第5期 RMUリーグ第7節レポート
冬の足音がもう間近に迫ってきた11月の中旬。RMUを代表する4人のトッププロによる戦いは佳境に迫っている。前節までの結果

多井 +159.0 河野 +105.0 谷井 -52.0 阿部 -214.0

1回戦

谷井 河野 阿部 多井の並びでスタート

東1局

先制したのは多井、淀みない手順で6巡目には下記のテンパイ

ドラ

迷いなくリーチをしてすぐにツモ上がる。このアガリを皮切りに、河野に不幸が訪れる。

東2局 河野から阿部に8000
東3局 河野から谷井に8000
東4局 河野から阿部に2600
南1局 河野から阿部に8000
南2局 多井1人テンパイ

東1局から南2局まで6局連続での失点で残りわずか400点になる。

放銃はいずれもテンパイもしくは1シャンテンからで、1枚押すと刺さる典型的な負ける日の牌の掴み方である。

1回戦は終始手が入りアガリ続けた阿部がトップを取る。

1回戦が終わり「河野は今日1日苦しむ事になりそう」なんて考えていたが、以降の3半荘で筆者は河野高志という男の生命力の強さを思い知らされる事になる。

2回戦

阿部 多井 河野 谷井の並びでスタート

東1局

多井がチートイツをダマテンでツモアガリ800、1600

以降2局河野が2000点、3900点と連続でアガリ、そろそろ大きなアガリが欲しい東3局の1本場。親の河野が8巡目に下記のテンパイでリーチを宣言。

ドラ

リーチのみの手ではあるが、親の先制リーチでありドラを固めて持っている者もテンパイしている者もいない。

1人旅になり終局間際に五をツモアガリ、裏ドラはなんと。4100オールで一気に勝負を決める。

この後、多井が3900点、5200点とアガリ、トップの河野に迫るが事件が起きたのはオーラスである。

3着目の親の谷井はここで何とかしてアガリ、最低でも多井を捲くって起きたい所である。
そんな願いが通じたのかこんな配牌が入る。

ドラ

4巡目に1シャンテンになり、すぐにテンパイしそうに思ったが、ここから有効牌は引くがなかなかテンパイしない。

ようやくテンパイしたのが、11巡目で当然のダマテン

ドラ

捨て牌


捨て牌だけ見ると変則な感じではあるが、この手に多井が2シャンテンから五を放銃してしまう。

現状トータルトップの多井から値千金の18000である。普段の多井ならこのような放銃は無いのだが、絶対が無いのが麻雀である。

この振り込みから、多井のバランスが少し崩れていった様に思える。

南4局はこのまま多井にラスを押し付けたい3者の思惑通りに事が進む。阿部が1000は1300の平和のみをアガリ終了した。

3回戦

阿部 谷井 多井 河野の並びでスタート。

ゲームが動いたのが東4局。
多井が下記の形でリーチを打つ。

ドラ

リーチの宣言牌を仕掛けて、河野がこの形で無筋の三を勝負して押し返す。

チー

次巡、多井が力なく切ったに河野からロンの声がかかる。

このアガリで河野は、この半荘トップ目に立ちなおかつトータルトップの多井をラスにする。

さらにこの後河野はアガリ続けて、この半荘を52700のトップで終了。トータルでも多井を捲くりトップに立つ。

4回戦

河野 阿部 谷井 多井の並びでスタート。

東1局1本場に阿部がマンガンをツモアガリ抜け出す。が、次局に多井が下記のハネマンをツモアガリトップに立つ。

アンカン ツモ ドラ カンドラ ウラ カンウラ

しかし東4局に親番で谷井のリーチを受け、この形から一発で掴んだでマンガンの放銃をしてしまう。

チー チー ドラ

谷井手牌
ドラ

このアガリで平たい状況になったが、河野がテンパイ料と細かいアガリで若干抜け出ると、多井も南2局の4本場にマンガンをツモアガリ、トップ目に返り咲く。

次局、ここでなんとかしてアガって河野と多井の1.2フィニッシュを阻止したい谷井は、下記の配牌を、

ドラ

9巡目に下記の形でリーチ。

しかし、これがアガれない。

同巡に平和ドラ1を谷井の現物でテンパイした河野が、ダマテンの2000で阿部からアガって、サラリと局を消化した。

勝負所でのチャンス手を潰された谷井の、悔しそうな表情がとても印象的だった。
オーラスも並びは変わらずに、多井がトップのまま終了した。

1回戦終了時にはトータルポイントで100pほど差があった多井を逆転して、河野がトータルトップに立った。

2.3回戦でバランスを崩して、河野にトータルトップの座を明け渡した多井も、4回戦ではキッチリトップを取り、マイナスを最小限に抑えるあたりは流石である。

谷井、阿部にしても、残り3節このまま黙っているわけがない。必ず盛り返してくるであろう。

次節からは闘いの場を、神楽坂「ばかんす」からニコニコ生放送に移して行われる。

この4人は全国の視聴者に、素晴らしい対局を提供してくれるに違いないと筆者は確信している。


文責 松ケ瀬隆弥