第5期 RMUリーグ第4節レポート
連日の猛暑となり、いよいよ夏本番といった所か、ジメジメした蒸し暑い日が続く。そんな中で行われたRMUリーグの第4節。ここまでの成績は以下の通り

河野 +172.1
谷井 ▲13.7
多井 ▲63.1
阿部 ▲97.3

ここまでは河野の独壇場である。しかし、まだまだ先は長い。これからこの四人がどんな麻雀をしてくれるのか、非常に楽しみである。

◇一回戦

最初のアガリは、河野。
下家谷井のピンズのホンイツに臆することなく、ピンズを河に捨て、以下の手牌をツモアガリ。

ツモ ドラ

まだ1局だけだが、配牌やツモの感じから今回も河野の調子は良さそうに見える。

その河野に対抗するのが多井。

次局、河野の親番でマンガンをツモると、ここから得意のリーチ攻撃。

親番で、以下の配牌

ドラ

マンズの一通に狙いを定め、ピンズのカンチャンを払う。絶好のを引き、待ちに自信があるのかハネマン狙いでリーチといく。

7巡目のこの時点で、は山に5枚生きており、他の三人共に戦える手格好ではない。アガリは時間の問題といった所だろう。ほどなくしてをツモって6000オール。

次局も、多井がタンヤオドラ1で、先制リーチ。
ここもアガリをものにし、多井の点棒が6万点を越える。

ここまでは河野と多井しかアガっておらず、谷井、阿部は我慢の展開が続く。

しかし、このまま大人しくしているはずがないのが、昨年王者の谷井。

南場に入り、ようやくアガリをものにすると、南2局の河野の親で反撃にでる。

配牌はあまり良くなかったがうまくまとめ、リーチを打つ。

ドラ

ドラまたぎで少し苦しい待ちだが、これをツモり、さらに裏ドラも2枚乗せ、ハネマンとする。

さらにオーラス

5巡目に以下のテンパイ

ドラ

トップ目の多井とは3万点以上離れているが、2着の河野とは9700点差。
一発、裏ドラ条件だが、当然リーチといく。

この谷井のリーチに対して阿部が無筋を強打。
どんな手か見に行くと、なんとメンホンイーシャンテン。

このとき阿部はツモられ貧乏で、箱割れ寸前の800点。
しかし、谷井との点差は23000点差でハネ直圏内。

すぐにを暗刻にして、条件を満たして、追いかけリーチを打つ。

谷井がこれを掴んでしまい、痛恨の放銃となってしまう。

1回戦結果

河野 +8.5
谷井 ▲34.2
多井 +46.9
阿部 ▲21.2

◇2回戦

阿部の1000,2000からスタートする。
アナログ的にいえば、「先程のハネマンのおかげ」か、阿部の手が軽くなってきた。

この半荘は、調子を上げてきた阿部と、今日好調な多井、河野の三つ巴となる。

それぞれがアガリを拾っていき、局が淡々と進んでいく。連荘がないまま、オーラスを迎える。

オーラス時の点棒状況(起家から)

河野 36300
多井 34200
谷井 14400
阿部 34100

供託の1000点、そして一本場のため、河野、多井はアガリトップ。親の阿部はなんとしても連荘したいところだ。

さて、配牌はというと、おもしろいことに三人それぞれに役牌がトイツである。

ツモが効いたのは、河野。
もう一つ役牌を重ね、5巡目にポンテンが入る。

ポン ドラ

さらにも仕掛け、打

すぐに持ってきたに待ち替えすると、これをあっさりツモってトップを守る。

二回戦結果

河野 +25.3
谷井 ▲31.4
多井 +8.4
阿部 ▲2.3

◇3回戦

東1局、多井の先制リーチが入る。

ドラ

これを一発でツモリ、裏ドラも乗ってマンガンとなる。

ピンフのみがマンガンになるとかなり感触はいいだろう。
この半荘は終始多井のペースで進んでいく。

さらに6400点をアガると、南場ではこの仕掛け。

南3局 南家 4巡目

ドラ

この縦横どちらも見られるイーシャンテンから、をポン。ドラドライーシャンテンの阿部からダブ が出て、それも鳴いてテンパイ。

すぐに河野からが出て、多井のアガリとなる。

ポン ポン

直球だけではなく、変化球も決まり出してきた。

このアガリといい、先ほどの6400点といい、河野からの直撃となり、トップラスでこの半荘を終えている。トータル的に見ても大きな半荘になっただろう。

その河野だが、オーラス(多井の親)にマンガンをツモって、一矢報いている。この辺りはさすがである。

3回戦結果

河野 ▲26.8
谷井 +7.5
多井 +31.5
阿部 ▲12.2

◇4回戦

4回戦は多井以外の三人がそれぞれマンガンクラスのアガリをものする。

多井にとって幸いだったのは、三人がお互い打ち合い、多井の点棒は阿部の4000オールで削られただけであった。

しかし、アナログ的に「流れが良くない」と判断したのか、また多井が変化球を投じる。

東3局 南家 2巡目

ドラ

ここから を仕掛ける。
先ほどと同じでトイトイ狙いだろうが、少し厳しい形である。

しかし、すぐにも仕掛けて、イーシャンテンにすると、次巡を重ね、あっという間にテンパイ。

谷井からピンフドラ1のリーチが入るものの、谷井に1回もツモらせることなく多井がアガリきった。

ポン ポン ツモ ドラ

このアガリで、結果から見れば「流れ」というものを引き寄せた格好の多井。

次局の親番で、ダブとドラがトイツの好配牌。

これを丁寧にまとめ、ダブのポンテンを入れる。

ポン ドラ

鉄板のサンメンチャン。
時間の問題と思われたが、意外と長引く。その間に河野からリーチが入る。

ドラ

多井の待ちであるを重ねてのテンパイ。
リーチはやり過ぎな気もするが、この手に感触があったのだろう。

この時点で、山にはなく、が一枚ずつ残っていた。

もしかしたらと思ったが、さすがに多井に軍配が上がり、を静かに置いた。

連荘しての一本場、多井に好配牌がいくものの河野が果敢に仕掛けて、多井の親落としに成功する。

次局に谷井がリーヅモサンショクを決め、多井に迫る。

次に手が入ったのは、北家の阿部。丁寧にまとめて、7巡目に以下のイーシャンテン。

ドラ

ここで、ツモったのが一番嬉しい。唯一アンカンができる牌である。

ここは当然、打点アップを目論むカン。カンドラは一枚切れの に。リンシャン牌はその新ドラの 。阿部はをツモ切ってリーチといく。

しかし、そのにポンの声が。

鳴いたのは、多井。しかも、ポンテンで、待ちは

こうなると完全に多井の「流れ」である。これをあっさりツモって、トップを決める。

オーラスは河野が、ドラドラで仕掛けて、1000.2000をアガって3着に浮上し今日の対局を終える。

4回戦結果

河野 ▲16.3
谷井 +8.7
多井 +35.4
阿部 ▲27.8

本日の成績

河野 ▲9.3
谷井 ▲49.4
多井 +122.2
阿部 ▲63.5

今日はまさに多井デーとなった。終始安定した麻雀を打っており、リーチもよく決まっていた。鳴きも冴えており、勝負運を完全に実力で引き寄せていたように思う。

他の三人は我慢する局面が多く、苦しい展開が多かった。その中でも、河野はマイナスを一桁で押さえ、なかなか大崩れしない。この牙城を崩すのは大変そうである。

トータルポイント

河野 +162.8
多井 +59.1
谷井 ▲63.1
阿部 ▲160.8
供託 2.0

ここにきて多井が一気に浮上してきた。だが、まだまだ前半戦。マイナスしている二人が、このまま終わるとはとても思えない。

今日以上に熱い戦いがこれから繰り広げられることだろう。

ぜひ間近でこの熱戦を観戦してもらいたい。


文責・宮本卓