5月29日(日)スプリントカップ第2戦ヴィーナスカップが行われた。
ルールは一発裏ドラなしのRMU公式Bルール。
あいにくの空模様ではあったが予選から白熱した戦いが展開された。
予選、準決勝を勝ち抜いたのは以下の4名。
予選1位 仲川翔
2位 三上龍玲
3位 柳井隆道
4位 松原維一郎
決勝戦はポイントが半分になって行われるので、
トップを取ったものがほぼ優勝であるが、
スプリントファイナルに出場するためのポイントを貯めるために、
1つでも上の順位で終わることも重要である。
並びは起家から、柳井、三上、仲川、松原。
東1局
予選4連勝と好調の仲川が勢いそのままに、
            ドラ
この手をリーチでツモあがる。
一発裏ドラなしのルールにおいて、この1300,2600はかなりのアドバンテージといえる。
東3局1本場
東2局も先制リーチで一人聴牌として親番を迎えた仲川は、
この親番でも7巡目に先制リーチを放つ。
            ドラ
親番かつ先制である利を生かした現代風のリーチといえるが、
私はこのリーチには一種の危惧のようなものを感じてしまった。
ここは歯を食いしばって 引きの両面変化や、
ツモり三暗刻の形を待ってから、リーチを打つのが本手であろう。
この局は仲川と柳井の二人聴牌で流局。
次局は柳井が松原のリーチ宣言牌を捕らえ、8000点の出アガリ。
仲川追撃一番手に名乗りをあげる。
           ロン ドラ
東4局
柳井がマンズのホンイツで仕掛けるも、仲川が
            ツモ ドラ
色かぶりということもあり、冷静にダマテンを選択し、
柳井の追撃を許さない構え。
南2局
ここでも仲川が難しい手牌をうまくピンズに寄せきり、
           ツモ ドラ
決定打ともいえるアガリ。
「仲川優勝で決まり!」
という空気がギャラリーからも流れる。
この後、オーラスで起こることはこの時点で誰も想像できなかっただろう…。
南4局
まずは親番の松原がリーチするも、
松原と三上の二人聴牌で流局。
オーラス1本場を迎えて、点棒状況は以下の通り。
仲川47,600 柳井32,800 三上22,100 松原15,500
そして優勝の条件は、
仲川…アガれば優勝
柳井…ハネ満以上ツモか仲川からマンガン以上直撃
三上…仲川から倍満以上出アガリか、他家から役満出アガリor役満ツモ
松原…親なので流局優勝まで連荘
まずは仲川が2巡目に を仕掛ける。
           ドラ
バックのイーシャンテンだが、ドラの放し所が難しい手牌である。
続いて柳井が ポン
            ドラ
条件を考えると、なかなか仕掛けづらい牌姿ではあるが、
こういった積極的な仕掛けを多用するのが柳井のスタイルである。
この仕掛けで仲川は役なしのほうの を持ってきてしまう。
            ドラ
柳井のピンズの仕掛けも入った以上、ドラとピンズは切れないので
 や 落としかと思ったが、なぜか仲川は打 を選択。
この辺りから仲川の雲行きが怪しくなる。
さらに次巡ツモった も柳井に鳴かせてしまう。
そしてその柳井が を切ると、仲川はこれをポン。
ここから、なんとドラの をリリース!
           打 ドラ
柳井も驚いた様子でこの をポンして聴牌。
        
次巡、仲川は を掴む。
大長考に入るも、ドラの まで放った仲川に、これを止めることはできなかった。
決勝の舞台はそれまでの戦いとは違う、異色の場である。
多くのギャラリー、採譜者、立会人が 4人の摸打に釘付けになるのだ。
そうした場で普段の自分のパフォーマンスを出し切るのはプロでも難しい。
仲川の敗戦を見て、そう強く感じた。
しかし、あえて厳しく書くが、
今回は仲川の自滅と言われても仕方がないだろう。
仲川にはRMUのプロとして、堂々と普段通りに戦って欲しかった。
R1で活躍している本来の彼ならば、そつなく手にしていた大魚のはず。
この敗戦が仲川の今後の競技生活において、
肥やしになることを切に願う。
文責・壽乃田源人 |