2014オープンリーグ決勝レポート | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
2013年までは、RMUの会員のみで開催してきたオープンリーグ。ルールは隔年でAルール(一発裏ドラあり)、Bルール(一発裏ドラなし)を交互に入れ替えて行われていた。
そして2014年はBルールでの開催年となっている。 また、2014年からは参加枠を友好団体所属プロの方へ開放し、名実ともにオープンリーグとなり新生オープンリーグ元年の記念する年となった。 更に予選8節での延べ参加人数は331人と過去最大の人数となった。 準決勝への進出条件は、8節の開催日より最低4節以上参加した選手の中から、上位5~12位の8名が2卓に別れ3回戦のトーナメントを戦い各卓上位2名の4名がベスト8に進出。 予選の12位のボーダーラインが109.5ポイントと、ハイレベルな予選となった。 それでは、この厳しい予選を勝ち残り、トーナメントを勝ち抜いた4名のファイナリストを開会式の意気込みとともに紹介したい。 ●吉田信之(予選1位、準決勝A卓1位、RMUライト会員) ●浅井堂岐(予選10位、準決勝B卓1位、日本プロ麻雀協会所属プロ) ●鈴木智憲(予選9位、準決勝A卓2位、RMUライセンスB) ●永峯龍二(予選4位、準決勝B卓2位、RMUライト会員) 2014年からはオープンリーグ決勝をスリアロチャンネルにてニコニコ生放送で放映する元年でもあり、決勝4回戦での戦いへと変更されている。 1回戦 親の鈴木は少し苦しいか。 その浅井、3巡目には以下の形から切り。 この手がどこまで伸びるのか?またはパンパンにした結果がどうなるのか? もう一人、開局の風を感じていた男がここにいた。吉田だ。 解説の多井プロも言っていたが、8000点の価値が大きいBルール。 【吉田信之】 この数々の決勝での経験を活かしてのリーチであるのであろう。 続く東2局も好調の吉田が終盤、17巡目にピンフを永峯からアガり局を進めた。しかし、この1000点の裏には、親の永峯の懐の深さを感じさせる局面が多数見られた。 特に感じたのがこの局面。15巡目。ちょうど吉田がピンフをテンパイした次巡である。 15巡目 ドラ ツモ 16巡目 ドラ ツモ 17巡目 ドラ ツモ ここでも、切りの3900ではなく、切りの12000を選択するあたりが、強烈に永峯の強さを魅せつけた1局ではないだろうか! 【永峯龍二】 東3局は10巡目に永峯が以下をリーチし、最終手番でをツモリ500-1000で、前局の失点を取り戻す。 東4局 ここから、とを暗刻にし、を重ねた局面で、1シャンテンとなった吉田がをリリース。 次巡テンパイし、配牌から持っていたドラをリリースしたトップ目の吉田から16000のアガりとなり、一躍トップ目へと浮上する。 【鈴木智憲】 オープンタイトルは獲得していないが、2009年R1優勝、2010年オープンリーグ2位という実績を持つ。 南1局 4巡目にドラのを暗刻にし、5巡目にをポンし、テンパイ。 ポン ポン ドラ 速い、高い、という仕掛けの教科書のような和了でトップまで1000点というところまで詰め寄る。 【浅井堂岐】 1回戦の東場だけで、決勝メンバー4人が4人共に自分の持ち味を出し場の雰囲気も最高潮となっていくのが、対局室で1人で観戦する筆者にはヒシヒシと伝わってきた。 南2局 親永峯 ドラ まず、鈴木10巡目、ドラを切ればテンパイだが、ドラを手中に抱え、イーシャンテン戻し。 リーチのみだが、ドラの所在がまったく不明な状態。そのリーチに真っ向から向かうものは現れない。 吉田も途中三色のチーテンを入れ粘るも、ドラを引かされたところで完全撤退。全員が撤退を余儀なくされ、永峯の思惑通り、一人テンパイ。 南2局1本場 ペンでテンパイを入れていた鈴木。この動きを見て、2枚切れだが、残り2枚は山と読み、空切りリーチを敢行。 程なく、浅井がを掴み、1300は1600(+1000) 南3局 親吉田 ドラ その吉田の配牌。 萬子がうまくまとまれば、4000オール、6000オールが見える楽しみな手。 吉田5巡目にをポン。 永峯も吉田の上家ながら応戦する。 吉田11巡目にを引き入れ、テンパイ。 永峯15巡目のテンパイを入れるが次巡ドラのを引き撤退する。 永峯の撤退後、鈴木、浅井も粘るが、吉田がをツモリ、4000オールを引きアガり、ラス目から再度トップへと返り咲いた。 吉田350-鈴木331-浅井279-永峯240 南3局1本場 ドラ 次巡ピンフへと変わると待ち換えを行い、でロンする。 ここで、ラス目でラス抜けとならない1000は1300をアガれる精神力の強さを垣間見た気がする。 ここでのトップからの持ち点 南4局 親浅井 ドラ 出和了りでも3着、出場所によれば2着まで浮上する。 行くも地獄、引くも地獄が待っている状況。 読者の皆さんもこういう状況はいやというほど経験しているのではないでしょうか? そして、筆者はあまり良い結果を覚えていない。 そんな心境で、ラス親の浅井を見守っていると15巡目イーシャンテンでを勝負し、16巡目テンパイでも勝負し、リーチまで辿り着く。 ドラ 吉田335-鈴木316-浅井271-永峯258 供託20 南4局1本場 ドラ この、リーチの時点では6枚山だったが全て他家に流れる。 これだけ親の早いリーチだったが鈴木がテンパイ、永峯がイーシャンテンと粘るところが決勝戦らしい展開だと思った。 結果は流局。浅井と鈴木の2人テンパイ。 南4局2本場 ドラ いきなりの1巡目、吉田がイーシャンテン。 アガればトップ返り咲きの吉田がすぐテンパイするものと思いきや、これがなかなかテンパイしない。 親の浅井もピンズのホンイツに向かう。 そこに現れた永峯。8巡目にドラのを切っているのでいつ来てもおかしくなリーチ。それは13巡目だった。 ドラツモればトップ。出和了りは浅井からだと3着、鈴木か吉田からなら2着へと上がる。 吉田と浅井も引くわけにはいかない。 しかし、ツモの発声をしたのはを手元においた永峯。 1回戦は、全員が全力でぶつかった結果、トップは永峯、2着鈴木、3着吉田、4着浅井という着順で決した。 1回戦終了時のポイント 2回戦 東1局 親鈴木 ドラ そこに配牌で萬子が7枚だった永峯が、萬子の山を引き当て、12巡目にチンイツドラ1のテンパイを入れる。 ドラ親の鈴木も17巡目に高めタンピン三色のテンパイを入れる。 ドラしかし、その直後の永峯が最後のを静かに手元におき、大きい大きい4000-8000。 東2局 親永峯 ドラ 鈴木も3巡目、親の永峯をケアしを切らない。 しかし、他家の対応も素晴らしい。 ダブのポンテンで12000を構えている永峯に対し、11巡目にそのを掴まされた浅井も対応する。 ドラ浅井ここからを切らずにと粘る。 を切ればテンパイだが、打とする。 こうなると、の呪縛とは無関係の吉田が、タンヤオイーペーコーの2600を永峯から回収する。 東3局 親吉田 ドラ 東3局1本場 ドラ 東4局 親浅井 ドラ 南1局 親鈴木 ドラ しかし、吉田の手が素晴らしい。8巡目に234の三色確定のピンフリーチをドラのを叩ききって打つ! ドラそこに親の鈴木。ホンイツのイーシャンテンに自身がポンしているを持ってきて加槓する。 しかし、無残にも嶺上牌には吉田の当たり牌を掴んでしまい、8000の放銃となてしまった。 ここで吉田、トップの永峯に点数で37100点の同点に並んだ。 南2局 親永峯 ドラ 南3局 親吉田 ドラ 南4局 親浅井 ドラ 2回戦終了時のポイント 3回戦 東1局 親浅井 ドラ 東1局は鈴木が永峯から1600をアガる。 東2局は親の永峯が待ちの7枚残りのリーチを打つが流局し、1人テンパイ。 浅井が10巡目リーチを打つ。 こちらも山3枚だが永峯、鈴木に押さえられ流局となる。浅井の一人テンパイ。 東3局2本場 親吉田 ドラ 東4局 親鈴木 ドラ 終盤、浅井もテンパイを入れ、なんと4人テンパイで流局する。 東4局1本場は浅井から吉田にリーチのみの1300は1600。 南入し、南1局 ドラ 次に9巡目永峯。単騎のリーチ! 続く10巡目吉田。ピンフドラ1の待ちをリーチ! 鈴木も11巡目ホンイツをテンパイするも、吉田への3900の放銃となってしまった。 南2局 親 浅井がトップ目となり、永峯3着で、鈴木がラス抜けすると3者が望む並びが出来上がる! 南3局 親吉田 ドラ 永峯も行くか引くか迷うところだが、の暗刻の1300をアガりきり局を進めた。 ここでの持ち点。 3回戦南4局 親鈴木 ドラ 南4局1本場 ドラ トップ浅井+22.8 2着永峯+5.2 3着吉田▲5.7 4着鈴木▲22.3 3回戦終了時のポイント 4回戦 重要な座順だが、東家から、鈴木、浅井、永峯、吉田。 現在4位の鈴木は親番がなくなると優勝は厳しくなる展開が待っているか?それは浅井にも言える。 鈴木、浅井は南場の親番が終わるまでにある程度の素点でトップ目かつ永峯にラスを押し付けたまま、ラス前、オーラスを迎えないといけない。 唯一の救いは、永峯がラス親でないところか? 吉田は、オーラス、永峯との一騎打ちに向け、並びを重要視してゲームメイクをしていく感じか? 東1局 親鈴木 ドラ 親の鈴木、ここまで3000-6000や4000-8000の親被りをしており、失点だけの親番だったが、タンヤオドラドラを仕掛けてツモリ、2000オール。 吉田、浅井にとっても嬉しいアガリとなる。 なぜならば、吉田、浅井は両者とも永峯とのトップラスを決めることが逆転優勝に向けて最低条件。 鈴木360-浅井、永峯、吉田280 東1局1本場 ドラ を永峯からアガりたい鈴木だが、永峯から放たれるのは。 鈴木は見逃しを選択する。 吉田の捨て牌にがあるので永峯の打ちの可能性もあったが、冷静に字牌を選択する。 そして、吉田の一発目のツモは。高めツモで2000-4000は2100-4100! 吉田363-鈴木319-浅井、永峯259 現在のトータルポイント 1位永峯+30.3 2位吉田+17.2 3位浅井▲17.2 4位鈴木▲30.3 東2局 親浅井 ドラ 親の浅井が234の高めタンピン三色を8巡目にリーチし、高めをツモリ、6000オール! 現在のトータルポイント 東2局1本場 ドラ 鈴木もツモ切りリーチを打つ。 残り、、1枚づつの対決。 15巡目鈴木、をツモリ2000-4000は2100-4100 浅井398-鈴木352-吉田282-永峯168 現在のトータルポイント 東3局 親永峯 ドラ 不安定なの鈴木の手牌次第か? 浅井もが出てもおかしくない形になるが、切らない。 14巡目にドラのを引き、一気に打点が跳ね上がる。 15巡目、テンパイを入れが飛び出す形となった鈴木から5800をアガり、この半荘のラス抜けをせずともトータルトップ目に返り咲く。 ロン ドラ浅井398-鈴木294-吉田282-永峯226 東3局1本場 ドラ 浅井388-吉田302-鈴木284-永峯216 供託10 東4局2本場 親吉田 ドラ 供託10 ここで、タイトル戦の最終戦の醍醐味とも言える事件が起きてしまう。 まずは、親の吉田。7巡目に7700の手をリーチと敢行! ドラ永峯もこの吉田のリーチをかわしテンパイを入れる。 浅井がその2人テンパイを察してか両者に手詰まりを起こしてしまい、で痛恨の12000は12600の放銃をしてしまう。 吉田438-鈴木284-浅井262-永峯216 現在のトータルポイント 東4局3本場 ドラ ツモれば2000-4000、出和了りで4500と打点は申し分ない。 アンカン ドラ鈴木も対抗し、10巡目に追いかけリーチを行う。 ドラ 後に、を切って追いかければ良かったかなと本人も言っていたが、 決勝戦の最終戦で、トップの座を受け渡してしまった者としては、タンヤオイーペーコードラ1で追いかけるのも手だったかもしれない。 結果は、鈴木にすぐをツモ切られアガリ逃しとなってしまったが、それは結果論。 本譜では、吉田が鈴木に8000放銃となってしまった。 永峯に打つよりは、鈴木に打ったほうが自身の優勝の目が残る可能性が高い。 鈴木383-吉田349-浅井262-永峯206 南1局 親鈴木 ドラ 鈴木、最後の親番。並びは出来ているので単純な素点で33900点差を詰める必要がある。 テンパイ一番乗りは、9巡目タンヤオを仕掛けた永峯。待ちは 同巡、ソウズでホンイツチートイツを吉田がテンパイを入れる。待ちは そして、浅井も10巡目テンパイを入れ以下をリーチ。 しかし、は純カラ。 直後、吉田がツモってきたのは。少考し、待ち選択に選んだのは。打で1000の放銃となってしまった。 吉田、浅井はチャンス手を永峯に潰され、心中はいかに! 南2局 親浅井 ドラ 直後の鈴木、四暗刻を狙っていたがチートイツになり、追いかけリーチ。 しかし、鈴木のドラのないこのチートイツのみのリーチだが、残り3局で33900を詰めることを考えると、親の浅井がリーチしているので流局しても局が進むわけでなく、このチートイツのみのリーチはどういう結果を招くのだろう? と見守っていた。 浅いから見逃すのか?ツモアガリも拒否するのか?永峯だけからしかアガらない固い決心なのか? 参考までに鈴木は浅井からの出和了り3200(+1000)では、永峯が4着から3着に浮上し、順位点の10000分の5800損をする格好となる。 また、ツモっての6400(+1000)だと、現在2600点差の浅井(リーチして1600差)と永峯が同点になり、永峯にあと2局で、1000点でもアガられてしまうと実質34900差を埋めなければならない。 結果は浅井からの3200の出和了り。鈴木的には和了はしたもののあと2局を厳しい条件が残る形となってしまった。 鈴木425-吉田339-永峯226-浅井210 南3局 親永峯 ドラ 鈴木425-吉田339-永峯332-浅井114 南3局1本場 ドラ 南3局2本場 ドラ 永峯490-吉田324-鈴木287-浅井99 現在のトータルポイント 南3局3本場 ドラ 8巡目に以下リーチし、見事にツモる! ツモ ドラ 吉田453-永峯427-鈴木254-浅井66 優勝条件は、鈴木と浅井は、永峯から役満直撃しても変わらない。 永峯は、このまま流局か、自身がアガれば優勝となる。 以上の条件確認のインターバルを少し設け、南4局が始められる。 南4局 親吉田 ドラ そして、このオーラスは永峯が自然にアガリに行き、をツモリ、自身で優勝を決めた! ツモ ドラ 【2014オープンリーグ成績】
2014オープンリーグ優勝は、永峯龍二選手でした!
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