2012クライマックスリーグ2日目レポート |
2012クライマックスリーグ1日目レポートはこちら昨年の観戦記を書いた時に、「来年はここを見据えて」という内容の締めを書いた気がするが、結局今年も観戦記担当。勝ち上がり確率の方が低いのは確かなのだが、前後期合わせて▲200近く行っているようでは、それ以前の問題と思えて仕方がない。個人的な話はここまでにして、1日目のスコアがこちら。
(1日目スコア) RMUリーグ昇格権がある2人、首位の山田はもちろん、萩原にもまだ十分可能性はある。 6回戦は昇格権のある2人が1卓で同卓も、東1局に多井がいきなり6,000オール。次局も6,000オールの手順があったとのことだが、それを逃すと台頭したのは壽乃田で、多井までまくってトップ目に。最終的には多井が差し返すのだが、その合間にハネツモの山田がなんとか3着キープで、萩原は痛いラス。 2卓では、南場の北家で安達が、 ドラなし 8巡目、ここに最高のツモ。 「普段はしたことないけど、残り3半荘と思って」、切りリーチ。 この思いに応えるような高目ツモの倍満が決め手となり、谷井のリーチ攻勢を振り切った安達がトップ。 トータル(6回戦スコア) 7回戦は奇しくも1卓:Rリーグ勢と2卓:RMUリーグ勢とで分かれる。 1卓は、大きく点棒を伸ばした壽乃田を山田が南場で猛然と追い上げ、ラス前でついに逆転。萩原は痛恨の連続ラスで、昇格は風前の灯に。 2卓では、谷井のリーチ攻勢が一度はマンツモという形で結実するも、それ以外の局面での空振りが多く、細かく刻んだ多井にオーラスでまくられてしまう。 ここまでのトータル(7回戦スコア) 予選最終となる8回戦を前にして、上位4人に残る可能性が現実的にあるのは、6位の安達までか。 その8回戦、1卓は展開が早く、谷井が多井のリーチに対し選んで切った牌でマンガンを放銃すると、そこからは点棒が出ていくばかり。最後の瞬間は見ていなかったが、多井の「ツモ、300-500」という発声で対局が終了したのが聞こえ、多井の通過を確信した。 2卓は、阿部と安達が交互にアガり、安達が東場の親で6,000オール。この後、河野が加点したことで壽乃田がラス目に落ち安達のターゲットとなる。 ラス前に阿部が連荘して安達をまくったことで助かったと思いきや、次局壽乃田のリーチが阿部にかわされてまた危険水域に入る。 さらに次局、安達が河野から3,900をアガったことで、オーラス、親の安達と壽乃田のトータルの差は6,500。 1局勝負の壽乃田の現実的な逆転条件は1,300-2,600ツモ、3,900直、河野から8,000(阿部からアガると安達の着順が上がるので、倍満でも不可) すると、4巡目に壽乃田が ドラここにツモでを切ってのフリテンリーチ。 場にはが1枚、が1枚切れ。数巡後にツモアガり、めくった裏ドラがで条件クリア。 しかし、こんな時でも観戦していた多井は 「1,300-2,600条件なら切ってリーチの方が得じゃない? 確定牌が3枚あるんだから」(は場に切れていない)と、アドバイスを送ることを忘れない。 ここまでのトータル(8回戦スコア) これで上位4人が決定。安達は惜しくも及ばなかったが、今年度はクラウン決勝進出、クライマックスリーグ進出と、大きく飛躍した1年であっただろう。 決勝初戦となる9回戦は、多井が壽乃田の宣言牌を捕らえての3,900で始まるも、次局 リーチツモ ドラ 裏このハネツモでリードを奪った山田が、東ラスの親番で阿部からドラドラチートイツの9,600、多井からタンピンの2,900(+300)と連続ヤミテンでリードを広げる。 さらに次局は、配牌ドラ暗刻から7巡目に単騎に待ち変えしてリーチ。 前巡、ちょうど壽乃田がタンヤオ移行の対子落としにかかった瞬間。一発こそ現物のツモ切りで助かった。しかし、すぐに手がかかった。 2巡目にを切り、リーチ直前にをツモ切っている山田の、変則手に見えない河。 これに対し、すでに5万点を超えている山田を追いかけないといけない立場では、は止まる牌ではない。 この親満からさらに連荘し、ついに7万点を超えた。 5本場、阿部の1,300-2,600(+1,500)ツモでようやく親が落ちるが、この時点で山田と2番手阿部との差は約60p、多井とは約80p、壽乃田に至っては140p以上離れている。 親番はそれぞれあと3回ずつしかない。 この時点で、会場にいた人やtwitterの実況を追っていた人はもちろん、山田以外の対局者も心のどこかに「これは決まったかも」という思いが少しはよぎったかもしれない。 しかし、ここから思いもよらぬ展開になっていく。 多井からの3,900で連荘し、差を詰めようとした阿部の親を壽乃田が1,300-2,600(+300)で流すと、迎えた親で、 リーチツモ ドラ 裏3メンチャンながらラス牌を引いての6,000オールで2着目に浮上。 しかしながら、元々のトータルの近い2人が沈むこの並びは山田にとって理想的で、実際にこの時点で壽乃田はやっと多井をかわしたに過ぎない。 しかし、次局、山田が痛恨の選択ミスを犯してしまう。 まず、阿部が開局早々にを連続ポン、次巡を加カンと戦闘態勢を示すも、そこからほとんどツモ切りで手が進まない間に、13巡目に壽乃田と多井から2軒リーチがかかる。 一発目だが山田の手牌に共通現物はない。 しかし、行く状況でもないので通りそうな牌を選んでいくところと思ったのだが、山田の選択はイーシャンテンを維持する打。 そして結果は… 最悪ともいえる親満放銃。 確かには多井の現物で、全体的にピンズは安く、壽乃田の切り順的にも通る確率自体は一番高いであろう。 しかし、ここは決勝という特殊な状況下である。その上で ・親が壽乃田であること を考えると、多少危険度が上がっても、壽乃田の現物の中から多井に通りそうな牌を選ぶ方がよかったのではないか。 多井に放銃したとしても局は進むし、仮に同じ点数の放銃でも阿部がラスに落ちるのは並びがいいという意味ではマシなのだから。 と、後からなら私も書けるが、これがプレッシャーなのだろう。 待望の直撃を得た壽乃田は、次局4,000(+100)オールで山田を逆転。 さらに流局をはさみながら4,000オール1回、2,600オール2回をツモりあがり、阿部、多井をハコ下に沈め、8万点越えまで伸ばす。 もっとも、この両者にとっては壽乃田トップの方が都合よく、一方で、あまり安手で親を流しにかかるような点差ではなくなっている。 例えば多井は、この間に親リーチの現物待ちになるチーテンを取らず、直後にメンゼン役アリで追いついても、ヤミテンにせず追いかけリーチといった意識的な選択をしている。 これは条件も相まってのものともいえるが、そうはいってもこの親番を伸ばしすぎである。 そして、重い時が流れて8本場、ようやく山田が先手を取れる形になる。 ドラリーチのみだが、壽乃田が直前にを切っている待ち。 マンズの下は直前にを壽乃田が切っている以外の情報はない。そこへどうにかして上位を追いかけたいドラドラの多井が押し返し、3巡後に追いつく。 ツモ ドラ山田の待ちを完全に消す形でリーチ。残り1枚のは上記壽乃田の手牌にあるので、山田のアガリは無いといってよい。多井がをツモって開いた手牌を見て、むしろ助かったと思ったか。 ようやく壽乃田の親が流れた南3局、2軒リーチで流局しての1本場、4巡目の親の多井 ドラここから対面の阿部がツモ切ったを鳴いてを切る。すると、阿部に直後に、2巡後にをツモ切られて嫌な感じ。 その直後にを引き、3枚切れのを見て切りのテンパイに取るも、直後のツモがでは、見ている方もクラクラする。 そこで切ってテンパイを外すと、次のツモが。1,300オールならアガれていたことになるが、現状は切って12,000のテンパイ。 打点が必要な状況でラスを引いたから踏み切ったのだろう。見た目は7連続のノベタン形だが、3枚に2枚切れなので、ほぼ単騎。 そこへ、2枚目のを鳴いた山田が チー ドラこの形で追いつくが、直後にアガリ牌であるを喰い下げた形になってしまう。 多井が、ピンズの高い下家がいるのに役牌を鳴いた状態から10巡目過ぎての対子落としをしたということは、ホンイツへの移行が濃厚。 山田もそれが分かっているから長考に沈む。 しかし、結局ツモ切って放銃となり、ついに3着目になってしまう。 2本場は、阿部のリーチからの1人テンパイで流局。 オーラス3本場。山田は3巡目にをポンしてピンズに寄せ、直後に持ってきた4枚目のを9巡目に加カン。 11巡目にテンパイしてすぐに多井のテンパイ打牌を捕らえて7,700を取り返し、2着目に再浮上。 そして4本場、9巡目に壽乃田がリーチ。 ドラ山田の後ろから見ていて手牌が見えなかった時は、役なしのいい待ちのリーチだと思っていたのだが…これに対し、山田の一発目 チー ツモ ドラ現状、山田と壽乃田との差はトータルで17p程度。 いったんはツモ切って様子を見て、次巡以降に勝負を挑むのかオリるかの選択をするかと思いきや、山田の選択は暗カン。 リンシャンから絶好のを引き、を勝負して3メンチャンに取る。これは南1局のお返しかと思いきや、直後に阿部が割って入る。 ドラ、ほぼラス確定の状況でピンフのみだが、カンが入ったこともあり最終戦に向け少しでも素点を稼ぎに行く。 すると、なんと山田が一発でをつかんでしまい、裏も乗って満貫。約2時間半にわたったこの長い半荘、わずか1時間前には7万点あった山田は、終わってみれば3着。 (スコア) 壽乃田に対し、山田は最低2着順差、他の2人はほぼトップラスが必要だろう。 最終戦、起家スタートの山田は阿部のリーチに対し、一発目から無筋を押していくもテンパイに至らず、流局で親を流してしまう。 東2局の多井の親では、満貫級のリーチを2連続でかけるも成就せず。 ここまでで阿部と多井とで2本ずつ出し合った供託は3本場、阿部がリーチで多井からので2,600(+600)をアガって回収。 多井は、 ドラこの、ハネ満の見えるイーシャンテンからのツモ切りはやむなしか。 東3局では、山田が14巡目にテンパイしたタンピンドラ1をヤミテンに構えて多井から3,900をアガる。 東4局は阿部が3巡目リーチ。情報が少ないところで、山田が攻め込む後ろを壽乃田と多井がついていく構図なので、山田にしてみれば阿部のツモ切り牌以外の安全牌が増えない。 無筋を3種類通したが、マンズに寄せるべく切った4種類目のトイツが ロンドラ 裏ドラ暗刻の満貫に刺さる。東場が終わり、トータル4番手だった阿部も壽乃田から8,000アガれば逆転できるところまで持ってきた。 そんな中でも、南1局の8巡目に、 ツモ ドラ焦ってテンパイを取らないところが阿部クラスなら当然なのだろうが、実に彼らしい。 このテンパイ取らずによって、山田が終盤ツモ切ったを捕らえることなく、同巡にをツモってアガリは逃した形だがテンパイが入る。 すると次巡、ドラを切って山田もテンパイし、リーチ。途中からまわり気味だった壽乃田にも最後のツモでチートイツテンパイが入ったが、山田のリーチに無筋が切れるはずもなくテンパイを取れずに流局。 局を進めることなく、壽乃田の点棒を削ることに成功する。 その壽乃田、ここまではノーテン罰符による5,000点の支出だけで一応は2番手、ラス親だけに最終局は伏せて終了というのが理想。 だが、仮にこの点棒状況がオーラスのものだと、阿部や山田にハネツモ条件が残る。 そんな南1局1本場の4巡目、壽乃田に ドラまったくムダツモなしでこのテンパイが入る。 私なら前述の危険性があるし、守備力に自信もないので、4巡目でこのくらい打点も見込めそうな好形ならリーチに行きたくなるところ。 壽乃田の選択はヤミテンで、直後にチャンタかチートイツに向かっていた阿部がをツモ切って1,300(+300)のアガリ。 あくまでもタラレバだが、リーチなら阿部から出ることはないにしろ、このはテンパイ時点でなんと全山だった。 南2局、親の多井がこのリーチをかけるも、1人テンパイで流局。 ドラさすがにこのリーチは流局上等なところはあったろうが、この最終半荘、多井はあと1枚が引けない。 1本場、多井にしては珍しく2巡目から仕掛ける。 ドラここからポンで切り。まともに進めていたら間に合わないと見たか。 これに対し、阿部と壽乃田は字牌を離さず引き気味の構え。 多井の上家の山田は配牌にマンズが少なかったこともあり、のトイツ落としをしながら前に出て、12巡目に ドラこのリーチに踏み切る。これに対し、まわっていた壽乃田が ドラ残りツモ1回というところで、リーチ後に山田が切ったを切ればテンパイが取れる形になる。 だが、これが切れないでテンパイを取れず。親の多井はその時点で ポンこの形テンだったのだが、壽乃田は知る由がない。 多井は同巡、ここへを引き、打とアガリを逃した格好。対局後、壽乃田に聞いたところ 「この状況で多井さんなら見逃しての山越しまであると思ったので、現物とはいえ切れなかった」 とのこと。実際はの手出しを挟んではいるのだが、こういう思考であればなおのこと切れないであろう。 「鳴きを多用することで本手を仕掛けた時に見分けられないようにする」という手法がある。 私もそういう仕掛けをすることがままあるのだが、この局の多井のポンには、「あまり鳴かない人が早々に鳴いた時に周囲に与える圧力」を思い知らされた。 2本場は、壽乃田が このヤミテン1,300(+600)で局を進める。南1局と同じリャンメンのヤミテンだが、先ほどと比較して ・1局消化している などとヤミテンに構える優秀性が増しており、私でもそうしそう。ましてや、その前のテンパイをヤミテンにしていた壽乃田がリーチするはずもない。 そしてラス前、阿部は連荘したいところだが、壽乃田以外の2人も普通にこの局が流れるとオーラスは1局勝負になるので、ここでそれなりの条件は作る必要がある。 そんな中、壽乃田が9巡目にドラ表示牌のを引いて ドラヤミテンで3,900のテンパイ。 これが決まるとオーラス誰一人ハネツモ条件にすらならないのでほぼ決まり。 しかし、13巡目にを引いて入れ替えたで、阿部のカンチャン待ちのタンヤオのみ2,000点に放銃。 壽乃田にしてみれば、変則手模様の山田には現物だがは通っていないばかりか生牌で、実際に山田は暗刻1つの七対子イーシャンテンではトイツ。 この放銃は責められず、むしろカンにも取れたところで山田の現物待ちを選択した阿部の好判断と言えよう。 首の皮一枚で3人の望みがつながった南3局1本場、山田に7巡目 ドラこのテンパイが入るも、リーチせず。 この時点で壽乃田がを2枚、を1枚切っているが(この時点で山に3枚残り)、リーチしてツモることができれば満貫以上になる可能性は結構ある。 そうなれば1局勝負でも割といい条件が残るので、勝負する価値があると判断して私なら即リーしそうである。 ただ、計算したら700-1,300でも1,300-2,600でも、さらに言うと多井以外からの2,000や3,900でも、オーラスハネツモ条件が残るという部分は同じ。引きの三色の手変わりを待ちつつ多井以外からならアガる、という選択肢もあるだろう。 しかし、山田はそのどちらも選択しなかった。 次巡を引くと、を切ってテンパイを崩したのである! この土俵際、壽乃田に自由に打てる時間を与え、仮に先んじられたらその瞬間ほぼゲームセットになるこの状況。 山田は目の前にある(最低でも)オーラスハネツモ条件を作りに行くのではなく、ここでリスクを冒してでも、オーラスの条件を楽にする可能性が少しでも高い方を選択したのである。 その結果、3巡ムダツモが続く間に阿部に役なしのテンパイこそ入ったものの、他に動きはなく、と立て続けに引いて13巡目に ドラこの3メンチャンでリーチすると、一発でをツモって裏無しでもハネ満に仕上げたのである。 実は、リーチの時点では阿部の手は役ありに変化しており、 ドラはアタリ牌で、この間はどこにも顔を見せていない。つまり、この手順以外はアガリがないどころか放銃に回っていたのである。 そんな劇画のようなハネツモにより、オーラスの状況はこうなった。 (カッコ内はトータル) 壽乃田は1人ノーテンでラスに落ちても山田より0.9p上のため、事実上1局勝負。 条件は、 阿部:ハネマン直撃か倍満ツモ この複雑な条件を確認し、オーラスが始まった。 伏せれば優勝の壽乃田だが、配牌は ドラドラメンツ含め2メンツあり、いい部類である。 しかし、流局勝利の権利を失うリーチはまずかけないだろうし、アガって意味があるのは早い巡目の山田のリーチを潰すアガリ、もしくはハネマンツモアガリ級の、流局待ちより優勝の可能性が高いと明らかに判断できる場合くらいだろう。 とはいえ、この配牌ならその可能性を1打目から全否定する必要はないわけで、普通に字牌から切りだしていく。 一方、山田の配牌は ドラこちらもドラ入りのリャンメンがあり、メンツ候補も足りている。うまくタンヤオやサンショクが絡めば、ヤミテンでも条件を満たせる。 実際、山田のツモは順調で、6巡目まで明らかなムダツモと言えるものがなく、 ドラドラドラのイーシャンテンになっていた。ヤミテンで3,900以上になる入り目はかなり多く、そうしたら山田はヤミテンにするつもりだったそう。 だが、7巡目のツモは、テンパイには取れるがドラが出ていく数少ない入り目のだった。 「リーチ」 意を決して、山田がドラを横に曲げた。この時点で壽乃田はリャンシャンテンで、2巡後に ツモ ドラ役なしテンパイが取れる形になり小考したのだが、生牌のを切れるわけもなく、撤退。 阿部も多井もオリ、あとは山田とツモ山との勝負。 山田の麻雀歴において、こんなリャンメンリーチは数えきれないほどかけてきたであろう。 だが、1牌1牌念じるようにツモる所作を見て、これだけツモりたいと思ったリーチはこれまでなかったように思う。 もう会場全体が、山田の右手に意識を集中している。 リーチの時点でツモは残り11回、リャンメン待ちをツモアガる確率を単純に2/34=1/17とした場合、流局までにツモアガる確率は50%を超える。 また、実際にはツモ山には合わせて4枚のが残っており、これらのうち1枚でも山田のツモ筋にいる確率を求めても、同様に50%を超える。 しかし、4枚中3枚は脇に流れ、最後の1枚は王牌の中。ハイテイまでひたすら力をこめ続けた山田であったが、権利を掴むことはできなかった。 (最終成績) 優勝コメント 「今日はいつもよりリラックスして打てましたね。 繰り上げ出場で昇級権利もありませんでしたし勝ちにこだわらず場況に忠実に打ったことがいい結果に繋がったと思います。 これで、2年連続でR1に所属するRMUリーグへの昇格権がない選手が勝ったことになり、このシステムになって4年、昇格権のある選手が勝ったことはない。 トッププロたちと年間リーグ戦を戦うことができる権利がかかるというのは、それだけ重いプレッシャーがかかるのだろう。 壽乃田はコメント通り終始落ち着いて打っていたように見えたが、2年前には実際に権利を持って参戦したこともあるので、実感なのだろう。 今回の山田は、今まで昇格に挑戦した選手の中では、最も昇格に近づいたと言って間違いないだろう。だが、9回戦の南場で突如として崩れてしまったのは、そのプレッシャーと無縁ではない。 といっても、下から見上げる立場の私からすれば、あくまで想像の域を出ないのだが… 私はスプリントファイナルにも残っていないのでもう今期の対局は終了している。 今期特筆できるのはクラウンの決勝に残ったくらいで、それすら勝てていないし、管理ツールで見ることができる成績は、今まで所属してきた中でワーストであった。 原因としてはいろいろ思い当たるものはあるのだが、それらはここへきて徐々にではあるが消化されつつあるので、来期は心機一転し、一打一打より丁寧に打っていこうと思う。 それを積み重ねていくことが、いつかのクライマックスリーグ、RMUリーグにつながる唯一の道だろうから。
|