RMUスプリント ジュピターカップ

9月20日(祝)、3連休の最終日にスプリントカップ第5戦目のジュピターカップが行われた。
RMU公式Bルール(一発、裏ドラ無し)で行われ、決勝に進出したのはこの4人。

谷井茂文(A級ライセンス)
壽乃田源人(B級ライセンス)
宮田信弥(B級ライセンス)
小原健史さん(一般)

(以下敬称略)
決勝はポイントを半分にして半荘1回戦で決勝戦を行う。
ポイントを半分にした時点で以下の通り。

壽乃田+51.6
小原+46.7
宮田+41.0
谷井+36.0

トップを取れば若干の条件はあるがほぼ優勝といった感じか。
決勝戦の並びは起家から、小原、壽乃田、宮田、谷井の順。

東1局、まずは西家宮田の先制リーチ。
親の小原が早い巡目から両面のチーをしてるのを見てリーチでかぶせていくが、
1人テンパイの流局。
戦いの入り方としては小原の焦りを感じたのが筆者の感想。

東2局1本場、更に宮田が9巡目リーチ。

 ツモ ドラ

2巡後にあっさりツモり、500-1,000は600-1,100(+供託1,000)。

このまま宮田のペースで進んで行くのかと思われた東3局。
宮田がここぞとばかりにリーチ攻勢。

 ドラ

チートイツのドラタンキリーチだが、如何せんこれはやり過ぎか?
壽乃田が2巡目に自風のをポンしていて、
親という事もありリーチで押さえつけたい気持ちは分かるが…。

普段あまり仕掛けをしない壽乃田が早い巡目から仕掛けるのであれば、
ドラを2枚以上持っていて打点がある、もしくはポンテンと考えることが出来る。
おそらく宮田にはそういった情報があまり無かったのだろう。
壽乃田の仕掛けは若干遠いながらもドラをトイツで持っていて、打点も見込める手。
結果は宮田のリーチを受けた後、ドラがアンコになり無防備の宮田から御用。

 ロン   ドラ

満貫+供託1本で壽乃田が一気にトップ目。
替わって宮田が一気にラス目に。

東4局、ここまで黙っていた親番の谷井が、
「俺もいるぞ!」とばかりにリーチ。

 ドラ

打点こそは無いが、この半荘で初めての先制リーチ、しかも親。
ここから谷井のうるさい「リーチ!ツモ!」攻勢が始まるのか、
と思った矢先に壽乃田が追っかけリーチ。

 ドラ

前局のアガリに相当手応えを感じたのか?
ただこの壽乃田のリーチには、後の感想戦で賛否両論あった。
結果は2人テンパイの流局。

続く東4局1本場供託2、北家の宮田が自風のを1巡目からポン。
ラス目で供託が2本あり何としてもアガりたいといった所だろうが、
これはさすがに仕掛けた後の形が酷すぎる。

  ドラ

相手への圧力など、単純にアガリだけを目指しているわけではないのはわかるが…。
結果はノーテンに終わり、親の谷井テンパイを入れさせてしまって流局。

東4局2本場供託2本。
宮田が小原からトートイツをアガり、前局欲しかった供託棒を手中に。

 ロン ドラ

南1局、南家の壽乃田にチャンス手が入る。

 ドラ

これを9巡目にリーチ。
高目で決まれば決定打になり得る手牌である。
2巡後壽乃田が引き寄せた牌は…安目の
トップ目で局を進める事には成功したが、まだまだ勝負の行方はわからない。

南2局、ここに来て大物手が炸裂する。

 ドラ

親の壽乃田がトイツで持っていたドラの西をあっさり重ねての6巡目即リーチ。
谷井がで放銃し、宮田が満貫のアガリ。
何かあっさり放銃した感があった谷井だが、この時の谷井の手牌は、

 ドラ

ホンイツの手広いイーシャンテンであった。

南3局は谷井が宮田から1,300をアガリ、各々が条件を確認してオーラスが始まる。

まずは南家小原が早々に条件を満たす為の仕掛けを入れる。

   ドラ

さすがにこれでは鳴かせた宮田の方が早い。
条件を満たした宮田が先制リーチ。
これをどこからアガっても優勝という形だ。

 ドラ

もちろん引くわけにはいかない親の谷井が追っかけリーチ。

 ドラ

これに、こちらも前に出るしかない小原がで谷井に5,800の放銃。

南4局1本場。宮田にとっては前局のリーチ棒が、
さらに条件を厳しくしてしまった(6,400の出アガリか1,300-2,600ツモ)。

そんな中、テンパイ一番乗りはトップ目の西家壽乃田。
だが役なしという事でテンパイ外し。

ツモ ドラ

10巡目だが壽乃田らしいといえばらしいテンパイ外しで打
その後再びテンパイするもまたもや役無し。
その間に宮田が12巡目にリーチ。

 ドラ

既に場に2枚切られているペンのツモ専リーチ。
山には残り1枚。

結果は、すぐに宮田がを引き寄せ、条件を満たし対局終了。
宮田がRMU公式戦初優勝となった。

優勝者コメント
「優勝することが出来たのは素直に嬉しいです。
とはいえ、局後に色々な方から指摘があったように、
内容的には疑問符がつくものであることは十分自覚しています。
将来結果を出した時、勝つべくして勝ったと言われるレベルに達することが出来るよう、
これを機会にさらに精進していきたいと思います」

初優勝したわけだが、内容的には決して誉められる内容ではなかっただろう。
本人もこう言っている通り、大会後の打ち上げの席でS級プロはもちろん、
今回大会に参加して頂いた劇画原作者の来賀友志先生からも叱咤激励を受けていた。

よく『言われるうちが華』と言うが、正にその通り。
誰にも言われなくなったらおしまいである。
ライセンスプロとしてのあり方、今後の技術研磨に期待したい。
RMUの看板を背負っている1人として。

筆者も偉そうな事は言えないので、負けじと研鑽していきたい。

文責:石川泰之