第8期クラウン準決勝速報 |
第8期RMUクラウンの本戦が11月22日、準々決勝と準決勝が翌23日に行われた。
今回はその本戦とベスト28トーナメントから勝ち上がった15名と前年度優勝者のRMU長崎A級ライセンス岡澤和洋を加えた16名での戦いをレポートいたします。 ――― まずシステムの説明から行なおう。 本戦は、予選の勝ち上がり者と本戦シード者、計76名で通常の大会形式の3回戦を行う。 ポイント1位が、翌日のベスト16へ進出。 ポイント上位2~27位の26名と昨年度RMUリーグチャンピオン河野高志(ライセンスS)とライセンスSS保持者の多井隆晴を加えた28名にて、7卓に分かれて、同面子にて3回戦を行い各卓上2名が翌日の準々決勝へ進出、いわゆるトーナメント方式にてベスト28を行う。ここまでが、22日。 筆者は、本戦初日の22日にベスト28にも進めず敗退してしまったライセンスB中村です。 見せ場が無かったわけではなく、1回戦2着、2回戦2着で、3回戦開始時はボーダーである27位につけていたが、オーラス2着ではあったが素点が足りず、連荘をせざるを得ない状態になり最後は捲られて3着と撃沈した。 あれ? 見せ場はないですね。 さて、私の話はさておき、翌日の23日も同じくトーナメント方式で、前半戦は16名で準々決勝、後半戦は8名で準決勝を行い各卓2名が決勝への切符を手に入れることとなる。 準々決勝の各卓の卓組は以下の通り。なお、敬称略で失礼します。 1卓 岡澤・水巻・原・楢原 2卓 小川・坂本・伊藤・藤中 3卓 河野・福井・安達・金 4卓 多井・橘・浜崎・齋藤 まず、1卓の模様から。 1卓は岡澤・水巻・原・楢原の4人。 1回戦は、楢原が点棒を無くしたところから、リーチツモチートイツオモオモウラウラと長めの呪文でトップに立つがオーラス2着の水巻にトイトイの5200は5500の供託1000付きの和了により単独トップから同点トップへ。 その水巻は、素点分の6500と順位点を手に入れる。(同点は順位点を分ける)。 2回戦も、水巻、楢原がリードし、1回戦3着と4着に甘んじた原、岡澤がオーラス二人共、ドラの単騎のリーチを掛けるも流局。 1回戦の上二人と下二人が同じ面子となる、追う側には戦いにくい並びとなる。 2回戦終了時のトータルポイント 水巻+38.7、楢原+25.9、原▲30.3、岡澤▲36.3 そして、3回戦。 東4局に、ポン、加槓、加槓と驚異的な仕掛けを行った岡澤。残念ながら流局となる。 昨年度優勝の岡澤和洋。残念ながらこの見せ場を最後に今年のクラウンは終了した。 俺は簡単には負けないぞと言わんばかりに、原が猛追撃をする。 楢原トップ目で迎えたラス前。 1300オールを皮切りに、2600は2700オール、4000は4200オールと25000点近く加点する。 2回戦終了時に水巻と原にあった69.0pの差が、ついには1.6p原が上に立つことに成功する。 しかし、水巻もこれ以上好きにはさせまいと3本場。ピンフドラ1を立直し、3900は4800で再逆転し、水巻親のオーラスを迎える。 その差、水巻が3.2p上。 原の逆転条件は、 水巻から1600以上直撃、3200以上の水巻以外からの出和了り、600-1200のツモ、流局だと原の1人テンパイもしくは水巻の1人ノーテン。 同点の場合、RMUでは追いつき有利であるため、2回戦終了時の順位が原が通過となる。 そして始まったオーラスだが、そんな条件を原に与える暇なく、水巻が早々に翻牌を2つ仕掛け、混一色をツモりあげ4000オール。 続く1本場は、マンガン直撃、跳満ツモという条件を突きつけた水巻が静かにノーテンとし、幕を閉じた。 1位楢原、2位水巻(以上が準決勝へ勝ちあがり) 続いて、2卓。 2卓は小川・坂本・伊藤・藤中の4人。 1回戦、オーラス。トップ目は藤中。2着争いが最高位戦対決となる坂本と伊藤。4着は点棒が1万点となってしまったラス親の小川。 小川としては、時間の許す限り連荘したいところだが、100点単位の2着争いが展開を早くし、手作りをする時間さえ与えてもらえずに、坂本が速攻でアガりきり、僅か200点だが伊藤を捲り2着を奪取する。 続く2回戦、オーラス。伊藤が箱下スレスレを彷徨う中、ラス親の小川が連荘に成功し、 坂本412、小川405、藤中391、伊藤▲8という持ち点状況。 小川は1回戦が大きめの4着だっただけの是が非でもトップがほしい。 そんな3本場、小川と坂本が互いに翻牌を仕掛け、互いにテンパイ。 待ちは坂本 勝負は5分と5分と思っていた終盤、伊藤からリーチが入る。 ドラきちんと形を作ってリーチしてくるあたり、準々決勝まで残ってきている実力だろう! しかし、この戦いは、またもや坂本のツモの声で終局する。 トップ坂本451、2着小川392、3着藤中383、4着伊藤▲26 トータルポイント 坂本38.8、藤中32.6、小川▲22.3、伊藤▲49.1 ここから、下位2人は時には協力し、時にはお互いから見逃すなど、戦略的なことをやらないと行けない状況になっているが、果たして「あうんの呼吸」は作れるであろうか? しかし、3回戦も藤中トップ、坂本2着で終了。 1位藤中、2位坂本が準決勝への切符を手に入れた。 3卓。 3卓は河野・福井・安達・金の4人。 この卓はとにかく打点が高い。 1回戦から、福井が金から国士無双をアガり、1回戦771のトップ。 河野は普通なら余裕でトップであろう590持ちの2着。安達は、台風をうまく避け292持ちの3着。金は▲670という、ラスを喫してしまう。 こうなってしまうと福井、河野の2人がうまくゲームメイクをして終わらせてしまうのだろうか? などと考えていた中始まった2回戦。開始早々に金が河野から国士無双をアガる。 矢印で書くならこんな感じか? 河野→金→福井、役満運送の配送ルート。 こうなると福井の勝ち抜けはほぼ当確! 福井はあまり前に来ないと読んだ安達が2着を必死に取りに行く。 結果は3着となってしまったが、2回戦終了時のポイントがこれ。 トップ福井+71.7、2位河野▲15.1、3位安達▲18.8、4位金▲37.8 安達は河野との着順勝負、金もトップを取れば残れる可能性は十分にある。 そして始まった3回戦だが、筆者が1卓の原の追い上げを追っかけている間に終局。 河野がトップを取り、準決勝進出を決めた。 1位福井、2位河野の2名が勝ちあがり。 4卓 4卓は多井・橘・浜崎・齋藤の4人。 こちらの卓は3卓とは真逆に終始静かに局が進む。 1回戦、危なげない戦いをし、多井がまず1勝。 だが素点差だけなら、上から下まで14.1pと僅差で決着しているので、4位の齋藤もトップの多井もまだまだ2回線の結果次第で全く予断を許さない。 続く2回戦もオーラスまで接戦。またもや素点差だけなら、1位と4位がたった9.4pの差。 そして、2回戦終了時のトータルポイントが以下。 1位浜崎+13.6、2位多井+2.1、3位齋藤▲2.6、4位橘▲13.1と、全員が勝ち上がりも敗退も全パターンが起こりうるポイント差となった。 そんな、3回戦もトップ目の橘がラス親ということもあり、恐らく1局限りのオーラスとなり、ノーテン罰符の状況で勝ち上がり者が変わる状況で多井がから仕掛け、混一色に仕上げる。しかし、条件の関係で簡単にはアガれない。 また、追われる浜崎もノーテンに出来ない条件で中盤へ突入する。 アガれない多井、ノーテンだと捲られる浜崎。そんな終盤、ラス目の齋藤からリーチが入る。 浜崎、1人ノーテンは多井に捲られるが、2人ノーテンだと残れる条件! そのまま流局し、終局。 多井、齋藤の2人テンパイとなり、最終的なトータルポイントはこちら。 トップ橘+12.0、2位浜崎+7.3、3位多井+6.8、4位齋藤▲28.1 4卓は500点差で決着がつくという手に汗握る展開で幕を閉じた。 準々決勝を勝ち抜き、準決勝を戦う選手と卓組はこちら。 A卓 楢原、坂本、福井、浜崎 B卓 藤中、水巻、橘、河野 まず、A卓。 東2局に浜崎が6000オールをツモると、1本場は坂本が一発で高めをツモり2000-4000 一発ツモラス前には、高打点競争なら負けられない楢原も下家の浜崎の混一色をくぐり抜けこちらも一発ツモの3000-6000と全員が和了りを連発するが、6000オールの分だけ分がある浜崎がトップを死守。 トップから、浜崎370、坂本292、楢原289、福井239の並びで1回戦終了。 続く2回戦。 1回戦ラススタートの福井がスタートダッシュを決め、東2局で既に5万点オーバー。 しかし、東3局親の坂本がいい。 ドラ頭の3巡目リーチ。 ドラこれは他家にとっては驚異! しかし、終盤までもつれ込み、福井、浜崎から役牌をポンされ反撃を受ける。 しかもこれがツモれず浜崎と2人テンパイ。 坂本の胸中はいかに。 坂本、先程のリーチがアガれなかったのは計算外だっただろうが、 続く1本場も10巡目にリーチ。 ドラこれもドラヘッド。 今度はどうしてもツモりたいところだろう! この手まで、空振りに終わると今後のリーチ判断に狂いが起きそうだ。 そんな中、ツモも後2回の17巡目にツモ 裏ドラは乗らずとも4000は4100オール 坂本、ほっと胸を撫で下ろす。 そして、今日ここまで危なげない戦いをしてきた楢原に試練が訪れる。 南2局に浜崎に8000を放銃するとついには箱下まで転落してしまう。 オーラスには、福井との2着争いをしていた浜崎に3900を放銃してしまい、手痛いラスを引いてしまう。 トップは、坂本。 1回戦2着、2回戦トップの坂本と1回戦トップ、2回戦2着の浜崎。両者が勝ち上がりへ大きくリードした。 1位 坂本+47.2、2位 浜崎+35.4、3位 福井▲23.7、4位 楢原▲49.5 そして運命の3回戦。 トップが最低条件の福井と楢原だが、 坂本と浜崎の2人に終始リードを許し、大差のポイントをひっくり返すことにはならず、惜しくも準決勝で敗退となった。 決勝進出 坂本大志(最高位戦日本プロ麻雀協会) 浜崎悠(一般) つづいて、B卓 こちらも開始早々からめまぐるしい。 水巻が橘から12000をアガると、河野が2000-4000をツモリ追いすがる。 しかし、水巻6000オールをツモリ、河野を突き放す。 さらには橘から3900を和了り、既に6万点オーバー。 2着には、河野。 今日の河野は、準々決勝で国士無双を放銃した以外は終始、的確なアガりをものにしていた。 その河野の親番である南1局。 親 河野、ドラ 河野337、藤中115、水巻697、橘42 橘10巡目 ドラここに引き、切りダマ、その後ドラのを引きリーチ! この辺りはさすがだ。自分に分がないと見るや窮屈な三色には固執せず、ドラを引き入れてのピンフドラ1でリーチを打つ。カンはその時既に水巻に暗刻で持たれていて空聴。的確な判断が光った場面だ。 しかし、すぐ河野のツモの声。橘の頭のをツモ2600オール。 ドラツモ自分が頭にしているを引かれた橘も辛いところであろう。 そしてオーラスを迎える。 親番の橘、ここで、盛り返したいところ! 水巻622、河野394、藤中159、橘25 1人テンパイを繰り返し、3着の藤中の背中が見えたところで、そこまで。 4本場である最終局は藤中がラスだけはごめん、と1000は2200をアガり、終局。 藤中にとっても苦しい半荘であった。 2回戦はなんとか盛り返していきたい橘と藤中。 しかし、スタートダッシュを決めたのは水巻。 流局した東2局。 水巻から10巡目リーチ。 ドラ終盤、藤中、河野が応戦するもをツモり、2000-4000は2100-4100 局は進んで、東4局。 親の橘と南家の水巻が魅せる。 橘が、丁寧に678のタンピンサンショクに仕上げリーチすると、 ドラその宣言牌を、水巻がロン8000は8300! ポン ドラ続く南1局は橘が6巡目にリーチ! ドラ8巡目にをツモリそれが裏ドラ。2000-4000 南2局は河野が藤中から8000。 ラス前、水巻426、河野352、橘293、藤中129 ドラ 藤中が13巡目ドラ単騎リーチをすると、 橘、国士無双待ちをテンパイ! しかし、流局でオーラスへ! B卓は、オーラスに橘がメンホンを仕上げ河野からロン!8000。 水巻411、橘401、河野254、藤中134 トータルポイントは、以下。 水巻+66.1、河野+1.4、橘▲18.0、藤中▲49.5 水巻はほぼ当確。 藤中はトップを取り、河野、橘を沈める。河野は橘より上ならほぼ決勝進出か。橘は河野に2着順付けることがわかりやすい目標となる。 そして始まった3回戦。起家から、河野、藤中、水巻、橘。 A卓の卓トラブルを復旧中に局が進み、南入! 東家から、河野290、藤中385、水巻294、橘231 藤中は、トップ目だがまだ条件を満たしていない。河野、橘はこのままだと河野が通過となる。 そこに藤中から6巡目にリーチ! ドラしかし流局、藤中の1人テンパイで南2局へ。 南2局は、親の藤中と西家の橘の2人リーチ! 局を進めたい水巻は、親の藤中の現物を抜き橘に3900は4200。これで藤中は万事休す。 南3局。 残り1つの席は河野と橘の勝負となってきた。 藤中395、河野280、橘283、水巻242 現在、河野と橘の差が19.4p、橘はここから藤中を捲りトップに立てばほぼ条件を満たす。 その橘がリーチ!しかし、河野がドラのを暗刻にした8000を藤中からアガり、オーラス。 トップから、河野370、藤中315、橘273、水巻242 橘は、とにかく連荘が必要。 その橘、7巡目リーチ! ドラを程なくツモり、2000オール! オーラス続行の次局、トータルトップの水巻がアガりきり決着! この卓からの決勝進出は、 水巻渉(最高位戦日本プロ麻雀協会) 河野高志(RMUライセンスS) 決勝進出者4人に、まだ興奮冷めやまぬ対局直後に、決勝戦での意気込みを聞いてみた。 通過順に、 坂本大志「第3期RMUクラウン以来の決勝戦です。5年前の忘れ物を取りに行きます!」 水巻渉「今年は本場所のAリーグを降級して非常に悔しい思いをしているので是非とも勝ちたいです!」 浜崎悠「前回ベスト8で敗退したので決勝に残って本当に嬉しいです。前年の優勝者が恩師の岡澤和洋プロなのでそれに続いて優勝できるように頑張ります。」 河野高志「最高位戦の水巻、坂本、元RMU会員の浜崎と実力者との決勝は本当に楽しみです。 勝負は時の運ですが、内容のある麻雀をお見せできるよう頑張ります!」 決勝は11/30(日)11:00より、スリアロチャンネルにて生放送で行います。 ぜひご視聴ください。
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