、ヤミテンで河野が1,300。

 ドラ

古久根からでタンヤオの出アガリ。
変化によってはタンピン三色まで見込める手牌ながら、親落としを優先した。

南1局、ドラ
マンズ一色仕掛けの古久根をケアして膠着状態。
古久根の上家の多井が流局間際にフリテンを鳴いて、フリテン待ちになるという渾身のテンパイ。
親を維持する。

南1局1本場。ドラ
南家古久根が4巡目のテンパイ。

 ドラ

待ちのドラは河野に1枚、多井に2枚。
多井は、ピンズに寄せていく。
膠着状態のまま進むも、多井、河野にもテンパイが入る。

多井:  ドラ

河野: ドラ

結局誰もアガらず、3すくみのまま阿部一人ノーテン。

南1局2本場、ドラ
親の多井の配牌が、あまり良くないのに対し、

 ドラ

古久根が好配牌。

 ドラ

やはりテンパイ一番乗りは古久根。

 ドラ

9巡目のテンパイ、2局続けてのドラタンキだ。
他家の手牌進行が遅いと読んでリーチに向かった。
しかし、その時点での多井の手牌は整いだしていた。

 ドラ

河野は配牌から入っているドラが処理できず、阿部も手が重い。
結局、この局のアガリは多井。

 ツモ ドラ

メンホンツモ三アンコドラドラ。
親倍満が飛び出した(これが冒頭の問題2の答えの一部です)。
クモの糸をつかみ取るようなアガリ。
運命のユラギの中から多井が抜け出した。

南1局3本場、ドラ
執拗な親の連チャンだ。
多井が、をポンして古久根から出ガリ。
1,500は積み場込で2,400。

南1局4本場、ドラ
ここは古久根が親落としのリーチ。

 ドラ

同巡テンパイの阿部からが一発で出て、5,200は6,400。
古久根の狙い通り、長かった多井の親が落ちた。

南2局、ドラ
勢いに乗った古久根がリーチ。

 ドラ

をツモり、裏ドラは4,000オール。

南2局1本場、ドラ
親の古久根が集中力を見せての連チャン1,000は1,100オール。

南2局2本場、ドラ
阿部のリーチが7巡目。

 ドラ

をツモり、裏ドラで3,000-6,000。
S級の戦いは全くよくツモる。

南3局、ドラ
ここまで一度も放銃していない河野の親番。
しかし、ツモられまくって、マイナス17.6。
とにかく連チャンが目標か、をポンして前に出る。
ドラを重ねてテンパイしたのが、10巡目。

  ドラ

テンパイを入れた古久根からが出て12,000。
これで、古久根も力尽きたか。
このあと敗戦処理のアガリを取り終局。

多井  +28.8
阿部  +3.2
古久根 ▲7.8
河野  ▲24.2

第6節、1回戦終了。
激しい乱打戦の割には、それほど差が生まれない。
沈んだ選手もベストを尽くし、浮いた選手もやっとやっとの感触といった所か。

2回戦

並びは親から多井・河野・古久根・土田(抜け番は阿部)。
東1局、ドラ
西家古久根の配牌が悩ましい。

 ツモ ドラ

ここから打とすると、第2ツモは
チンイツ・タンヤオ・トイツ系手役も見えるがピンフイーペーコーまで想定される、迷路のような配牌。
第1打でペンチャンを外すとすぐにメンツをかぶる形。
配牌とツモが強すぎるのだ。
リーチを打った古久根の最終形が、

 ツモ ドラ

結果は1,000-2,000だが、決して感触は良くないのではないか。

東2局、ドラ
四者ともになかなか手が進まない。
そんな中、一番最初にテンパイを入れたのは、古久根。

 ツモ ドラ

のチートイツテンパイ。
だが、このが他家のテンパイドミノ倒しの発端になる。
このを仕掛け、まず多井がポンテン。

  ドラ

この動きにより急所のを河野に引かせて河野もテンパイ。

 ドラ

直後、をツモ切りした多井が飛び込み、12,000。
「危機感が足りなかった…」と、局後の多井が悔いた。

東2局1本場、ドラ
14巡目、古久根がドラを手放してのテンパイ。

 ドラ

だが、それより早く河野がカンのテンパイを入れていたのが10巡目。
2巡後にを引き入れこの形。

 ドラ

ゆったりと構えて、ロン。親番を維持する。

東2局2本場、ドラ
9巡目にまたしても河野にヤミテンが入る。

 ドラ

テンパイの直前に土田にロン牌を打たれている。
はたして土田もこの局早くも5巡目にテンパイ、親落としのヤミテンをしていた。

 ドラ

三色・イーペーコー手替わりもあり、虎視眈眈といった所か。
だが結局、多井が河野にで放銃。
5,800は6,400。

東2局3本場。ドラ
古久根がリーチ。

 ドラ

ツモは1,000-2,000の3本付け。

東3局、ドラ
河野が6巡目にをポンしてイーシャンテン。

  ドラ

ドラが入るテンパイが理想ながら、ツモの3メンチャンは、ほぼ予定の形。
親の古久根が河野のテンパイ直後に打ドラでリーチ。
河野との一騎打ちを仕掛けてくる。

 ドラ

河野が掴んだは止まらない。裏ドラはで12,000が古久根に流れる。
古久根曰く「に自信があった」とのこと。
リーチは麻雀の勝負的な部分の集約か。

東3局1本場、ドラ
多井がタンヤオ仕掛けで古久根から2,000は2,300。

東4局、ドラ
流局かと思っていると、古久根が終局間際に「シノギツモ」。

ツモ ドラ

南1局、ドラ
10巡目に河野がテンパイ即リーチ、そして一発ツモ。 

 ツモ ドラ

裏ドラは乗らず、2,000-4,000。

南2局、ドラ
親番を迎えた河野が4巡目にドラを手放す。
はたして6巡目にリーチと出てきた。

 ドラ

裏ドラを乗せ、ツモは4,000オール。
古久根に奪われかけた主役の座を取り返す。
南2局1本場、ドラ
古久根が10巡目にをポンし、

  ドラ

この手にツモで親落としを果たす。

南3局、ドラ
親の古久根がヤミテンのまま河野からピンフの出アガリ。

 ロン ドラ

逃げる河野、追う古久根の図式だ。

南3局1本場、ドラ
河野が丁寧にチートイツに仕上げ、多井から出アガリ。 

 ロン ドラ

2回戦の勝負はここまで。
オーラスは全員ノーテンの終局となった。

河野  +39.4
古久根 +19.6
土田  ▲13.7
多井  ▲45.3

3回戦

並びは親から土田・古久根・阿部・河野(抜け番は多井)。
東1局、ドラ

2回戦全く良いところのなかった土田が出親、本人も不調を自覚されている様子。
親でリーチを打つも、やはりの流局。

 ドラ

土田の一人テンパイだった。

東1局1本場、ドラ
阿部が古久根のヤミテン2,600に放銃。

 ロン ドラ

東2局、ドラ

結果だけ書けば流局だが、
古久根渾身の親番維持はフリテンチーの形テンで、一人テンパイ。
なんとS級はしぶといのだろう。
親番に対する集中力に恐れ入る。

東2局1本場、ドラ
古久根が仕掛けて1,100オール。

  ツモ ドラ

東2局2本場、ドラ
古久根が派手に仕掛ける。
5巡目にポン、7巡目にカンチーでテンパイ。 

   ドラ

そして他家の手が遅いと見るや、
のツモからのトイツ落としで強引な一色手に向かう。
首尾よくもポンして、手牌は4枚でタンキテンパイ。
すると、そこへ土田のリーチが来る。

 ドラ

しかし土田もまだまだ不調の渦の中。
土田の河にはが捨てられている。
つまりフリテンなのだ。
もちろん身を挺して古久根を止めに行ったのだが、
はたして結果は流局になった。
古久根の最後のツモ切りに微かにうなづく土田。

東2局3本場、ドラ
古久根がリーチを打つも流局。

東2局4本場、ドラ
河野が4巡目にツモ。

 ツモ ドラ

700-1,300ながら供託積み場込みで5,900のインカム。

東3局、ドラ
河野のテンパイが8巡目。

 ドラ

待ちは不自由ながらも、値段は充分。
それにアガリ牌のもそれほど悪くない。
だが、河野のテンパイ直後に土田もテンパイ。
「不調だからこそマチになったらリーチ」だそうだが、その手牌はこの形。

 ドラ

捨て牌はでリーチ。
不気味な捨て牌ながら、変則手か下メンツが匂う。これに河野が押された。
直後のツモを押せずにを切ると、土田のツモ切りが
12巡目にツモと来るが、その時点では4枚切れ1枚切れ。
を押せずにをツモ切ると、次巡のツモが
次巡のツモをツモ切るも、
最後のツモで引かされたが打ちきれず完オリ、
その結果土田の一人テンパイに。
土田の経験則リーチに翻弄されてしまった。

東4局1本場、ドラ
南家土田の配牌が問題1の配牌。

 ドラ

と5巡のツモ切りの後、をポンし、打
この時点でイーシャンテン。
次巡ツモその後、ツモのテンパイ取らず。
のツモ切りを挟みツモで打のテンパイ。
次巡のは高速のツモ切り。最終形が

  ロン ドラ

おそらく、不調だからアガれる三元役なのだろうか。
ちなみにツモ牌のを手中にしたマチではこの時点でアガれていない。
2局続けての土田ワールド開幕である。
前局アガリを逃させられた河野、今局放銃に回らされた阿部。
これだから土田は怖い。

南1局、ドラ
全員ノーテンの流局。
これも土田の仕掛けが要因だ。

 ドラ

この手牌から土田が3巡目にのポン。
これで、誰も戦えなくなってしまった。
麻雀教室の生徒さんには「一色手でもこんな仕掛けはダメですよ」と過去に教えていたような仕掛けであった。
土田のこの仕掛けは駆け引きの上の仕掛けであり、
むやみにアガリを求めてのものではない。
ウーン、麻雀は奥深い。

南2局1本場、ドラ
ヤミテンで土田が河野から出アガる。

 ロン ドラ

タンヤオドラドラは充分なアガリだ。

南3局、ドラ
ところが、好事魔多し。
土田の5巡目の打牌に親の阿部から「ロン」の声。

 ロン ドラ

ドラドラチートイツは9,600。
まだ、土田も乗りきれない感じ。

南3局1本場、ドラ
河野のリーチが6巡目。

 ドラ

親番前の態勢作りのリーチか。
流局間際にツモは1,000-2,000の1本場。

南4局、ドラ
親番河野の配牌。

 ドラ

丁寧にメンツを育てて行って、14巡目にツモ。

 ツモ ドラ

メンホンツモドラドラは6,000オール(これが問題2の一部です)。 
 このハネ満が決定打になり、河野がトップ。
一時は土田ワールドに引きずり込まれるかに見えたが、この日の河野は安定感があった。

河野  +38.4
古久根 +8.2
土田  ▲10.3
阿部  ▲36.1

4回戦 

並びは親から土田・古久根・多井・阿部(抜け番は河野)。

東1局、ドラ
親の土田が10巡目テンパイ。 

 ドラ

メンチンの3メンチャン、超ド級の手牌だ。
だがが既に切られていて、待ちとしてはそれほど良くはない。
12巡目のを叩いて打のテンパイ替え。
結果は土田の一人テンパイになった。
流局時テンパイと開かれた土田の手牌を見て多井が「ふう」と溜息をもらす。
意図するものではないだろうが、その溜息の意味は伝わってくる。

東1局1本場、ドラ
四者の手が重い。
土田が仕掛けて形テン。親番を守る。

東1局2本場、ドラ
古久根が4巡目リーチ。

 ドラ

阿部が一発での放銃。
このはトイツ落としだった。

東2局、ドラ
多井が7巡目にリーチを掛けるも、その時点で土田はイーシャンテン。

 ドラ
8巡目にアンコのを引くがカンするわけでもなくイーシャンテンのまま。
2巡後を引きをアンカンしてテンパイ。
多井のリーチ後の現物を利用してのヤミテンに入る。
出アガリだとしかアガれない形(三色)だが、
本人曰く「もつれさせないためには、ヤミテン」とのことで、
きっちり古久根からが出て出アガリ8,000.。

東3局、ドラ
阿部がヤミテンから高めツモ。

 ツモ ドラ

タンピン三色ツモは2,000-4,000。

東4局、ドラ
土田の5巡目。

 ツモ ドラ

この手牌で土田の選んだ打牌は
これがメンホンチートイツに仕上がる。

 ロン ドラ

放銃した阿部にしても、8巡目に切った2枚切れのでのフリコミは泣けてきそうだ。

南1局、ドラ
古久根がリーチに出たのが7巡目。

 ドラ

三色出来合いのピンフリーチだ。
その時親の土田の手牌。

 ドラ

タンヤオ仕掛けかのようにカンチーで仕掛け始める。
この辺が細かい芸だ。
ほどなくを叩き、

    ツモ

4,000オールに仕上げる。
繊細な仕掛けで土田の持ち点は6万点を超えた。

南1局1本場、ドラ
古久根の配牌。

 ドラ

この手牌が13巡目に完成する。

 ツモ ドラ

メンチンピンフツモは、4,000-8,000(これが問題2の一部です)。
古久根の手作りのうまさは当然にしても、
あれだけ好調を取り戻した土田がバイマンの親かぶりをするのだから、
麻雀は解らない。

南2局、ドラ
古久根が親番主張のリーチ。待ちや手役は関係ない。
「リーチ親」思惑通りに流局して連チャン。

南2局1本場、ドラ
土田のテンパイが9巡目。

 ドラ

ドラタンキのチートイツ。
終盤リーチを打ってきた多井と、ヤミテンのままで引かずに斬り合ったが、
この勝負は多井の勝ち。
土田のツモ切りが多井に刺さってリーチタンヤオドラ1は積み場込の5,800。

南3局、ドラ
連チャンを目論む親の多井が13巡目にイーシャンテンでドラを手放す。
直後に土田がタンヤオチートイツのドラ単騎のテンパイを入れると、
阿部がこれに放銃して8,000。

南4局、ドラ
土田がダブルリーチ。

 ドラ

後筋までもが味方して、土田のアガリ。
最後まで土田大暴れの半荘となった。

土田  +46.1
古久根 +6.4
多井  ▲12.1
阿部  ▲40.4

5回戦

並びは親から多井・土田・河野・阿部(抜け番は古久根)。
東1局、ドラ
阿部がポンテンからツモ。

  ツモ ドラ

単なる500-1,000だが、5回戦は、このジャブからスタートした。

東2局、ドラ
河野が7巡目にチートイツのテンパイを入れる。
一瞬のタンキに受けるが、親の土田の鳴きで流れてきたに待ちを変える。
は場に1枚切れ。
河野の目からは6枚見える状況。
2巡ほどヤミで回したが、意を決したようにリーチ。

 ツモ ドラ

結果ツモって、裏ドラは、3,000-6,000。
これが、「5回戦伝説」の始まりになった。

東3局、ドラ
土田がイーシャンテンからドラをリリース。
阿部がそのをポン、風雲急を告げる。
ドラをポンした阿部の手牌、

  ドラ

こちらもイーシャンテンだが、他家に包み込まれて手が進まない。
結果全員ノーテンの流局。

東4局、ドラ
土田が5巡目のリーチ。
チートイツのタンキだが、2巡目にそのテンパイを入れ
ツモ切りのリーチに出た格好だ。
場に1枚切れながら、独自のトイツ理論のリーチなのだろう。
すると、多井が7巡目の追いかけリーチ。

 ドラ

2巡後にツモ。裏ドラで3,000-6,000。
伝説Ⅱ」である。
実はこの5回戦、不思議なことにでのアガリが多発する。
「アヤ牌」というのか、牌の織りなすアヤは続く。

南1局、ドラ
チャンスをつかんだ多井の親番。

 ツモ ドラ

リーチを打って、一発ツモは4,000オール。

南1局1本場、ドラ
河野が7巡目にリーチ。

 ドラ

タンヤオ手、堂々と引きに行くリーチだ。
しかし、この局アガッたのは阿部。

 ツモ ドラ

ドラドラチートイツを河野とオナテンに受け、ツモアガッた。
伝説Ⅲ」である。

南2局、ドラ
全員ノーテンの流局。

南3局1本場、ドラ
河野がメンホンのイーシャンテンだが、危機を察した多井が手替わりの含みもあり、ヤミテン。

 ロン ドラ

伝説Ⅳ」は2,000点の1本場。

南4局、ドラ
前局の親を流されてトップチャンスのなくなった河野が敗戦処理(2着確保)の2,000点をヤミテンで出アガり、今節が終了した。

多井  +34.5
河野  +7.3
阿部  ▲10.1
土田  ▲31.7

「麻雀を観戦することの楽しさ」をもっとたくさんの方に味わっていただきたい。
この観戦記がその一助になれば、と思っている。

自分の実力も顧みず、S級の麻雀を断定的に書くことは、とても心苦しい。
だが、一人でも多くの方に、リアル麻雀の面白さ・凄さが伝わればと考えている。

第7節は、足切りを前にしたドラマが待っているに違いない。

第5節終了時
土田浩翔+150.5
阿部孝則+24.4
多井隆晴▲21.1
河野高志▲52.6
古久根英孝▲132.2

(文中敬称略 文責 真下修)