RMUリーグ第6節
 

第五節終了時のポイントは以下の通り。河野+225.3
多井+98.3
谷井△130.6
阿部△194.0

後半戦の始まりとなるこの日の戦い。これまでは河野がダントツだったものの、前節の国士無双放銃による大敗から、にわかに下位者にも希望が見えてきたようだ。特に、2位に付けている多井は、ここでさらに加点して、河野にプレッシャーを掛けておきたいところ。

もちろん谷井、阿部も黙っていることはないだろう。手が入らない時は耐え、好機と見るやすかさず反撃に転じる。特に、長期戦において抜群の勝負センスを持った阿部が、このままのポイントで終わるとは思えない。

以下、この日の戦いをダイジェストで。

◆一回戦。
ひたすら小場の展開が続いてゆく。この半荘の決着を着けたのは南3局。

親の河野が7巡目聴牌。そしてリーチ。

ドラ

同巡、多井もここにリーチで追いかける。

アガったのは多井だった。

ロン牌を掴んだのは河野。値千金のデバサイである。

この半荘は、河野をラスにしてのトップという理想の並びで多井が制した。

多井+26.1 谷井+11.4 阿部▲11.0 河野▲26.5

◆二回戦。

東2局。親の阿部に好配牌が入る。
ドラ

ポンポンと叩ければあっという間に親満以上の手が見える。
しかしもちろんそんな甘い面子ではない。阿部の勝負手を察した3人からは、はおろか鳴ける牌は一枚も出てこない。

しかし、さすがの阿部。打ち出される三者の牌とツモ牌に順応し、面前でもアガリの見込める七対子に移行する。

10巡目。場況のいい二を残しこれを重ねる。15巡目にはを重ねて何とか聴牌までたどり着いた。流局かと思いきや、最後のツモでアガリ。

ツモ

この1600オール。これは「阿部が来る!」と思わされるアガリである。

一本場。阿部のツモがいい。連続有効牌引きで8巡目リーチ。
ドラ

これをあっさりツモリ裏ものせて6000は6100オール。

流局を重ね東3局5本場。
またも阿部がアガる。

ドラ

これにで谷井が放銃。8000は9500。

東4局ここは多井が7巡目リーチ。
ドラ
これに谷井が9巡目に追いつき追いかける。


これを一発でツモり、裏ドラ9での4000-8000。

南2局再び親の阿部が好配牌。
9巡目にこの形。
ドラ ツモ

ここから打、ツモ、ツモ、ツモで打リーチ。
これを一発で引きあがる。

一発ツモ
の4000オール。

続く1本場11巡目リーチで再びアガる。
ドラ ツモ
4000は4100オール。

二本場は谷井がリーチ一発ツモで2200-4200。
この半荘何もできなかった河野はまさかの連続ラス。
阿部+62.0 谷井+8.3 多井▲19.5 河野▲50.8

◆三回戦
ここまで2ラスの河野。復活はあるのか? それとも、ここで前半の貯金を吐き出してしまうのか? 数々のタイトルを手にしてきたストリートファイターから、苦悶の表情は消えない。

東3局親番での5巡目リーチ。
ドラ
これを谷井からアガリ12000。

東4局
ポン ポン ドラ
で多井が再び河野を捕らえる。

南3局二本場。多井の11巡目リーチ。
ドラ
ここで河野がやや遠い鳴きでを食いとる。

しかしそれでも多井がツモり4000は4200オール。
谷井が3000-6000は3300-6300を被らせるもそこまで。
多井+46.3 谷井+3.0 阿部▲11.1 河野▲35.5

河野が3ラス。この時点で、トータルで多井が河野をまくり首位に。

◆四回戦

小場の展開が続く。

静寂を破ったのは、ここまで死に体だった河野。

南1局。
完全に死んでしまったかのような雰囲気から突然ロンの声。

ドラ

これに放銃したのは多井。驚いたような表情を見せたが、その理由は打点や待ちか、よもやの河野の復活に対してか? 「そのまま死んでいてくれればいいのに…」という河野以外の三者の声が聞こえてくるようだった。それと同時に、「ようやく河野らしさが戻ってきた」という、ギャラリーの安堵感のような空気も感じられる。

その後も小場が続くが、オーラス河野が4000オールをアガって、多井をラスにしてのトップ。

ドラ ツモ

三回戦までの溜飲が下がることはないだろうが、少なくともポイント上では傷を浅くした。

河野+31.4 谷井+5.8 阿部▲10.2 多井▲27.0

第六節終了時
河野+143.9
多井+124.2
谷井▲102.1
阿部▲164.3

この観戦記では特に派手な手だけにピントを合わせた。
しかし実際では全ての局面で手に汗握る緊張感がある。

どんなに安い手でも押す、どんなに高くてもオリる…など、S・A級プロの打ち回しはとても書ききれない。
全てを見てみたい方は是非会場へ。

次回、第7節は、10月16日(日)11時から、柳勝どき店で行われます。
是非観戦にお越しください。


文責:渡辺卓也