2013 ヴィーナスカップ優勝は天野貴元さん!
 

最近のRMUスプリントは皆様のご協力のおかげで参加人数がすごいことになっている。
前回は柳本店のキャパを上回り、別会場を使用することとなった。
今回は今までの開催実績からすると、それほど人数が伸びないRMUのBルール(一発ウラなし)。
前回越えとはいかなかったが、柳本店は満卓(19卓76人)となった。

さて今回の決勝に残ったメンツとそのポイントは

天野 +56.8
平塚 +51.8
野村 +51.0
筒井 +50.5
(ポイントは半分持ち越し)

筆者はどんな対局でも東1局を非常に注目している。
ここでアガリを取るものが、主導権を握るケースが多いからである。

今回、主導権を握ったのは天野。

5巡目にリーチを打ち、ピンフで2000点をアガる。
たかが2000点。されど2000点。一発ウラなしのこのルールではそう簡単に高打点はできない。

決勝戦の一発勝負では先手が取れるということは、点数がそれほどではなくとも非常に大きいと考えるが、皆さんはいかがであろう?

東2局、アガって親を迎えた天野の配牌が良い。

ドラ

しかし配牌でドラトイツをもらった平塚が黙ってはいない。
2巡目にを重ねるとバック仕掛けでカンチーから入る。

3フーロし、ドラとのシャンポンになった直後になんとアガれない方のドラを引いてきてしまう。仕方なしにツモ切り、後はを引くのを祈るのみだが、野村にトイツで持ち持ち。

少しずつ追いついてきた筒井、野村も仕掛けを入れ、一人メンゼンで進めていた天野だけがイーシャンテンの13巡目、平塚のツモ切った牌で筒井が2000点をアガる。

東3局、今度は2000点を出アガった筒井の親。

無駄のない手組みでドラを1枚使ったカン待ちでリーチを打つ。程なくしてツモアガり、2000オール。

東3局1本場。ここまでテンパイまでは到達するが、アガリをとれていない野村が、良い配牌にツモも噛み合い、7巡目にすんなりテンパイを入れる。

ドラ

リーチを打ってツモアガれば、安めでもマンガンのこの手。

一発で勝負を決める可能性があるまさに勝負手だが、野村はきっちりとヤミに構えた。イーシャンテンとなった筒井がをツモ切り、8000点の出アガリとなった。

東4局は前局をきっちりアガり切り、気分が悪かろうはずもない野村が親を迎える。ここもアガり猛レンチャンと行きたいところだが、リーチ宣言牌を天野に捕らえられ、残念ながらダメ押しならず。

南1局。ここまで劣勢の平塚が親。

6巡目にテンパイ取りのチーを入れる。

チー ドラ

親でもあり、高め5800点あるカンを捌くのは自然と思えるが、この鳴きで筒井にテンパイを送り込んでしまう。

ドラ

このシャンポン待ちで筒井は迷うことなく即リーチといった。程なくしてツモあがり、2000-4000。

この時点で持ち点は

平塚 22000
天野 30300
筒井 34700
野村 33000

親が落ちてしまった平塚だけがやや苦しい。

南2局、野村が薄くなったリャンメンを仕掛けて、300-500をツモアガり。

南3局、東1局にアガってから我慢を強いられてきた天野にテンパイが入りリーチ。

ドラ

待ちはドラまたぎで決して良いとは言えないが、この点数状況などを考えても当然のリーチであろう。

その2巡後、とにかく点数が欲しい平塚がチートイツのみのテンパイを入れるが、すぐに天野のアタリ牌であるを掴んでしまう。天野の捨て牌にはリーチ前とリーチ後にのツモ切りがあり、それを見てか少考の末ツモ切って5200点の放銃。

オーラスを迎え持ち点は

平塚 16800
天野 35500
筒井 33700
野村 34000

この決勝戦でトップを取った者が優勝という単純明快な状況であり、平塚以外の3者はほぼアガリ勝負。

ラス親の野村は安い手をアガっても連荘となるため、ある意味不利ともいえる状況。大物手を一発アガりたいところ。

オーラス、南4局。

4巡目に親の野村がをポンして2000点のテンパイ。それに呼応して天野がカンを仕掛ける。が、こちらはまだリャンシャンテン。筒井がをツモ切り、野村が2000点のアガり。

上記のような状況であるため、早い巡目なら鳴かない選択もあるのか、ただ手牌的には自然なポンテン。どうするのが正解なのだろう。筆者にはわからない。

放銃してしまった筒井は少し苦しくなったが、それでもまだ1000-2000で届く範囲。

南4局1本場。

天野が5巡目にをポン。この時点で天野の河には3色切られており、まず染めはないと
なれば恐らく役牌のバック仕掛け。平塚は手牌次第だろうが、全員が前に出てくる状況なら鳴くことも可能であろう。

そしてすぐにをリャンメンチー。周りから見たら「もしやテンパイ?」とも思える。

8巡目、野村もタンヤオのポンテンを入れ、なんとか追いつく。

しかし、その瞬間天野が気合の入った動作で「ツモ!」

チー ポン ツモ

実は天野は、病床にあって自由に発声できない状況であったが、そんな中でこの大会に参加し、見事に優勝してみせた。

優勝後、こうコメントをしてくれた。(下記画像参照)

 

個人的なことだが、最近筆者はあまり麻雀で良い成績を残せていない。それは単に実力もあるが、麻雀に対する姿勢が理由であると思っている。天野の姿を見て、大いに反省しているところである。

自分を見つめなおし、鍛えなおし、いつかRMUスプリントの決勝で天野と戦えたら良いなと思っている。

皆さんもぜひご参加いただき、厳しく楽しい麻雀を打ちましょう!


文中敬称略:鈴木智憲