2013 サターンカップ優勝はライセンスB松ヶ瀬隆弥プロ!
 

2013年度スプリントカップ第6戦サターンカップが11月24日(日)銀座柳本店にて行われました。

今回のルールはRMUのCルール、一発、裏ドラあり、赤ドラあり、25000点持ちの30000点返しなのでトップにはオカの20pが加算されます。

赤ドラが3枚入っているだけで一気にアガリ点は上がり、持ち点が普段のRMU公式ルールより少ないため、0点を下回ってしまう人が多数出ました。

もちろん点棒を借りて続行ですが、運営側で用意している点棒があわや足りなくなりそうな事態にも。この日の様子を、B級ライセンス石川泰之のレポートでお送りいたします。

最近の朝晩の冷え込みはどこへやら、熱戦が繰り広げられ、その中を勝ち上がった猛者達はこの人たち!

日本プロ麻雀協会に所属の山舗徹プロ
RMU所属B級ライセンスの松ケ瀬隆弥プロ
一般から
豊田武夫さん
轟雄太さんの4名(予選通過順、以下敬称略)。

決勝進出時のポイントは山舗+115.1、松ヶ瀬+110.0、豊田+73.5、轟+73.0。

優勝するには山舗と松ヶ瀬は着順勝負、豊田と轟はトップを取りつつも山舗、松ヶ瀬が2着ならさらに1万点程の素点が必要となる。

場所決め、親決めをして並びは東家から松ヶ瀬、轟、山舗、豊田の順。

東1局 「激しくも静かに」

まず先制したのは南家の轟。

8巡目
ドラ リーチ
出ても満貫以上、ツモれば跳満以上のいきなりの勝負手を躊躇なくリーチ!

轟は今日これまでの戦いをこのスタイルで勝ち上がってきたのだろう、ためらいは無かった!

が……成らず。一人テンパイで流局してしまった。このリーチ、ダマにしていたらどうなっていただろう。仮に山舗、松ヶ瀬からアガっていたとしたら優勝条件がぐっと近づく可能性もあったと思う。轟の心中は如何に。

逆にしっかりオリた三人の立場からすれば「ツモられなくて良かった」という感じだろうか。

東2局 「チャンスのあとはピンチあり」

親番の轟がイーシャンテンで長引いているところに、山舗が終盤14巡目にリーチ。

南家 山舗 14巡目 ドラ

リーチ

高め三色のリーチであるがフリテン、がしかし、まだ高めが2枚山に残っていた!

と思っていたのもつかの間、松ヶ瀬から「ロン」の声。

そうは問屋が卸さんぜよ、とばかりのアガリ。これはいわゆる地獄待ちの単騎。

北家 松ヶ瀬 15巡目 ドラ

ロン

討ち取られたのは親の轟、先ほどの勝負手が流れてしまった後で痛恨の跳満放銃となってしまった。

しかもは山舗と豊田の現物、松ヶ瀬の技あり一本といったところか。

東3局 「山舗と松ヶ瀬の意地のぶつかり合い」

親番の山舗はここでひとアガリしたいところにこのテンパイ。

東家 山舗 9巡目 ドラ

リーチ

しかしここにも松ヶ瀬登場!

「こっちも勝負手だ!」とばかりの真っ向勝負!

西家 松ヶ瀬 10巡目 ドラ
リーチ

勝負の行方は……

山舗がをツモりあげ、裏ドラも一枚乗せて2600オール。これで山舗も一回アガってホッと一安心か。

東3局 1本場 「松ヶ瀬、ここにも出てくるか!」

松ヶ瀬の手の入り方がハンパではない。

西家 松ヶ瀬 6巡目 ドラ

リーチ

ところがここに「ちょっと待った~!」とばかりに、

北家 轟 8巡目 ドラ

ドラ

しかもリーチした時に待ち枚数はなんと山3!!

どうなるんだと思っていたら決着は早かった。

轟が松ヶ瀬にで満貫の放銃。

まだ東場ながら山舗と松ヶ瀬の一騎打ちの様相に。

東4局 「俺もいるって事を忘れてもらっちゃ困る!」

ここまでじっと息を潜めていた豊田。

親番がまわってきて、ここまでの我慢タイムから猛攻タイムに転じたいところにこのテンパイ。

東家 豊田 6巡目 ドラ

ドラ

一手変り純チャン三色の大物手!

これに捕まってしまったのは後が無くなってきた轟。

ダマテンパイ即で7700の放銃でハコ下までいってしまう。これで轟は親番がまだあるとはいえかなり厳しくなってしまった。

これに対し豊田はこのアガリをきっかけに、さらに点数を稼ぎたいところである。

東4局 1本場 「牽制の果てに」

全員が手牌にツモがマッチせず、牽制しつつ誰一人テンパイせずに全員ノーテンで流局。

豊田としては何とか親権を維持したかっただろう。

現在トップ目の松ヶ瀬の立場から言えば「誰も点数が増えないで一局潰せた。ラッキー」という思いであろう。

南1局 2本場 「残り半周の試練」

南場に入り残り半周、時間無制限なのでここから決勝ならではの駆け引き等も必要になってくるだろう。

現在トップ目の松ヶ瀬は見逃し、山越しなどにこれまで以上に気をつけなければならなくなってくる。

そこへ轟からのリーチ。

南家 轟 9巡目 ドラ

ドラ

この時点で高めのは3枚切れ、確かに1枚高めは残っていそう。

親の松ヶ瀬は、ここは行かない方が得策と踏んだか磐石のオリ。対してまっすぐ手を進めた山舗がで放銃。

安めでのアガリなのでせめて裏ドラ! ……の願いはかなわず。アガった轟からすれば落胆の色が隠せないか。

打った山舗からすれば裏ドラも乗らなかった事で「まぁ、進行料としては安くすんだか」というところ。

そして松ヶ瀬は「しめしめ、いい感じに事が進んでるのぉ」というところか。

南2局 「動くか、いやしかし……」

ここで猛連荘しなければ優勝することのできない親の轟にチャンス手が!

東家 轟 5巡目 ドラ

ドラ

ここから山舗からドラのが出てポン!トイトイドラ3のイーシャンテンに。メンゼンでチートイドラ2で構える人もいると思われる。

しかし轟の判断はポン。これに山舗がション牌をぶつけていって勝負! 結果は轟の鳴きたい牌が出ずにイーシャンテンのまま流局、山舗の一人テンパイとなり、これにより轟は戦線離脱となってしまった。

南3局 1本場 「早過ぎる決着」

ここまでの点数状況は松ヶ瀬430、山舗322、豊田281、轟△33。

山舗はまずこの親番でアガリ松ヶ瀬を捲くりたい。

一方当面の敵である松ヶ瀬にとってはここが剣が峰、山舗の親をなんとしても早々に落としたい。

とメモしているのもつかの間、松ヶ瀬のテンパイが早過ぎる。6巡目にピンフドラ1のテンパイが入り、他の誰にもテンパイを入れさせないままアガってオーラスへ。

西家 松ヶ瀬 11巡目 ドラ

ドラ ロン

南4局 「そして終局へ……」

親の豊田は連荘あるのみ、山舗は松ヶ瀬からの満貫直撃or跳満ツモ、松ヶ瀬はアガれ
ば優勝である。

轟は残念だが役満でもダメになってしまった。

しかし松ヶ瀬のスピードは最後まで落ちなかった。豊田の親番での早さ重視の手組み、山舗が条件を満たす手作り、それを嘲笑うかのように松ヶ瀬が静かに牌を置く。タンヤオをツモって試合終了。

これでスプリント3勝目となった松ヶ瀬プロ。

以下コメント(筆者が多少いじっています)
「今日は観ている皆様に強い麻雀を見せる事ができたかなと思います。後期のリーグ戦に向けて良い弾みになりました。残りのタイトル戦も全て勝つつもりで頑張ります」。

手が入っている時に、しっかりアガれたのが良い結果に繋がったのではないか。今の彼の充実度を見ると、勝つべくして勝ったとも言える。

今年度のスプリントカップの残すところあと2回!
スプリントファイナルへの切符はまだまだあります。

次回は年末の12月22日(日)に銀座柳本店で行われます。
年の瀬で皆様お忙しいかとは思いますが、この一年の集大成の麻雀はいかがでしょうか。
皆様のご参加を願いつつ、観戦記を終了とさせていただきます。


(文責・石川泰之)
文中敬称略