RMUリーグ第7節

河野の独走で始まった今年のRMUリーグ。
前節、前々節の河野包囲網により、300ポイント近くあった2番手との差がわずか20ポイント足らずとなりました。河野を追う1番手は、国士無双の直取りを始め、最も河野のポイントを削った多井隆晴
追う多井と逃げる河野。
それぞれの思惑を胸に秘めつつ、RMUリーグ第7節が始まりました。

1回戦

東2局
多井が以下の手牌で4巡目にカンを仕掛けます。


次巡、を引きあっさりとテンパイ
 チー

しかし、どうしたことか他の3者はピンズを躊躇なく打ってきます。
そこで多井の捨て牌を見てみると、をチーした時点で、

テンパイした時点では、

となっており、
ホンイツのテンパイが入っているとは、読める訳がありません…。

実際に僕が同卓していたら、ドラが雀頭の高めタンヤオ三色を本線に読み、ピンズ以外の3-6、4-7を中心にケアします。
(多井の雀風はメンゼン重視で、仕掛けた時は高打点が多い)

ちなみに、この局の結果は親の谷井がリーチをかけ、多井がドラのを引いて待ち替え後、すぐに谷井の放銃となりました。

 チー ロン ドラ

このまま多井が走るかと思われたが、東3局で親番の河野が連チャンを始めます。

 ドラ  ドラ

ともにピンフのみの手なのですが、河野は上の手牌はリーチで下の手牌はヤミテン。
場況からアガリ牌が山に何枚残っているかを読むと、私の場合、リーチとヤミテンが逆になります。
対局後、河野に聞いてみたところ、リーチ判断や押し引きを、マークしているトータル2番手の多井の動向に合わせて決めているとのこと。

こういったマッチレースに近い展開でのキャリアの深さに感嘆するとともに、これが常々多井が言っている「麻雀を立体的に打つ」ということなんだなと、
S級プロと自分との実力差を強く感じました。

話は戻って1回戦。

東場の親番であっさりと多井をマクった河野は、トドメに早いリーチで多井から8000の直撃をし、楽勝のトップ。

しかし、トータル2番手の多井も南場に満貫をツモあがり2着に残り、河野とのポイント差を最小限に抑えます。

河野+31.2 多井+9.8 阿部▲8.8 谷井▲32.2

2回戦

多井が東場で

 ツモ ドラ
 ロン ドラ 裏ドラ

このアガリを決め、ダントツの展開。

流石にこの半荘は多井の圧勝で終わるかと思われましたが、この独走に待ったをかけたのはやはり河野。

乗っている多井の親リーチに敢然と立ち向かっていき、

 ドラ ロン

この5200をイーシャンテンで粘っている阿部からアガります。
勝負所の見極めと言うのか、このアガりは正直、見てて鳥肌が立ちました。(汗)

結局この後、早いチートイツドラドラ(6巡目)を多井から直撃し、さらに多井の親番で3000、6000を親カブリさせ、逆転トップ。

とても2節で160ポイント沈んだ人間とは思えない強さで河野が2連勝を決めました。

河野+35.3 多井+20.7 谷井▲11.5 阿部▲44.5

しかし続く3回戦、今度は多井が巧みなゲーム回しをみせる。
その結果、河野が痛恨のラスを引き、多井がトップ。

多井+32.3 阿部+7.2 谷井▲11.0 河野▲29.5

この時点で多井がトータルトップに立ちます。

【トータルポイント】
多井+187.0 河野+180.9 谷井▲159.5 阿部▲210.4

そして最終4回戦
東3局に多井が魅せます。

2巡目に下の手牌からドラのを切り、

 ツモ

さらに5巡目、下の手牌からを切ります。

 ツモ

そして6巡目、を引きリーチ!

結果的にはアガれませんでしたが、

ドラのを切り遅れてはダメ。タンヤオに向かってもダメ。
まさに最速最強の手順です。いつか自分もこんな牌譜を残したいと思わせる最高の手順でした。

結果は4回戦も河野がトップを取り、4戦3勝。
2番手多井とのポイント差を40近くに広げ、この日のリーグ戦は幕を閉じました。

【トータルポイント】
河野+215.2 多井+175.1 谷井▲181.5 阿部▲210.8

RMUリーグも残りあと3節。
S級プロの思考に触れる数少ないチャンスです。

麻雀プロを志す方、強くなりたい方は見るだけで強くなれること必至ですので、
是非観戦に来てください。


文責 江澤陽一