2016ヴィーナスカップ優勝は、女流アスリート竹内志央理!
 

7月3日、全国的に厳しい暑さに見舞われた中、 銀座柳本店にて、2016年度RMUスプリントカップ第2戦 「ヴィーナスカップ」が行なわれた。

参加人数は96人。ベスト16のボーダーが50ポイントを越える中、決勝に駒を進めたのは以下の4人。

【準決勝終了時ポイント】 ※決勝はポイント半分持越し、敬称略 1位:松元豊 71.9p 2位:数田一 61.7p 3位:西野幹生 57.0p 4位:竹内志央理 45.7p

1~3位までの3人は、トップを獲ればほぼ優勝。4位の竹内が優勝するためには、1位の松元と 1着順差だと16200点、2着順差だと6200点、上回る必要がある(3着順差は無条件)が、 決して不可能な条件ではない。

しかも、竹内は準決勝で仲川プロとの師弟対決を制しての決勝進出で勢いに乗っており、彼女の 優勝も充分あり得るだろう。
決勝戦が始まってすぐの東1局0本場、南家の数田が 9種9牌の配牌から国士無双に向かい、12巡目に3枚切れの 待ちのテンパイを入れる。

昨年度のヴィーナスカップで優勝した数田。この手をアガれば、年度をまたいでの同一スプリント カップ連覇をほぼ手にすることができるが、13巡目に 持ってきた牌は、無情にも親の西野のアタリ牌。

放銃した点数が1500点と安かったのが、せめてもの救いか。

その後、親の西野が粘り連荘するが加点できず、迎えた 3本場に勝負手を入れたのは、ここまで首位の松元。

ドラドラの配牌を丁寧に仕上げていき、途中ドラをアンコにして、アガリきる。
ポン ツモ ドラ
トータルトップの松元がマンガンをアガったことにより、 周囲の空気が「松元の優勝で決まりか?」となったが、 東3局に状況が大きく動く。

親の竹内が序盤からソーズに寄せ、配牌で1枚しかなかったドラのをアンコにして
ポン ロン ドラ
を西野からアガリ、一発裏ドラが無いこのルールでは 非常に大きな18000点をモノにする。

次局に役牌チャンタの2900をアガリ、さらに続く東3局4本場には

ドラ

竹内に上記の配牌が入り、上家の1打目に放たれたをチー。

一発ウラドラなしルールでの5800点の価値や、現在の竹内のポイント状況からすると、ダメ押しとなるアガリになりそうなので、打点バランス的に良い仕掛けかと思う。

筆者の場合、最序盤ということやの有無がそのまま結果に結びついてしまうことから声が出なさそうだが、短期戦では こういった「思い切りのいい仕掛け」が勝負を決めることがある。

結果はを仕掛けた後を引き入れ、あっさり4巡目テンパイ。 数巡後、の出アガリとなった。対局後に振り返ってみると、18000点のアガリはもちろん大きかったが、結果的にこの5800点の アガリで大勢が決したように思えた。 その後は竹内がそれぞれの親を軽快に蹴っていき、最後は 数田が3着のスプリントポイントを取りにいくアガリで終局。

終わってみれば、最も条件が苦しかった竹内の圧勝劇で ヴィーナスカップは幕を閉じた。

【最終成績】 優勝:竹内志央理 97.1p 2位 :松元豊 83.8p 3位 :数田一 38.3p 4位 :西野幹生 17.1p

「麻雀には敗因しかない」とは、よく言われる言葉だが、 あえて竹内の勝因を考えてみると、ポイント状況も味方してか、 彼女が一番「腹が括れている」ように感じた。

半荘1回の短期戦に限らず「決勝」という舞台では、非常に大事なことである。

今回見せた胆力を遺憾なく発揮できれば大舞台で活躍する 彼女の姿を目にする日は、そう遠くないだろう。

今年度のスプリントカップは、まだ2回目が終わったばかり。 スプリントポイントを貯めれば、年度末に行われる 「スプリントファイナル」に進出することができます。 皆様のご参加をお待ちしております。

(文中敬称略 文責)

江澤陽一

江澤陽一