このRMUリーグもRMU発足の二年後から始まり、四期目を迎えている。
一期目から考えるとメンバーも入れ替わっており、また昨年から谷井が加わりそろそろ世代交代でもあるといっそう盛り上がるのだが。
(いや、あくまで一般的にですよ。先輩方)
しかし、三期中二期を優勝している多井、一昨年優勝の阿部、モチベーションの上昇と共に昨年は大暴れの河野と三者が「そうはさせじ」と立ちはだかる。
ちょうど中盤を終えたここまでのポイントは以下のとおり。
多井隆晴 +86.8
谷井茂文 +46.6
河野高志 △24.5
阿部孝則 △110.9
1回戦
東1局
北家の多井。4巡目に早々とピンフのみ のテンパイ。
ドラが役牌の でもあり、1回戦の東1局であればこそ大事に行きたいところ。待ちも決して良くない。多井も当然ヤミテンが頭にあったはずだが、ここはリーチといった。実際に少しの間があった。逡巡の意味は……。
「そうか、アレか!」
開局だから逆に気合を入れてリーチを打ったとか、そんなショッぱい理由ではない。
コアな麻雀ファンは知っているだろう。
☆△理論と言うヤツだ。
(有効牌を連続で引き、イーシャンテンがすぐにテンパイするとアガりやすいという考え方)
ほどなく をツモあがった。ウラは乗らず、700-1300.これが1300-2600にでもなろうものなら、気分はアゲアゲだろうが、そこまではうまくいかない。
東2局
中盤過ぎに親の谷井が 、 と並べる。
多井が仕掛けているところに2枚行っていることもあり、かなり目立つ。
下家の阿部が 、 と外した後にやってきた 。
阿部は「しくじった」とばかりにノータイムでツモ切ってしまったが、冷静なら切るにしても少しは考えそうな牌に思える。
この に「ロン」の声は谷井。タンピン形の捨て牌で場況の良さげな待ちをヤミテン。
安かろうはずがない。
阿部も恐らくすぐに悟っただろう。12000。
            ドラ
高めをツモあがると8000オールの恐ろしい手だった。
この手に象徴されるように谷井の牌勢が終始良い。
その後も役牌ドラアンコの2000-4000をツモあがるなどし、トップを奪取。
その谷井からチートイツドラ2を直撃した河野が2着。
谷井 +29.9 河野 +6.7 多井 △12.9 阿部△23.7
2回戦
北家の河野がメンタンピンをあっさりツモって、ウラを乗せての2000-4000でスタートするが、牌勢が良いのはやはり谷井。
東3局から2600、1600-3200、1500(テンパイ)、8000と連続の加点。
1600-3200はチートイツをツモあがったものだが、この局はダブリーチャンス。
待ち候補は か と何の情報もない中張牌。
谷井は情報が全くないこの状況ではリーチせず。
1枚切れの を引いたところでリーチに踏み切った。
また8000のアガリはピンフ三色ドラ1の高め 待ちをしっかりヤミテンにして出アガったもの。
調子が良いからと言ってむやみにリーチと行かず、しっかり打てており磐石であった。
他の3人はテンパイしてもアガリに結びつくような待ちになる事が少なく、苦しい。
谷井の牌勢がそうさせないように感じた。
しかし、オーラスの親で、ここまでの牌勢で唯一対抗できそうな河野が攻める。
0本場では5巡目にタンヤオドラ3をヤミテン。
これは長引いてしまいきっちりオリられるが、1本場では と のシャンポンをリーチでツモあがり、2000オール。
次局もピンフのみをテンパイするが、待ちがあまりよくないと感じたのだろうか。
もしくは待ち以外の部分が全てソーズだったからなのか、ヤミテンとする。
多井のテンパイ気配、谷井の仕掛けを受けたところでリーチとしている局を見てみたかった。ここは多井がタンヤオをツモあがり終わらせる。
谷井 +25.3 河野 +10.1 多井 △6.6 阿部△28.8
3回戦
少し様相が変わる。
東1局から河野、多井のリーチ合戦。結果は流局。
東2局は河野のマンガンツモ。
東3局はその河野から8巡目に切られた に阿部が発声。
            
なんとムダツモなしのメンホンに仕上がっていた。
これは「染めに行ってる」気配は感じたとしても手順で押し出される牌であり、仕方がないであろう。
絶好調男の谷井はこの半荘は守勢である。
初めての発声は東4局。
阿部が をカンしての両面リーチに対して追っかけた。
待ちは と のシャンポンで、はっきり言って厳しい待ちである。
多井が変則手模様であり、 は持たれてる可能性が高い。
ヤマに合わせて2枚いたら”大ラッキー”な感じだ。
恐らくこのまま指を銜えて見ていても……と言うことなのだろう。
結果は流局。
しかし、ここから谷井の反撃が始まる。
まずはポンしてイーシャンテンから軽く捌いて、リーチ棒を回収すると南2局には8巡目に をチーする。
ドラが のこの局で を両面チーということは……。
全員が一気に固まる。
皆がしっかり受けきって流局したが、やはりドラがアンコの手であった。
バックとは予想できなかったが。
そして次局には少々遠い仕掛けであったが、二役ホンイツの2000-4000をツモあがる。
このアガリが決め手となり、あとは他者の戦いをやり過ごして3連勝。
このメンツに3連勝はそうそうできるものではない。
牌勢に谷井の麻雀、そして他の3名との運の巡り、全てがうまく噛み合ったとはいえ、凄いことである。
谷井 +26.9 河野 +4.0 阿部△10.4 多井 △22.5 供託2.0
4回戦
比較的、小場で進んだこの半荘。見所は南場にやって来た。
南2局、多井が良い配牌を3巡目にはこの形。
            ドラ
次巡、 を引いて少考する。少考する意味はもちろんターツ選択しかない。
すぐに多井の思考は理解できた。
伸びてきたマンズは切らない。
一番良い両面である の受けも外したくない。
ドラ含みターツをどうするか。
多井の選択はやはり打 。結果、すぐに を引き入れ理想形に仕上がってリーチ。
ほどなく突っ張る谷井から3900を出アガった。
果たしてこのように捌く打ち手はどれだけいるのだろうか?
私も思考はするが、打 とする自信はない。
この4巡目の選択時にはターツ選択するための情報は谷井の打 くらい。
次巡以降 がありそうな場況に変わっていくのだが、多井はアガリに最も近い選択をした。
その結果、谷井から討ち取ることに成功。
これを振り込んだ谷井はついに勢いを失う。
ここまで読むとトップは多井だと思うかもしれないが、ジッと力を溜めてきた阿部がオーラスの親でワンチャンスの高打点をアガる。タンヤオドラ3を門前で組み、谷井のリーチの筋を打った河野から討ち取り、これが決定打。
阿部+30.2 多井 +7.6 谷井 △12.6 河野 △25.2
第6節終了時 TOTAL
谷井 +116.1 多井 +52.4 河野 △28.9 阿部△143.6
この日3連勝の谷井が一気にトップに躍り出た。
牌勢も後押ししているのは確かだが、やはり昨年の谷井とは違うように感じる。
もちろんスタイルは攻撃重視なのだが、昨年のムチャにも見えるほど押しまくるのとは違い、バランスが合ってきているように感じる。
昨年はどこまで自分の攻撃が通じるか、ある意味”試し”だったのではないだろうか?
逆にポイントが表しているとおり、我慢がウリであるはずの王者阿部はバランスを崩しているように感じる。
最終戦こそ阿部らしさが垣間見えたが、初戦の放銃や見返りのない仕掛けなど、私の脳内にある阿部とは違う。
復活が待たれるばかりだ。
△34.4で”負け頭”というと怒られるだろうか。
よく抑えたというべきだろうが、多井が一番負けたのはここ最近で記憶にない。
河野もわずかに沈んだ程度である。
全体的に勢いだけ考えれば、谷井が100以上勝っていてもおかしくないほどの印象があるが、それでもこの程度におさまったのはステージの高さ=三者の壁なのかもしれない。
あと4節を残して60ポイント強のリードを取った谷井は、果たして守りきれるだろうか。
いや、守りきるなんて考えてはいないだろう。
そんなタイプではない(笑)。
個人的には今日のような展開ではなく、ジリジリした息が詰まるような対局を見たい。
対局する四者は著しく疲労するだろうが。
次節は9/29(土)です。
派手に高打点が飛び交う面白い対局だったり、はたまた私のように厳しい対局を見たい人、
どちらもとりあえず、神楽坂ばかんすに集合です!

文責:鈴木智憲
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