2014マーズカップ優勝は日本プロ麻雀協会所属、コバさん!
 

8月23日、今年度4回目のスプリントカップであるマーズカップが開催されました。

毎日猛暑日が続くこの蒸し暑い陽気の中、88名の方に参加して頂きました。

外の気温に負けじと予選からかなりヒートアップ。役満がトータル4回も出るなど大波瀾の一日でした。この日のレポートを宮本卓がお送りします。

熱い予選を勝ち抜き、決勝に残ったのは以下の4名。

藤中慎一郎 +62.2
コバ +57.2
江原翔 +52.3
寺坂直樹 +50.6

ほとんどが着順勝負。(寺坂だけ藤中と1着順と1.6p必要)

東1局ドラ

まずは主導権を握ろうと親の江原が、を仕掛けて、少し遠いがドラ色のピンズに染めていく。

しかし、負けじと北家のコバ、西家の藤中からリーチが入る。

コバ
ドラ

藤中
ドラ

江原がを一発でつかみ、これが放銃となる。

東2局 ドラ

親の寺坂の配牌がものすごい。

ドラ

ハイパイ時点で三元牌が全てトイツ。役満チャンスが訪れる。

手牌の軽かったコバから、とこぼれて、あっという間にハネマンのテンパイ。

ポン ポン ドラ

このテンパイが入ったのが、6巡目。この時点ではまだ山に2枚生きている。
子方三人からがこぼれることはまずないだろうが、自力で引く可能性は十分だ。

藤中に一枚流れ、藤中は手じまい。コバはタンヤオイーシャンテンと粘っている。
親の上家の江原は丁寧に打ちながら、テンパイを入れる。

ドラ

かなり苦しい形だが、手変わりはかなり豊富。しかし、マンズがのびてしまうとが出てしまう。

どうなるか見てると、ツモった牌は
この5面待ちなら勝てるとふんだのだろう、長考の末、を勝負。
これが18000点の献上となってしまった。
この放銃は致しかないか。

次局は江原がマンガンをツモって失点を挽回する。

リーチツモ ドラ ウラ

東3局、親の藤中の手牌がいい。

ドラ

4巡目で既にこの手牌。

ここでをツモった藤中。ジュンチャンの手変わりをみて打とする。
これを下家のコバが下の牌姿から仕掛けてホンイツに向かう。

ドラ

さらに次巡藤中がをツモぎり、それもチー。

さらに次巡持ってきたも鳴いて、あっという間にイーシャンテン。

チー チー チー ドラ

ここは藤中も反省していた。
「少し前がかっちゃったね。は仕方ないとしても、は止めなきゃいけなかった。」

二人ともテンパらず、しばらくこの状態が続いていると、江原からツモの発声が。

ドラ ツモ

前局に続いてまたもやマンガンをツモ。

開始2局で26000点失ってしまったが、すぐに半分以上を回収。一気に点棒を2万点代に戻してきた。

ここから流局が続いていく。

江原が点棒を戻したことにより、4者の点棒が近づき、互いを牽制しあってなのかアガリがなかなか生まれない。

ドラが字牌の局面が多かったのも要因だろう。

南場であがったのがコバの役牌ホンイツの3900のみだった。このまま決勝戦はオーラスをむかえる。

オーラスをむかえて、各自の点数は以下の通り。

南4局2本場 供託1

江原 25300
寺坂 37900
藤中 27400
コバ 28400

江原 寺坂からのマンガン直撃か、ハネマンツモ
寺坂 アガレば優勝
藤中 寺坂からの3900点直撃か、マンガンツモ
コバ 寺坂をまくればOK。

親のコバが2巡目から仕掛けていく。

ポン ドラ

値段は安いが軽い手だ。連荘できそうなかんじだが、このあとのツモが全く効かず、時間がかかってゆく。

親がてこずっている間に、他の三人は着々と手を進めていく。

ハネツモ条件と一番厳しい条件の江原だが、配牌でドラドラがあり、9巡目に条件を満たすイーシャンテンとなっていた。

ドラ

タンヤオチートイドラドラならダマテンの寺坂からのマンガン直撃も狙える。

次巡ドラがアンコになり、さらに広い形になる。

ツモ ドラ

ここから打。この時、下家の寺坂はタンヤオイーシャンテン。

ドラ

しかし、こののチーテンを取らずに山に手をのばしていった。

ここは疑問が残る。ここでチーテンをとらないのはどうだろう。確かにマンズはいい待ちとは言えないが、アガれば優勝ならば鳴くしかないと思うのだが。

対局後、寺坂に聞いてみたら条件を勘違いしていたとのこと。初めての決勝でしょうがないのかもしれないが、ここはもう少しちゃんとしてほしかった。

全員がイーシャンテンの中、最初にテンパイが入ったのが藤中。

13巡目にリーチ。寺坂からアガるかツモれば優勝。

同巡、江原にもテンパイが入り、追いかけリーチ。

ドラ

藤中がリーチ棒出したことによりハネマン出アガリでも優勝となった。

江原の宣言牌を鳴いて寺坂にもテンパイが入る

チー ドラ

さらに親のコバにもテンパイ。

ポン ドラ

全員がテンパイ。まだ全員の待ちが残っており、誰が優勝するのか全くわからない。

決着はすぐについた。

寺坂がをつかみ、コバのアガリとなった。

決勝はまだ終わらない。

オーラス三本場 ドラ

条件は各々変わらない。
藤中の配牌がかなり良い。しかし、打点が足りない。マンガンにするために何度もテンパイを壊していく。

タンヤオイーペーコイーシャンテンになった藤中がドラのをツモ切る。

これを親のコバが鳴く。

ポン ドラ

次巡、コバがドラのを加カン。

一巡置いておけばドラが重なっていただけにこの瞬間、食いとられた藤中はどう思っていただろう。

さらに江原からリーチがかかる

ドラ カンドラ

ハネマンツモ条件の江原はツモで優勝だ。

そのときの藤中の手牌、

ドラ

一発目に持ってきたのがで、江原の捨て牌が明らかにピンズのホンイツ模様。
ここでを切ると一巡前にテンパイが入っていた親のコバにあたってしまった。

ポン ドラ

このアガリでコバが、47400点に。

寺坂がまだマンガンツモ圏内だが、かなり大きなアガリとなった。

オーラス四本場 ドラ

寺坂とのマンツモ圏外に逃げるために親のコバが仕掛けていく。
寺坂の手牌はまたまだ時間がかかりそう。

先程放銃してしまった藤中。持ち点13500点とかなり苦しい展開になったが、ツモが利き、ピンズが寄ってくる。

13巡目にテンパイ。

ドラ

最終形のためリーチ。これをツモってウラ3で優勝となる。
山にはが一枚残っている。

この時点でまだイーシャンテンだった親のコバ。ここはオリていく。

途中 をツモり、アンカン。ウラドラの可能性が上がっていく。カンドラは
しかし、残念ながらツモれず、このまま流局となった。

マーズカップ優勝は、日本プロ麻雀協会のコバ!


文中敬称略、文責:宮本卓