2012クライマックスリーグ1日目レポート
2012年度クライマックスリーグ1日目、出場選手は下記の通り(期首順位順)。本稿では当日の様子をダイジェストでお伝えします。谷井茂文
河野高志
多井隆晴
阿部孝則
山田田
萩原亮
安達瑠理華
壽乃田源人●注目選手

注目は初出場の安達。女性のクライマックスリーグ進出は史上初となった。本人にいつもと違うような様子はあまり見られない。というか、普段のリーグ戦でも適度な緊張感があり、それをこの大舞台でも維持できているという感じ。この日は6位で終了。攻守どちらにも偏ることはなく、自然にリーチをかけ、自然にアガるといういつもの彼女に見えた。目標は2日目の決勝戦に残ることと本人の談。短期決戦でもあり、6位という順位に焦らず余裕を持ちながら打てれば、十分に可能性はある。

個人的にもう一人注目しているのは、B級ライセンスの山田。RMUリーグへ昇級すれば来年度の戦いがとても面白くなる。筆者は誰かに偏って応援するという立場ではないものの、山田の結果は随時気になった。この日の山田はいつもの安定感を発揮し、プラスでまとめた。山田らしい読みと手作りが奏功。優勝の可能性を予感させるに十分の内容に。

●若手の壁

この日、1回戦でロケットスタートを決めたのは阿部。

 ツモ ドラ 裏ドラ

このハネ満を皮切りに、とにかくツモる、そして裏ドラを乗せる。

1回戦は+70.8の大トップ。2回戦以降は我慢の展開が続くも、初日を2位の好位置で終えた。

●名人に名手なし

山田と同じくB級ライセンスの萩原、このタイトルで優勝すればRMUリーグへ昇級が決まる。この日は最終的にマイナススタートとなったが、場況を冷静に見据えたその手順はアスリートの見本となるものばかりだった。

ドラ ツモ

が3枚見えるとすぐにサンショクから方向転換。ツモを手元に置きひとまず打。次巡にツモで打、さらにと引きこの形、

ツモ ドラ 打リーチ

すぐにをツモアガり。ピンズの場況がさほど良くないことに加え、マンズの真中から下で1メンツとヘッドができることを予見した、派手さはないが佳作のアガリ。

●1日目を終えてのコメント

8位、河野高志プロ(▲68.7)「メンタルを保つスタミナが足りませんでした。明日、挽回できるように頑張ります。」

7位、多井隆晴プロ(▲27.7)「開始前と同じコメントになりますが、良い牌譜を残すようにやるだけです。」

6位、安達瑠理華女流アスリート(▲19.7)「今日は手も入ってて、アガリも結構あったのですが、点棒を守りきれず着順落ちする場面がたくさんありました。とても苦しくて、さすがライセンスプロの方達だなと思いました。明日も今日以上に頑張ります!」

5位、萩原亮プロ(▲9.2)「序盤の内容が悪かった。時間打ち切りというルールも少し気になって、バランスを崩したのですが、後半は多井プロを抑えてプラスで終えたので、明日も戦えると思います」。

4位、谷井茂文プロ(+14.7)「手が入るものの、勝負所で競り負けたのが多かった。ただ、速度計算はあまり外さなかったので、リーチに手詰まったり致命的なダマテンへの放銃がなかったのが救い。明日は今日より高い集中力を維持し、ベストパフォーマンスを見せられるように頑張ります。」

3位、壽乃田源人プロ(+19.5)「序盤に細かいミスがあり、失点を重ねてしまいました。でも後半は焦らず、よく打てたと思います。明日も頑張ります。」

2位、阿部孝則プロ(+38.2)「初戦のデカトップがなかったら少しヤバかったですね。でもある程度は戦えてると思うので、また明日ですね」

1位、山田田プロ(+52.9)「今日は普段より場がよく見えていたようで、冷静に打てたと思います。五回を終わって現在首位ですが、ポイント的にはダンゴ状態。明日も冷静に打ちたいと思います。」

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小林景悟
(文中敬称略 文責:小林景悟)