2012RMUリーグ第9節 谷井、河野好調維持、一騎打ち!
過去3期中2回の優勝をしている多井が4節目にして早くもトップ目に立ち、今年も多井中心の
戦いとなりそうだった第4期RMUリーグ。

しかし、多井の絶対王政にもついに翳りが見え、第6節で首位から陥落、第7節では3番手に落ち2人の後塵を拝してしまう。

前節の第8節で少し巻き返し、今節の成績次第では優勝争いに加わることができるが、ポイント的には1位2位に大きく水を空けられてしまった多井。

そんな多井の代わりに台頭してきたのは谷井・河野の両プロ。

特にRMUリーグ2年目となる谷井は中盤戦で着実にプラスを重ね、2番手の河野に約80ポイントの差をつける167.3ポイントの首位で今節を迎えることとなった。

今節を含め残り2節なので、谷井がさらに河野・多井とのポイント差を大きく広げるようだと最終節を待たずして、谷井のリーグ優勝が決まってしまう形になるが果たして…。

【1回戦】
東1局から東3局までは小場で進み、ほとんど点棒の動きはなかったが、

東4局
北家の河野が5巡目にこんな形だった手牌を

ドラ

以下のように上手くまとめ、

ツモ ドラ

この2000・4000をアガると、そのまま逃げ切りトップ終了。

河野+27.7 阿部+4.5 谷井△10.4 多井△21.8

【2回戦】
1戦目でラスを食ってしまい、万事休すかと思われた多井だったがこの半荘、多井らしい巧みなゲーム回しを見せ、谷井・河野を3・4着にしたトップを取り、次戦以降に望みをつなぐ。

多井+21.7 阿部+7.2 谷井△7.6 河野△21.3

【3回戦】
状況が大きく動く。

東1局、阿部の1000・2000
東2局、河野の1300・2600
東3局、谷井の1000・2000

そして迎えた東4局、

親番は谷井。北家の阿部が

3巡目
3巡目ポン、6巡目チーして以下の手牌。

チー ポン ドラ

そして、南家の河野はをポンして谷井の親を蹴りに行く。

そんな中、特にマンズに染めている様子もない谷井がでチーして打とする。

上家の阿部がピンズに寄せており、マンズが非常に山に厚そうな局面でのこの仕掛け。

そして、ブラフや軽いタンヤオ仕掛けをほとんどしない谷井がしたチー。

意味するところはおそらく、ドラのが絡んだ高打点のテンパイだろう。(白暗刻・ダブルバックなど)。

おそらく対局者も谷井の手牌をそう読んだものと思われたのだが、河に放たれたに対して阿部の「ポン」の声。

聞こえないはずの声が聞こえた直後、谷井の手牌が開かれた。

チー ロン ドラ

もちろん普段の阿部なら打たないのだろうが、ポイント状況により集中力が欠けてしまったか…。

この12000を皮切りに谷井の猛攻が始まる。

ツモ ドラ ポン ロン ドラ ツモ ドラ

これらをアガリ、結局この親番だけで70000点を超え、この半荘は谷井がダントツのトップで終了。

谷井+44.7 河野+8.4 阿部△16.0 多井△37.1

【4回戦】

3回戦の勢いそのままに谷井がアガり続け、

ツモ ドラ
ロン ドラ
リーチ一発ロン ドラ

これらをアガり、あっという間に50000点オーバー。しかし、谷井の独走に待ったをかけたのは河野。

ハネマンの親カブリ、親でドラヘッドの両面ダブリーの流局と不遇な目に遭いながらも、着実にアガリを重ねる。そしてオーラス、ついに谷井を交わしてトップを奪い取る。

河野+32.5 谷井+21.2 阿部△15.0 多井△38.7

【第9節終了時】
谷井+215.2 河野+134.7 多井△55.1 阿部△299.8

3回戦に爆発し、続く4回戦も好調な谷井が今節で優勝を決めるかと思われたが、河野がS級の底力を見せ、4回戦を逆転トップで終わらせたことにより、結局1位と2位のトータルポイント差は約80となり、今節が始まる前とほぼ変わらないものとなった。

残すは最終節のみ。

谷井・河野のどちらが優勝しても新チャンピオンが誕生する。世代交代か? はたまたS級プロの意地か?

最終節は1月19日(土)、神楽坂『ばかんす』にて11時対局開始です。

どちらが勝ってもRMUの歴史に残る名勝負になることは間違いありません。みなさん、お見逃しなく!

江澤陽一
(文中敬称略・文責 江澤陽一)