2013 ジュピターカップ優勝はライセンスA岡澤和洋プロ!
 

2013スプリントカップ第5戦ジュピターカップ決勝を、B級ライセンス中村がお伝えします。

それでは決勝に残った四人を東家から順に紹介していこう。

(※氏名の後のポイントはトータルポイントを半分にした持ち越しポイント)

東家 小西弘文(一般) 51.1
予選をすべて連対し、確実にポイントを伸ばし、4回戦、準決勝では大きなトップを取り決勝へコマを進めた。
スプリントカップ決勝は初進出。

南家 岡澤和洋(A級) 51.2
予選1回戦は29000点のラスというノーテン罰符なしのルールのような痺れる状況から、
焦らずポイントを回復。4回戦に8万点オーバーのトップで、一気に決勝へ駆け上がってきた。
筆者の岡澤プロとの出会いは、私が全く競技麻雀という世界を知らない13年前、長崎の麻雀店の店員をしていた時にお客様としてご来店されていて、
「この人はなんて麻雀が綺麗なんだろう!」
「この人はなんて麻雀を愛しているのだろう!」
「この人はなんて麻雀が強いんだろう!」
と、強く印象に残った人物であった。
その後、RMU長崎を立ちあげられた時に、「あの時の岡澤さんだ!」と、ひとり大歓声をあげていたのを覚えている。

西家 平山友厚(会員) 52.4
決勝までの5回戦中4トップ1ラスでの決勝進出。クラウン、オープンリーグ2勝、カップ戦2勝の実力は健在だ。今年は、第1戦マーキュリーカップに続く決勝進出である。

北家 瀬本裕志(一般) 49.6
1,2回戦で大きなトップを取り、3回戦小さなラスながらも決勝までは安定した成績で決勝進出を決めた。
スプリントカップ決勝は初進出。

優勝の条件だが、順位点が1着順10ポイント差のため決勝の順位がそのまま総合順位となる。

東1局0本場 ドラ 親:小西

配牌を見てみよう。

東家 小西 ダブが対子で入って入るが、うまくまとまるか?
南家 岡澤 イッツー含みのいい形。
西家 平山 東1局としては、いいとはいえないチートイツ形。
北家 瀬本 ドラ2で楽しみな配牌。

岡澤、瀬本の二者が場をリードしていく。

6巡目
東家小西の配牌からあるダブは鳴けないが、手がまとまってきた。
岡澤はピンフとイッツーとのくっつきのイーシャンテン。平山は、受け気味のチートイツといったところか。瀬本はなかなかキー牌を引けずにまだリャンシャンテン。

動きがあったのが、8巡目。小西がダブをポンし、イーシャンテン。その後、他家に1牌も有効牌が行かないまま、ダブのみの1000オールで開局。
 ツモ ドラ チー ポン
ギャラリーのある決勝戦という舞台で、東1局にツモと発声できたことは、打点以上に大きかったのではなかろうか。

東1局1本場 ドラ 親:小西

平山にドラが暗刻の配牌が入るが、それ以外の余剰牌があまり良くない。役牌を重ねるか、うまく手牌をまとめていきたいところか。

全員の進行速度が遅く、じれる9巡目、平山はを暗刻にし以下の形。

 ドラ

は山にたくさんいそうだが、キー牌のは瀬本に暗刻。もう1枚のの行方が気になるところ。

その平山、11巡目の岡澤がツモ切ったをチーして、ペン聴牌。捨牌を見てみるとホンイツでもなくチャンタでもなく三色でもなく、第1打のからイッツーの可能性も低い。

役牌はが生牌。当然だがドラのも顔を見せていない。そのは岡澤が1枚抱えている。ドラと役牌が当然絡んでくる仕掛けで安くはなさそうだ。

全員のツモ切りが続く中、13巡目ソウズを1枚も切っていない北家の瀬本がを静かに置く。ホンイツではなかったが、東暗刻の待ちの1300聴牌。

重苦しい場なので、ひとまず局を進めたいといった所だろう。

そんな中14巡目、をツモ切った岡澤。

平山からロンの声。8000は8300。

 チー ドラ

平山のは後引きなだけに、それを読むのは至難の業。だが、を抱えていて形も悪いので、このを岡澤は切らないと思ったので少しびっくりした。

東2局0本場 ドラ 親:岡澤

西家の瀬本がソウズの山を引き当ててホンイツに一直線。

親の岡澤は中盤の8巡目になっても、ピンフ型の4対子の形で聴牌さえも危ぶまれる。

しかし、終盤の13巡目から一気にチートイツ聴牌までこぎつけ、小西から2400。

東2局1本場 ドラ 親:岡澤

平山が1巡目にドラのを重ねる。残りのは、岡澤に1枚。しかし、簡単にドラをリリースするものなどいないので必然的にチートイツといったところか。

局は進み、徐々に岡澤のと中盤にツモった小西のが手配進行のネックとなりつつあり、2人共単騎のホンイツへ移行する。

結局全員ノーテンかと思われたが、終盤聴牌を入れた瀬本の1人聴牌。ここまで、配牌には恵まれているが、ツモが効かず、参加できていなかった瀬本としては、アガれはしなかったもののまずまずの結果か。

東3局2本場 ドラ 親:平山

岡澤、瀬本がタンピン系の配牌。平山と小西はゴツゴツしていてかなり遅そう。しかし小西、配牌時は5枚しかなかったソウズから、ソウズと三元牌しかツモらず、4巡目からとポンし、最後はを自力で重ね、1手変わりで大三元ながら9巡目にあっさりホンイツ小三元の跳満をモノにする。

 ツモ ポン ポン ドラ

これでトップ目の平山の親かぶりとなり、小西が一気にダントツのトップとなる。

東4局 ドラ 親:瀬本

この局も小西はソウズのみをツモリ、なんと3巡目にメンホンを聴牌。

 ドラ
この時点で山に1枚4枚の5枚残り。のイーペーコーへの変化。ツモればマンガン。そしてダントツのトップ目。こういった理由からかダマテンを選択。

3巡何ともない牌をツモ切り、6巡目に平山からがこぼれ、ロン。5200。

 ロン ドラ

持ち点は46000を超えたところで、東場が終了。

南入時点の持ち点は、
小西 46800
岡澤 17500
平山 25900
瀬本 29900

さあ、東家スタートである小西、このままこのリードを守りきれるか?

南1局0本場 ドラ 親:小西

南家岡澤が6巡目にチートイツ待ちを聴牌。これは生牌であり自身は南場の南家。リーチをしても出アガリの公算は薄く、また打点もツモらない限りは心もとない。アガリ牌が出ないまま12巡目、ドラのを持ってきた所でリーチ。これで一気に勝負手となった。

リーチした時点では山に2枚生きておりツモに期待されたが、全て脇に流れ流局し、岡澤の1人聴牌。

南2局1本場 ドラ 親:岡澤
東家岡澤の配牌がいい。ピンフドラ1のリャンシャンテン。

現在4着目なのでなんとかリーチしてツモりたいところだろう。2巡目にはイーシャンテン。形もいい。そして、7巡目ピンフドラ1をリーチ。

 ドラ

リーチを受けた3人。平山、瀬本がリャンシャンテン。小西サンシャンテン。

これはさすがに一人舞台で2600オールか? と思われたが、西家の瀬本がまだあきらめない。

リーチを受けた一発目に(一発はないが)チートイツイーシャンテンとなり、ここは現物のの対子落としで受ける。その後、すぐドラともう一枚重ね、チートイツドラ2を聴牌。岡澤のリーチをしのいでアガリ切るか? と思ったが、自身が4巡目に切っているをツモ切ったところでジエンド。5800は6100を献上。

牌の来る順番が違えば、マンガンツモなだけに、悔しい結果となった。

南2局2本場 ドラ 親:岡澤

岡澤の切った第1打のを平山が仕掛ける。これ以上の連チャンはさせるものかというところだろうか。

すると3巡目、ドラが重なり次の形。

 ポン ドラ

ドラの切り出しが難しいなと思っていたところでの早めの重なりはしてやったり。

岡澤の6巡目、タンヤオに決めドラをリリースすると、平山がポン。かわし手が本手に化けた瞬間だろう。

 ポン ポン ドラ

次巡、を重ね待ち聴牌。

ピンフのみのイーシャンテンだった瀬本はやむなく撤退。

小西は初めから受けている。

岡澤は特に危ないところを切ることもなく、15巡目に片アガリながら何とか聴牌し、平山もツモる事ができず流局。

岡澤、平山の2人聴牌。

南2局3本場 ドラ 親:岡澤

事件が起こる。

平山の配牌

 ドラ

ここから、3巡目のポン、4巡目のポン、6巡目のポンと、他家にとっては強烈な仕掛けが入る。

 ポン ポン ポン ドラ

小西の目から見れば、残りの字牌のは全て2枚ずつ見えており、字一色は否定できたが、まっすぐは行けそうにもない。

親の岡澤もペンが残る苦しい形。

平山のツモ切りが続く中、14巡目にの加カンが入り、の手出し。誰が見ても聴牌だが、実はまだイーシャンテン。

 加カン ポン ポン ドラ

そして、16巡目を引き入れ打

 加カン ポン ポン ドラ

そのは岡澤の河に1枚と、小西に2枚。

流局かと思われた16巡目、瀬本から突然のリーチが入る。

 ツモ ドラ

6巡目にを切っているので切り。しかし、次のツモは悲しいかな。しょうがないといえばしょうがない。

しかし、ここで困ったのはトップ目の小西。をツモったところで残る手番はあと2回。
マンズの5から上が3枚、4枚、4枚、4枚、3枚が小西の目から見えている。

そして小西が選んだのは

平山への6400は7300の放銃。1局進めるにはとても高い通行料となってしまった。

南3局0本場 ドラ 親:平山

全員の配牌が整っている。ぶつかる予感。

イーシャンテン一番乗りは瀬本の4巡目。

 ドラ

現在19200持ちのラス目であることを考えたら、リーチしてツモりに行きたい所だろう。

6巡目には迷わなくていいを引き、「メンタンピンドラ1」リーチ!

 ドラ

2番手イーシャンテンは同巡の小西。ドラのを引き入れ以下の形。

 ドラ

どうテンパっても3面待ちになりそうだ。

3番手イーシャンテンは親の平山の8巡目。

 ドラ

こちらも三色ドラ1と打点もある。

3人がぶつかる気満々の気配をギャラリーも感じていたことだろう。

ここで岡澤が4枚目のを切った瞬間に、場に放たれた

当然のように小西がポンテンをとる。

 ドラ ポン

10巡目には岡澤も1シャンテンになる中筋の打。チーテンのカン聴牌など平山の目にはもちろん映っていない。

11巡目岡澤聴牌するもドラではない引きはさすがに聴牌取らずの打。さすがに落ち着いている。

 ツモ ドラ

そして、13巡目。ついに平山が待望のを引き入れ追いつく。

 ドラ

は小西がポン、は岡澤が先ほど通したため、山には1枚、1枚残り。
を掴んだら奈落の底に落とされそうだ。

対する瀬本のは5枚残り。

小西のは2枚残り。

さあ、どう決着する?

と、思った瞬間、瀬本が安めのをツモ切り、平山の2900。

競り勝ったのは嬉しいが平山の心中はいかに。

ついに同点にまで追いつかれた小西は、冷静さを保っていられるか?

南3局1本場 ドラ 親:平山
早めにドラをリリースする小西。

9巡目に小西聴牌。

ドラ

役なしだが、をポンして役有りへと変化を見てのダマテン。

2番手は11巡目にリャンペーコー聴牌の岡澤。

ドラ

しかし、は平山の河に2枚あり、山にはあと1枚。

続く12巡目の小西。をポンし打待ちに変化。1000点の仕掛けだが何より局を1局潰し、オーラスを迎えた時点で平山より100点でも上にいることが重要であろう。

しかし、このポンで岡澤にリーチがかかる。

待ちをからに変えチートイツにしてのリーチだ。

他家はどう対応するのか?

小西は無筋のを押す。

平山は小西が押しているのを見て、無理せずにオーラスに勝負を持ち越した模様か?

しかし最後まで小西が押し切り、小西、岡澤の2人聴牌。

南4局2本場 供託1000点 ドラ

いよいよ、オーラスとなる。

持ち点は東家から
瀬本13800
小西39100
岡澤30000
平山36100

各自の条件を確認してみると……

東家の瀬本は流局ノーテンとなるまでアガり続けること。
小西はアガるか、平山岡澤の2人聴牌はノーテンでも優勝。(追いつき有利のため)
岡澤は2000-4000ツモ、小西から5200、または8000出アガり。
平山は300-500ツモ、小西から1000、または1600出アガり。

まず、親の瀬本の配牌がいい。

2面子できており、イーペーコーの目もある。ドラも受け入れOKだ。

岡澤が4巡目1シャンテンとなるが条件を満たしていない。

アガればいい小西は6巡目に自風のを重ね、逃げ切りをはかる。

岡澤5巡目聴牌するも1シャンテンに戻し、6巡目には以下の形。

 ドラ

平山の8巡目、ピンフイーシャンテン。小西11巡目、を暗刻にし、1シャンテン。

 ドラ

12巡目の親の瀬本。形はどんどん良くなっているが一向に聴牌しない。

岡澤の14巡目、聴牌はするが、これでもまだ条件ができていない。

 ドラ

平山もイーシャンテンからなかなか進まない。

 ドラ

続く岡澤の15巡目、ツモとなるを引き、切りフリテンリーチを敢行。

 ドラ

ツモなら優勝となるリーチだ。

リーチの現物をツモ切った瀬本。

小西がそのをチーし追いつく。カン聴牌。しかし、たった今2枚も切られてしまっている。

チーで海底が岡澤に廻ったので、海底ツモでも条件は満たす。

同巡、平山にもピンフの聴牌が入る。リーチ棒が岡澤から出たので、1000出アガりで条件を満たす。

残り2巡となりイーシャンテンだった瀬本が、形式聴牌取りのチーを入れる。
これにより、ハイテイ牌は平山へ。

小西の最終手番に通っていないが来たため、全員に通るであろうを切り、カンからシャンポン待ちに変化させ聴牌維持。

力が入る岡澤の最終手番……。しかし、ツモれず。

海底牌のを平山がツモ切った時、小西、岡澤の心境は複雑であっただろう。

全員聴牌で、オーラス続行。

南4局3本場 供託2000点 ドラ

全員の配牌を見てみよう。

瀬本 
小西 
岡澤 
平山 

全員前に来るので、瀬本の役牌は非常に早い段階で鳴けるであろう。

岡澤はドラ2。

平山、瀬本はピンフやタンヤオが見える。

4人共に条件的に欲しい配牌が配られたようだ。

その流れに従うように、この局は防御なしの打ち合いが1巡目より繰り広げられた。

1巡目に平山が切ったを瀬本がポン、打
 ポン ドラ

1巡目にを重ねていた岡澤がそのをポン。

 ポン ドラ

3巡目に瀬本がツモ切ったを平山がポン、打

 ポン ドラ

そのを瀬本がポンし、ホンイツに向かう。

 ポン ポン ドラ

4巡目の瀬本。を引き入れ聴牌取らずのホンイツ小三元の跳満を狙う。

 ポン ポン ドラ

同じく4巡目、平山がツモ切ったを瀬本チーし、単騎の18000を聴牌。

 チー ポン ポン ドラ

、ドラのを1枚ずつ持っている小西はもう、見ているしかない。

次の5巡目の平山、ドラのをツモ切り。当然それを岡澤がポンし、打

 ポン ポン ドラ

形は聴牌だが役なしなので、トイトイのイーシャンテンといっておこう。

さらに6巡目の平山、を引き、打

 ポン ドラ

そのを岡澤がポンし、トイトイドラ3の聴牌。

単騎待ち。

 ポン ポン ポン ドラ

次の岡澤のツモは。親にソウズで放銃すると最低12000だが構わず、リリース。

そして、そのを平山がチー。

小考した末、平山が選んだ打牌はも切れるが、打が聴牌打牌である以上、さすがに手出しの隣の牌よりを選んでしまうのは仕方ないか。
 ポン ポン ポン ドラ

8000は8900プラス供託の2000点で、小西を800点上回った。

最終結果
岡澤 39900
小西 39100
平山 27200
瀬本 13800

ジュピターカップ優勝はライセンスA岡澤和洋プロ!

 

岡澤、試合後のコメント

「一・二回戦、競技麻雀では皆さん御存知の関園子さんに捲られ4着、カップ戦のホープ筒井さんに着順で競り負け3着!
三回戦、現最強位の水沼さんに粘られながら辛くも逃げ切りトップ!
序盤の闘いぶりから予選落ちを覚悟していました。
幸運にも決勝戦に進出し、『アマ最強』と称される平山さんに勝てた事は、10月に開催されますRMUクラウンでの戦いに大きな自信になりました。
麻雀に集中し優勝できたのも、RMUの運営スタッフのみなさんのお陰だと心より感謝しております。
ありがとうございました!」

オーラスまで、全員の手の届くところに優勝の二文字がある大接戦の決勝で、近年稀に見るいい試合だったと思う。
素晴らしい決勝戦を創りあげた四人全員に、賞賛と拍手を送りたい。
次回スプリントカップは11月24日(日)柳銀座本店で行われます。
また、本年もRMUクラウンが開催されます。
併せて、ご参加の程、お待ちしております。


文中敬称略
文責:中村浩三