第5期 RMUリーグ第3節レポート |
第3節RMUリーグレポートはB級ライセンス宮田信弥がお送りします。___ 第2節が終わった時点でのスコアがこちら。 河野 +139.4 河野は2節連続の大きなプラスで、早くもプラスを3ケタに乗せていた。 実は、河野は3年連続で1節目に+60以上の好スタートを切っているが、一昨年は、4節目まで快調に飛ばすも「第5節」を境に多井に猛追され、「8節目」にひっくり返されてそこから追いつけずの2位。 昨年は、2節目ですぐに並ばれるとあとはずっと追う展開。途中で追う相手が多井から谷井に変わり、第9節を終えて約80p差、「最終節」残り2半荘で125p差と勝負あったと思わせるところから猛追し、オーラスハネツモ条件のリーチをかけるところまで追いつめるも惜しくもツモれずの2位。 これまで、好スタートが最高の結果に結びついていない。気が付けば他の3人は全て戴冠済み。今期こそは、という思いだろう。 とはいえ、河野はもちろん、優勝することだけを目的にここに座っているわけではない4人、今日はどのような麻雀を打ってくれるのか。 卓につく4人の緊張感の高まりを感じた私は、わずか数十秒ではあるが、定刻より早く対局開始の合図を行った。 (1回戦)谷井、多井、河野、阿部(起家から、以下同じ) 開局、河野はピンフのみでアガる。そして次局、ドラ含みのペンチャンを鳴いて、三色ドラのテンパイを入れるが、アガったのは谷井。 ロン ドラ放銃した親の多井はというと、 ドラリャンシャンテンとはいえこの形からツモ切りでの放銃は、一見仕方ないようにも見える。しかしながら、この手は2巡目にはすでにリャンシャンテンで、そこから形こそよくなっているものの、進まないままの14巡目の手牌である。しかもはション牌。いい時の多井なら絶対に止めているとまでは言わないが、抱えて手じまいすることもあるように思う。 リードを奪った谷井だったが、次局、 リーチ一発ツモ ドラ 裏親の河野の6,000オールが炸裂し、あっという間に抜き去られてしまった。 その後、河野が刻んで点棒を増やす一方、多井は精彩を欠き、テンパイから阿部のリーチに一発で満貫を放銃するなどハコ割れ寸前まで追いやられる。こうなると焦点は2着争いとなるが、ここも河野が軽快に仕掛け、 ポン ポン ポン ロン ドラこれに谷井が飛び込んで決着し、河野は6万点を超える大トップ。 河野+45.5、阿部+7.6、谷井▲10.4、多井▲42.7 (2回戦)谷井、阿部、多井、河野 この半荘もまず飛び出したのは谷井。役牌のみの1,500アガっての1本場、 リーチロン ドラ 裏現物待ちになっている多井の先行リーチを追いかけ、多井に掴ませて親満で大きくリード。しかし、1人テンパイを挟んだ3本場、阿部が、 ドラこのタンピンっぽい配牌を ツモ ドラメンホンに仕上げてのハネマンツモを親かぶりすると、続く東2局、 ポン ポン ポン ドラ河野のこの仕掛けを咎めに行くべく、 ドラドラにがくっついたところでリーチに行くが、逆に一発目にを掴んでしまい、原点付近に戻ってしまう。 一方、大きく沈んでしまった多井であるが、親で2,000オールをツモ。さらに親が流れた後の東4局には、 ドラこのツモり四暗刻テンパイ。テンパイした時点で山にはが1枚残っていたが、河野がこれを引き入れてリーチしたことで役満の可能性は消滅。 しかし、ここから4巡続けて安全牌をツモ切り続けている間に、河野の現物であるが阿部からこぼれて満貫をものにするなどして、原点付近まで点棒を戻す。 南3局、河野と谷井のトップ争いは、まず河野が、 ドラドラ単騎のチートイツをテンパイし、ヤミテン。これに対し、谷井は河野からをポンして、 ポン ドラこのイーシャンテン。河野のツモ牌でもあるを食いとってを切り、4メンチャンテンパイとなり、河野のツモ切ったで満貫を直撃。これは決まったかと思われたが……。 オーラス、配牌からがトイツの谷井、これが鳴ければ早かったが、 中 チー ドラ11巡目にバックのテンパイ。まあ、このチーテンは取るところだろうが、このチーでが阿部に流れると、リャンシャンテンだったので出てこない。 もう1枚のはというと、配牌から多井が持っていた。しかし、 ツモ ドラ2巡目にが河に2枚あるのを見てかを選んだのだが、絞っているというよりは手牌を目いっぱいに構えないで進めている感じでは出てこない。 そうこうしている間に、河野が、 ドラドラを切ってリーチ。一発目に無筋のを掴んだ谷井、少考ののちを切ってテンパイを崩す。 その直後、阿部と多井に続けざまにの手出しを見せられると、さすがの谷井も顔を歪める。2巡後、をツモって親満で河野が再逆転。 1本場、河野のドラ雀頭リーチをなんとか1人テンパイの流局に持ちこたえての2本場、3,900で逆転できる谷井は8巡目に、 ドラこの、ポンテンも利くイーシャンテン。ここへを持ってきて、のトイツ落としに向かった瞬間、多井からリーチがかかる。 同巡にを引いてテンパイした谷井が続けてを切ると、多井の手牌が倒される。 一発ロン ドラ 裏満貫直撃で2着浮上。 「トイツ落とし、見えていました?」と局後に聞く谷井に、「まあね。満直だと変わるからね」と答える多井。谷井は「トップ目が阿部さんだったらオリる選択肢もあるだろうけど…」。 確かにそうでないと、ラスの方が近い状況で表示牌含めて2枚見えのカンチャン待ちではリーチに行かないだろう。 河野+25.3、多井+7.1、谷井▲8.3、阿部▲24.1 連勝で、10半荘目にして河野のプラスが200を超える。 (3回戦)河野、多井、谷井、阿部 (リーチをかけた順に記載) 谷井の最高目が完全に押さえられている以上、誰がアガってもそれほど点数は変わらない。阿部がツモって裏はなく、1,000-2,000で都合6,000点の収入。 ところが、これを超えるアガリが出ぬまま、(点棒上は)淡々と局が進み、オーラスを迎える。 点数は、 となっており、ラス親が阿部のため、ラス目の河野でも満貫ツモでトップまでまくれる点差である。 しかし、全員手が遅く、最初にテンパイしたのが河野の13巡目、 ドラタンピンドラ1、ヤミでもラス抜けでき、ツモるか谷井から出れば2着になるところ、河野はリーチに踏み切る。 ここの損得勘定は、リーチするとアガった時に着順アップが見込めるが、ヤミテンよりはアガり確率が減少するうえに、多井とテンパイ料で着順が変わらなくなってしまう。 それに巡目や待ちの悪さなどを考えると、今にしてみればヤミテンの方が有利だった気がする。ただ、オカがあるなどトップの価値がさらに高いとか、天鳳名人戦みたいにラス抜けするだけで▲70を他の人に押し付けることができるような極端な差のあるルールならともかく、このルールならそこまでの差はないだろう。「どちらでも一局」。第3節であることを考えれば、普段通りの打ち方でいいと思う。 はリーチの時点で合わせて4枚残っていたが、2枚は脇に流れてもう2枚は王牌でツモれず、今リーグ戦初ラスとなる。一方の阿部は、今リーグ戦待望の初トップ 阿部+20.2、谷井+4.6、多井▲7.5、河野▲18.3 供託1 (4回戦)河野、多井、阿部、谷井 谷井の一発ツモの満貫親かぶり。 その後、5巡目リーチからの1,300-2,600や、南場の親での2,000オールと、いずれもリーチ合戦に競り勝ってこの時点で4万点を越える。 しかしここから、谷井の役牌ドラドラへの3,900放銃や多井の2,600オールツモなどで細かく削られ、オーラスの時点では、 河野 28,200 3番手にまで下がっていた。 そのオーラス、阿部の手牌がすごい。配牌でトイツだったドラのを3巡目に暗刻にして くっつきのイーシャンテンになっていた。阿部は満貫でも着順は上がるが、この巡目でこれだけの手材料があるならハネツモのトップを狙いたいところ。 2巡ツモ切った後、2人が切っているを引いてきてを切る。が3枚見えているし、にくっついても悪くないなと思っていると、その巡目に3枚目のがツモ切られ、を引いてテンパイ。しかし、ここでちょっと間があってリーチ。 率直に書かせてもらえば、私は当然即リーだと思っていたので、後ろで見ていて迷っている理由が分からなかった。無論それが正しいと断言するつもりはないが、瞬間とはいえとの比較で残したのだから、阿部クラスの打ち手なら、即リーするにせよそうでないにしろ、即決してほしかった。 今回は3巡後に山に3枚残りのをツモって事なきを得たが、対局後に河野が、 「なんでノータイムで即リーしなかったんだろうね。阿部が迷った末にリーチに行ったのを見て、これは絶対にドラがあって待ちはマンズの上の愚形だなと思った。どうせツモられたらラスだからそこ以外は行くつもりだったんだけどね」。 と、語っていたのを持ち出すまでもなく、この手合いだとちょっとしたことが致命傷になりかねないのだから。 阿部+19.3、多井+5.4、谷井▲4.9、河野▲19.8 (第3節結果) 1144と後半失速したが、トップが大きくラスが小さい河野が卓内トップでプラスをさらに積み上げた。見ていて安定感があり、この調子を維持できればちょっとやそっとじゃ崩れなさそう。 後半連続トップでマイナスを2ケタに戻した阿部であるが、最後の局を見ても、まだ完全復活とは言えないと思う。ただ、勝負事には「白星が最良の薬」という言葉があるように、これをきっかけにして、安定感のあるいい頃の阿部の麻雀をここで見せてもらえることに期待したい。 谷井は勝負所で競り負けるケースが多く、アガリも多いが失点も多いという感じで伸びきれなかった。ただ、逆に言えばそういったところで競り勝てれば一気に伸ばせる打ち手なので、あとはそれをどれだけ持ってこられるか。 多井は、最初の半荘はともかく、その後も手が入っているとは言い難い状況だった。本編には書かなかったが、3回戦目には谷井のリーチに対して近年見たことのない裸単騎で応戦するなど、やや無理をしているようなところは見受けられたし、本人もそれを承知でいろいろ試しているようだった。とはいえ、2回戦目以降で見ればプラスだし、これくらいのマイナスなら許容範囲ではなかろうか。 河野の1人浮きとなったが、まだ7節ある。このくらいの差ならまだまだ分からず、7/13(日)の第4節以降も楽しみである。
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