第5期 RMUリーグ第8節レポート
RMUリーグ第8節のレポートを小林景悟がお送りします。___団体設立7年目にしてRMUリーグもついにニコニコ生放送へとメディア進出。常々、代表の多井隆晴は「ファンの前でプロリーグを見せたい」といっていたが、それがスリアロチャンネル様の御協力により実現した。冒頭にまず放送スタジオへの感謝を申し上げたい。

スタジオ入りは開始一時間前の午前11時。私と同じく運営の中村は集合時刻より少し早く入ったが、それよりさらに早かったのが多井。なんと10時には最寄駅に着いていたという。

リハーサル、流れを最終チェックし本番へ。対局する四名はそれほど緊張していないように見えた。むしろ解説に望む松ケ瀬隆弥のほうが、やや表情が硬いか。立会人を務める私としては、画面に映るわけでもなく気負うことはない。解説の片山まさゆき先生にあいさつをして対局室に。ノーマーク爆牌党など、片山作品の大ファンの私としては嬉しい限り。

放送日の翌日に自身のリーグ戦を備えていた私は、立会人としての任をこなしつつ、やはりライセンスプロから何か一つでも学びたいという気持ちでいた。アリーナ席に座り、試合開始の合図をコントロールルームからのインカム連絡で受ける。

■1回戦

前節まで結果は下記。

河野高志  148.5
多井隆晴  133.7
谷井茂文 ▲65.7
阿部孝則 ▲218.5

阿部は残念ながらかなり上位進出は厳しい。谷井はここで浮かなければ阿部と同じ役目となる。河野、多井はお互いをけん制しながらというところ。

開局から小刻みに点棒が推移していくが、最初にやはり抜け出したのは好調の河野。

東3局に、

ドラ ロン

これに飛び込んだのは阿部。カンからの三面張の待ち替えの末のアガリ。8巡目のこの形はハネ満以上を引きに行くリーチもあるかもしれないが、トータルのスコアがこのダマテンを許した格好。解説の松ヶ瀬も、「イメージではリーチをすると思った」とのこと。

東4局0本場

またしても河野。

ドラ

この親リーチに多井が攻め返す。

ドラ

カンチャンの追っかけリーチは怖いが、河野に自由にやらせるわけにはいかない。ここでの軍配はそれでも河野。多井が高めのをつかみ7700。

南入して、ここまでガマン続きだった谷井に手が入る。

南1局1本場

ドラ

先に多井から待ちのチートイツのリーチがかかっているが、四面待ちなら文句なし。を切っている多井のリーチだが、こうなると苦しい。

しかし、その後ソーズがまったく顔を出さず、谷井の渾身のリーチも流れてしまう。ハイテイは谷井のツモ番も、上家の河野がアンカンを入れ、最後の希望の灯を吹き消した。自身を好々爺と語る優しさは微塵もない。

この後は大物手も出ず、河野の危なげないゲーム回しにより1回戦終了。

河野+28.0
阿部+7.4
谷井▲6.3
多井▲29.1

■2回戦

東2局

1回戦、不完全燃焼だった谷井がリーチ。

ドラ 裏ドラ

これを高め一発ツモで2000.4000。

続いて阿部にも大物手。

ドラ裏ドラ

先制リーチを入れていたトータルトップの河野からロン8000。

こう着状態が続いたまま南入。

南2局2本場

国士無双のリャンシャンテンまで手を進めた河野。事件かと思ったが、ここはリーチをかけた親の多井がツモ。

ドラ ツモ 裏ドラ

4000は4200オール。この待ちになるまで、テンパイトラズを一度はさんでいる。負けているところではなかなかできない冷静な打ち回しでトップ目に。

さらに畳み掛けるように多井は、

ドラ 裏ドラ 一発ツモ

この6000は6300オールでダントツに。

このまま多井トップで終了。

オーラスは河野が谷井とのラス抜け勝負。河野、あっさり300.500ツモで3着。片山先生は思わず「憎らしいね」。

多井+45.4
阿部▲1.0
河野▲16.3
谷井▲28.1

■3回戦

3回戦はいわゆる「親場」。それぞれが親のレンチャンを繰り返し、2時間弱のロングゲーム。結論から言えば、東場の親で6000は6300オールなどで突き抜けた河野がトップ。

南場に入ってからのこの河野のアガリには、逆転にかすかな望みをつなぐ谷井も肩を落とした。

南2局

ツモ ポン

ツモだと三暗刻が付く。そして、実際にツモるのが今期絶好調の河野高志。スコア上、ここで谷井もかなり優勝は苦しくなったが、公開対局で諦念は許されない。

河野56.4
多井7.6
谷井▲18.4
阿部▲45.6

■4回戦

ここまで河野、多井、河野と上位2名がトップ。「下位の二人に意地を見せて欲しい」と語る解説の片山先生の言葉は視聴者も同意だろう。

東3局、阿部の親。谷井に面白い手が入る。

ドラ

なんと一手替わり役満、7の三色同刻三暗刻。

ダマテンにしていたが、阿部からのリーチを受けてリーチ。これはアガりたい。打点以上に、この希少な手を開きたい。

しかし残念ながら流局。この手を見て三者は当然びっくり。特に多井は目を丸くしていた。

南1局

河野がリーチ。

ドラ

リーチのみだが待ちはまずまずいい。当然のリーチ。最後の親となる谷井は押したいが、いかんせん形が悪すぎる。

これにぶつけるのはトータル2番手の多井。

ドラ

ここにツモを勝負してイーシャンテン。さらに次巡、またツモでここも当然の追っかけリーチ。

決着は早かった。多井がなんと3連続の引きとなり河野に放銃。

ドラ ロン

1300だが多井の勝負手を潰せた佳作のリーチ。リーチの時点で山に6枚もいた。3回戦が2時間近いロングゲームだったのに対して、最終戦はサクサクと進んでいく。

南2局

どうしてもこのゲームでトップを取り、残り2節に希望をつなげたい谷井に勝負手。

ドラ

下家の河野がソーズのホンイツ仕掛け。そしてと3つ鳴かせてダマテン。そしてド終盤にツモ切りリーチ。谷井のテンパイは三者の周知も、待ちはほぼ山にいそうなカン。4㎝の河野から出てくる可能性もある。

結果、ハイテイ牌でをツモった河野が小考の末に放銃。リーチホウテイ三色ドラ1。トータルトップ目に一太刀浴びせた格好。

南3局

ハネ満放銃で河野はラスを引く可能性が出てきた。そして西家の谷井にドラのが暗刻。

ドラ

さらに大物手を炸裂させ、河野を沈ませるか。と、思いきや、この手はテンパイさえできずに終わる。

ドラツモ

わずか6巡目。河野、電光石火の300.500。

オーラスは谷井がチートイツ800.1600をツモってトップ終了。

ドラツモ

谷井+37.6
阿部+7.6
河野▲14.2
多井▲31.0

<トータル成績>

河野高志+202.4
多井隆晴+126.6
谷井茂文▲80.9
阿部孝則▲250.1

谷井が5万点越えのトップを取ったことで、なんとか第9節、そして最終節への希望をつないだ。ただ、この日の結果で河野と多井の差が開いてしまった。

この日の振り返りは、解説の片山先生の言葉をお伝えする。

「麻雀は残酷。麻雀が簡単な人が二人いて、超難しい人が二人いた」。

初解説となった松ヶ瀬は、「麻雀の内容はいいものが見られました。良かったと思います」。

第9節は1月4日土12:00から。

ご視聴よろしくお願いいたします。

小林景悟
文責・小林景悟