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選手名 |
合計 |
1回戦 |
2回戦 |
3回戦 |
4回戦 |
1 |
河野高志 |
81.6 |
10.7 |
12.0 |
31.5 |
27.4 |
2 |
多井隆晴 |
9.7 |
▲34.4 |
34.0 |
7.8 |
2.3 |
3 |
藤中慎一郎 |
▲24.7 |
41.0 |
▲28.7 |
▲6.2 |
▲20.8 |
4 |
阿部孝則 |
▲76.6 |
▲17.3 |
▲17.3 |
▲33.1 |
▲8.9 |
■2節目までの合計
阿部孝則:57.3
多井隆晴:22.5
河野高志:0.8
藤中慎一郎:▲90.6
阿部が多井、河野、藤中の3人を相手に、4半荘で+133.9pという驚異的なロケットスタートを決めた第1節から2週間後、RMUリーグの第2節が行われた。
まだ全10節中の1節しか終わっていない段階での結果とはいえ、4人で頂点を決めるリーグ戦、しかも阿部の麻雀の持ち味が
「安定感があり、大崩れのない麻雀」であることはここにいる誰もが知っている。
(もうこの段階から阿部マークで進んでいくのだろうな)と会場入り前から思ってはいたが、実際の対局もそのような展開で進んでいった。
1回戦は流局の多い膠着した展開が続いたが、ラス前に藤中が6000オールで大きく抜け出す。
さらに藤中の連荘が続くなか、親番のないラス目の阿部が中盤に⑧ピンをポン。
この時点で、『阿部にドラ⑥ピンが固まっているのだろうな』というのは、対局者の共通認識である。
実際に阿部の手はポンテンのタンヤオドラ3。
そこからさらに変化して高目だとトイトイサンアンコがついて出アガリでも倍満の形になっていた。
これに対してテンパイ打牌で多井が白を切る。もちろん阿部には通る牌なのだが、
「ロン、12,000は12,600」
メンホンチートイツのダマテンを入れていた藤中に放銃してしまう。
『阿部のタンヤオドラ3しか警戒していなかった』と局後に多井は語ったように、多井のこのような放銃も珍しい。それだけ阿部の動向に集中していたということだろう。
阿部はこの1回戦、続く2回戦をともに3着でしのぐも苦戦はまだ続く。
3回戦でツモりサンアンコのリーチをかけたのだが、リーチ後の暗カンにより、場に出やすい方の①ピンがカンドラになってしまう。
もたついているうちに、河野にペン③ピン待ちリーチで追いかけられると、4枚目の③ピンをつかみ裏も乗って満貫放銃という最悪の結果になった。
しかしこの局にも展開のアヤがあった。
阿部のリーチに対して多井が1牌押していれば、多井の安手のツモアガリで終わっていた局だったのである。
しかし『ここで阿部に打って生き返らせるのはマズイと思った』というように、多井が勝負を見送った結果、多井がアガリを逃し河野にアガリが発生したのである。
3回戦、ついに阿部はラスを引いてしまう。
最終4回戦も上下ともと僅差の3着だった阿部は、オールマイナスで今節だけで70p以上マイナスしてしまった。
「調子が悪いのは自覚していたので、マイナスするのは仕方ないにしても、3半荘目がね・・・。なんとかマイナス30か40くらいには抑えたかった。」
とは対局終了後の阿部。
最初のラスを悔しがっていた多井は、残り3半荘を1・2・2でまとめ、ただ1人2節連続でプラス。
今節は、阿部マークを一番強く意識して打っていたと思われるが、状況が変わって本来の打ち方に戻ると思われる次節以降、さらに注目である。
そういう意味からすると、今節の河野はやや展開の後押しがあったと言えなくもない。
とはいえ連続2着だった前半戦から3回戦で機を逃がさずに攻め、そのままの勢いで4回戦まで押し切って+80以上を叩き出し、オールプラスで一気にプラス圏にまで持っていくあたりはさすがである。
藤中はこのリーグに入るとやや気後れをしてしまうのか、2回戦以降はおとなしくなってしまった感じがする。
藤中がここから巻き返すと上下が詰まって展開がさらに面白くなるので、期待したい。
このような白熱の戦いが繰り広げられるRMUリーグ、約1ヵ月後の6月5日(土)に行われる次節が楽しみである。
文責 宮田信弥