2017ジュピターカップ優勝は、中村亮太さん! |
今年度のスプリントカップも後半戦に突入の第5戦・ジュピターカップは今大会の優勝及びスプリントファイナル進出を目指す92名の選手によって争われました。 (ツイッターリンク) 当日の速報でお伝えしたように、1位から16位まで38.6p差の稀に見る大混戦。誰でもトップを取れば普通に決勝進出が望める一方で、現状の卓内トップ者が仮に2着でも決勝に残れない可能性もある中、決勝に進んだのは以下の4名。(カッコ内は持越しポイント) 東家 櫻井邦俊(+57.3) 蓋を開けて見れば準決勝開始前の上位5位以内の4人が決勝進出。準決勝では中村浩三(以下「中村浩」)がやや大きめのトップを取ったものの、半分持越しのため大きなアドバンテージには至らず(トップが中村亮太(以下「中村亮」)の時に900点差以内の2着の場合限定)、ほぼ全員トップを取れば優勝という条件で決勝戦が開始。 東場は、東1局に南家尾澤が ポン ツモ ドラ東2局に南家中村亮が ハイテイツモ ドラそれぞれ満貫ツモアガリ。この2人がややリードする形で折り返す。 大きく動いたのは南1局1本場。西家中村亮の7巡目 ポン ツモ ドラ何の変哲もないのみの仕掛けで、ツモ切りも普通。次のツモがでテンパイを逃したものの直後に親の櫻井からを鳴けてが3枚並ぶ形で10巡目にテンパイ。しかし、これに南家尾澤がはまってしまう。中村亮の仕掛けに対して受けに入ったのか、次の手番で ドラから4枚目のを切ると、手出しを挟んだ櫻井からロンの声が。 ロン ドラ入り目はで三色は崩れたとはいえ十分高い12,000(+300)のアガリでトップ目に。が3枚見えた直後だけにダマテンは妥当で、さらに言うなら中村亮が上記の手牌からを選んでいたら、を暗刻にしてを鳴かずにテンパイし、この巡目では櫻井はテンパイできていないことになる。指運レベルだと思うが結果的に局面が動く選択となった。 しかし、尾澤も簡単には引き下がらない。直後の2本場、櫻井の親リーを受けて ポン ロン ドラダブのポンテンを取った直後にドラドラの中村浩から、櫻井の現物ので高目の8,000(+1,600)をアガリ、さらに迎えた親番の1人テンパイで原点を超えて戦線復帰。しかし、そこに中村亮が立ちふさがる。 尾澤の下家でポン、カンチー、ポンとドラ使いのホンイツ模様で3つ仕掛けてツモ番も2回飛ばす。尾澤もどうにか ドラこのイーシャンテンまで迫るが、少考した中村浩の ツモ ドラ満貫テンパイのリーチ宣言牌のを中村亮が捕えて ポン チー ポン ロン ドラ8,000(+300)のアガリで櫻井を逆転する。 南3局、残り2局で13,300差を逆転したい北家尾澤、 ツモ ドライーシャンテンだが点差を考えれば三色やイッツーなどの手役を見たいところであり、いくつかの選択肢があると思うが、尾澤の選択は一番枚数の多いマンズを厚く持ちつつイッツーの可能性を残す切り。これが大正解で直後にを引いて即リー、Bルールのため1ハンは付かないが一発でツモって ツモ ドラ最速の1,300-2,600ツモアガリ、親の中村亮にかぶせて一気に差を詰めた。 南4局 櫻井373 尾澤362 中村亮417 (親)中村浩48 逃げる中村亮、現実的な条件で追う櫻井と尾澤、大きく離されて連荘するしかない中村浩の構図となったオーラス、4巡目にイーシャンテン一番乗りは南家櫻井 ツモ ドラ優勝条件はツモなら1,000-2,000なので三色を確定させる切り、テンパイすればダマテンのツモか直撃でも条件を満たすが、を引いて目一杯になるもあと1牌が引けない。 そんな中、テンパイ一番乗りは親の中村浩。10巡目に ドラしかし、いくら親と言えど1手変わりで高目6,000オールまであるこの手を即リーして、仮にツモっても1,300オールでアガるようでは優勝は無理だと判断したのかダマテンに構えた。しかし、この時点で残る2人もイーシャンテンにまで迫っていた。 次巡、中村浩がをツモ切り。尾澤のイーシャンテンは ドラのいずれも姿を見せておらず、リーチしてツモアガれば優勝条件を満たす形だったが、ここから1枚目のを鳴いてホンイツイーシャンテンに方向変換の切り。すると、同じくイーシャンテンだった中村亮、 ドラは残っていた急所で、ペンチャンで鳴けて切りのリャンメンテンパイ。仕掛けからはともかくは止まりにくい牌である。 そして、全く鳴きがなければ櫻井の急所を埋めて勝負のはずだったが中村浩の手元へ。この一連の動きを見てもはや一刻の猶予もないと判断したのかツモ切りリーチに踏み切る。中村浩が待っていたをこの後引いたら皮肉だな、と思っていると、すぐにそのが尾澤の手中へ。 ポン ドラマンズのホンイツに渡っている途中だったためいったんは助かった。リーチ棒が出たことで1,000-2,000ツモアガリでよくなったため、この後周りを引くか鳴ければ出ない形になり五分のめくり合いに持ち込める。しかしさらに皮肉なことに、続く中村亮がツモ切った牌はで、これを尾澤がポンして… チー ロン ドラ狙い目のを捕えて中村亮が優勝を決めた。 優勝 中村亮太 +79.3 細かい内容までは全部追えていないけれど、結果的に上位がそのまま決勝に進んだ準決勝、それぞれが条件を模索する中、チーテン1,000点で決まった決勝の結末を見るに、やはり勝負事は先行している方が有利であるという原則を実感した1日でした。 さて、今年度のスプリントカップはあと3戦、次回は10/14(土)のサターンカップになります。今年度最後となるCルールのカップ戦、皆様のご参加をお待ちしております。
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