2015ジュピターカップ優勝は、山本大介さん!
 

ジュピターカップ観戦レポート

9月27日、スプリントカップ第5戦ジュピターカップが開催され、満卓となる19卓76名で行われた。今回は一発・裏ドラ無しのBルール。決勝に残ったのは以下の4名。

1位 荒井節子 +76.2
2位 山田 亮 +58.6
3位 中井 昌 +56.5
4位 山本大介 +55.8

優勝する為には基本トップ条件だが、予選で唯一の4連勝+準決勝を2着にまとめた荒井のみ、2着でも優勝出来る可能性が有り、やや優位といった所。

親から荒井-山本-山田-中井と座順が決まり、対局開始。

東1局、早くも場が動く。山田がをポンし、すぐにカンが引けて、

ポン ポン ドラ

4巡目でマンガンのテンパイだ。を鳴かせた親の荒井も、4巡目にはイーシャンテンで、7巡目には

ツモ

このテンパイ。少考した後、切りリーチ。少考は山田の仕掛けに対するものと思うが、山田の河が

(はツモ切り)
で、まさかマンガンテンパイとは思わなかったのでは無いか。山本の手牌に現物は無く、素直にスジのを切ると、荒井が2000のアガリ。

山田の手が早すぎてホンイツに見えなかった事、そして巡目が浅かった事により発生したアガリに思えた。放銃した山本も、さほど気にしてはいないだろう。一方山田はこの局以降、苦しい展開を強いられる事となる。

流局を2度挟んで東2局、親の山本が山田のリーチを受けて丁寧に打ち回し、終盤に

ロン

この2000でトップ目にたった。

東2局1本場。中井のツモが良く、3巡目に

ツモ ドラ

5巡目には、

ツモ ドラ

この形となり、ドラを使いきる切り。その間にをポンしていた山本が、イーシャンテンとなりドラをリリース。もちろんポンして打切りでカンのテンパイ。は良さそうだなと他家の手を確認しにいくと、荒井と山本は持っていなかったが、山田が2枚持っており、程なくアンコに。次巡には

ツモ

と、更に手広いイーシャンテンとなった。ここの選択次第では、で放銃の未来が少しばかりあったが、打とした為、はほぼ出ないであろう。そして、ラス牌のドラをツモでテンパイ。

の変則待ちか、のノベ単に受けるか。
待ちとしたが、すぐに中井がツモ切り。その次巡にも

ツモ

ツモ切りか、もしくは、の3面待ちに受け変えるか。山田はツモ切りとしたが、中井がツモ切り。山田は指運にも恵まれず、アガリ切れなかった。2度助かった中井が

ポン ツモ

と、最後のを引いて2000・4000。ここまで我慢する展開だったが、待望の初アガリとなった。

その後大きなアガリは無かったが、東場と南場で供託を拾えた山本がトップ目となりオーラスを迎えた。

南4局1本場 供託1000
荒井 34100
山本 41300
山田 11300
中井 32300

各々の優勝条件は、
山本 現状トップ目だが、荒井が2着目なので条件が発生する。出アガリ2600点以上、ツモ500・1000以上のアガリでOK。
荒井 アガれば優勝。
中井 親番なので、伏せられる点数までアガリ続ける。とはいえ、親マン一発分で達成出来るので、充分可能性が残っている。
山田 役満しか条件が残っておらず厳しい。

スプリントカップでは、準決勝までのポイントを半分カットされる為、決勝さえ残ればトップで大体優勝出来るのだが、こうして見ると予選のポイントも大事だなと改めて認識した。

各々条件の確認をした後に、オーラスが開始された。

無条件の荒井が、配牌でもらったトイツを積極的に仕掛けるが、イーシャンテンの打牌が、親の中井に捕まり1500は1800。荒井が3着に落ちたので、今度は山本が無条件に。荒井は中井を逆転すれば優勝となる。

南4局2本場 供託0

荒井が配牌は苦しかったのだが、ツモが良く6巡目にテンパイする。

ツモ ドラ

親の中井とは2800差なので、ダマテンでもツモアガリか、中井からの出アガリで逆転出来る。しかし、荒井はドラを切らず打のテンパイ取らずとした。ピンフドラ1が誰からでも出アガリOKなら分かるが、この場合はテンパイを取った方が良かったかも知れないと感じたがどうなるか。この局は、打点が欲しい親の中井がを大明カンして、700は900オールのアガリ。

中井37800、山本40400となり、中井は後一歩で逆転出来る位置までやって来た。中井は中盤に

ドラ

このイーシャンテン。これが高めで決まると決定打となる。荒井もまだ諦めてないとツモアガリで再逆転となるリーチを打つ。どちらに軍配があがるのか…。

ロン

静かにテンパイを入れていた山本が、中井の打をとらえて決着した。

全14局90分に渡る決勝戦が決着した。見るだけでも疲れるのに、対局者のそれは計り知れない。山本も疲れ切っているように見受けられた。

しかし、自分の事はほどほどにして、仲間への感謝の言葉や、運営に気遣ってくれる。そんな彼の人柄が印象的であった。

江原翔
(文中一部敬称略 文責・江原翔)