|
選手名 |
合計 |
1回戦 |
2回戦 |
3回戦 |
4回戦 |
1 |
多井隆晴 |
43.2 |
33.2 |
▲26.4 |
30.0 |
6.4 |
2 |
河野高志 |
7.9 |
▲8.0 |
37.8 |
10.1 |
▲32.0 |
3 |
阿部孝則 |
▲4.3 |
▲28.7 |
▲13.5 |
▲9.1 |
47.0 |
4 |
藤中慎一郎 |
▲47.8 |
3.5 |
2.1 |
▲32.0 |
▲21.4 |
■3節目までの合計
多井隆晴:65.7
阿部孝則:53.0
河野高志:8.7
藤中慎一郎:▲138.4
カップ戦の時だっただろうか?
事務局の仲川から、RMUリーグの立会人の依頼が来た。
ノータイムで引き受けた。
対局や仕事の過密スケジュールの中、観戦用の休みがなかなか取れないのが現状である。
立会人の仕事という大義名分を得て、堂々と観戦できるのだから断る理由が見当たらない。
会場に到着すると、多井・阿部・藤中がすでに会場入りし、笑顔で談笑している。
自分の対局前とは明らかに雰囲気が異なる。
自分は集中力を高めるために挨拶以外の会話はしないようにしている。
東1局が開始した時に、パッと局に入り込めるようにするためだ。
だが、彼らは違った。
自分の実力への自信や長い経験からくる余裕からなのだろうか?
僕にはないものを持っている彼らだからこそできることなのかもしれない。
最後に河野が会場入りし、淡々と準備をして卓に着く。
4人すべてが揃い、定刻まで一瞬の静寂が訪れる。
そして一回戦が開始された。
1回戦 東1局 ドラ1ソウ
親の河野以外の三人の手がぶつかる。
字牌が極端に高い場で、阿部が6ピンをリャンメンで鳴き、
役牌の対子を二組持っている役牌・ホンイツ・一通の満貫のイーシャンテン。
しかし、その時すでに藤中にテンパイが入っている。
配牌ではマンズのホンイツが本線だった手が、
丁寧に打ち進めるうちにホンロウチートイツドラ2のハネマンテンパイで、待ちは南単騎。
阿部の役牌二組はすでに純カラだったので、藤中のハネマンが炸裂するかと思っていたが、
アガリを射止めたのはダマテンの多井。
タンピン三-六マンのダマテンで藤中からの出アガリ。
リーチをしても、ハネマンのテンパイが入っている藤中が放銃していたかもしれないが、
自分はこの状況をしっかり読み切り、ダマテンを選択できる打ち手の方が遥かに強いと思う。
1回戦 東2局 ドラ5ピン
多井はドラ1のイーシャンテンで、8ピンをカンできるがしなかった。
すると、4-7ピンを引いて一マン・北待ちのテンパイになり、カンをするとリンシャンツモは北。
1600-3200のツモアガリになる。
多井曰わく、
「4-7ピンは待ちが悪すぎたので、そのテンパイになったらリーチはせずダマテンにしようと思っていた。」
なるほどと思うと同時に反省をした。
自分だったら、勢い余ってイーシャンテンでカンをして北をツモり、
待ちが悪い4-7ピンでリーチをし、結果ツモアガリをしていただろう。
しかし、これは雑で乱暴な麻雀だと思う。
多井のこの丁寧さを身につけたいと思った。
多井はこの丁寧で繊細な打ち筋で、さらに3回のアガリを重ねてトップを取り、この時点で首位に躍り出る。
1回戦の内容を見て、
「今日の感じだと、たくさん勝ちそうですね。」
と自分が言うと、
「そんな甘い面子じゃないよ。皆それぞれが個性的な強さを持っているから、この先の展開が全くわからない。」
と冷静な発言。
その後はその通りの展開になり、半荘1回終わるたびにトータルトップが入れ替わっていた。
この面子でのRMUリーグ。
誰が調子が良くリードをしても、必ず誰かが追い付いてきそうである。
第4節以降の展開も決して目が離せない。
文責 谷井茂文