2012ウラヌスカップ優勝はB級松ケ瀬隆弥プロ!

1月7日、2013年最初のスプリントカップである、ウラヌスカップが行われた。 正月明けにも関わらず、64人もの方々が参加された。嬉しい限りである。

予選から観戦していた印象として、波乱含みの混戦模様だったように思う。谷井プロが四暗刻単騎に放銃したり、多井プロが四暗刻を親かぶりしラスになるなど、役満が連発した。また、S級ライセンスの河野プロが一般参加者の勢いに押され、ほとんどアガれずに予選敗退となっていたのも印象深い。

そんな混戦を勝ち抜いた決勝進出者は…。

松ケ瀬隆弥97.8
関園子93.0
森島直毅90.2
吉田信之78.0

この四人。

5位が77.6で、6位が77.3 と、最後のイスは非常にシビアな決着。

決勝戦は持ち点を半分持ち越しで行うので、完全に着順勝負となった。
開局から局面は動く。

東一局
並びは起家から 森島、吉田、松ヶ瀬、関

9巡目に西家、松ヶ瀬がリーチ

ドラ

11巡目に関のが捕まり、8000点のアガリ。

東二局

9巡目に西家、関がリーチ

ドラ

12巡目にを暗カンするが、15巡目に北家、森島が追いつきリーチすると、4枚目のを一発でツモり2000、4000。

ツモ ドラ

ちなみにが3枚切れだったのだが、特筆すべきは、宣言牌が放銃回避のをきちんと選択したこと。これは森島のファインプレーだった。

東3局

この局も南家関が7巡目に先行リーチを打つも、松ヶ瀬が巧く捌いて、吉田から1500。

東3局一本場

12巡目に西家の森島がリーチ。

ドラ

この時、森島の後ろで観戦していたのだが、待ちはそれほど良くなく、親の松ヶ瀬も十分な臨戦態勢の河であったため、筆者には危険なリーチに思えた。

案の定というべきか、親の松ヶ瀬が15巡目に追っかけリーチ。

しかし同巡、南家の関が親の現物でもあるを手バラから放銃してしまい、裏1の5200は5500の手痛い出費となる。

決勝戦から急にギャラリーが増えたり、牌譜を記録されたりと、突然環境が変わり、緊張が解ける前に起きてしまったのだろう。こればかりは誰でも経験するものであり、決勝経験のない選手にとっては、致し方ない部分があるかもしれない。

東4局

森島がを仕掛けて、9巡目に
ポン ドラ

この3900テンパイを入れるも、同巡に西家、吉田がリーチ。

ドラ

森島が12巡目にを掴み、吉田に裏1の8000を献上して南場を迎える。

持ち点は松ヶ瀬と森島が37500持ちで、これを追いかける吉田が32500持ち、 関が12500持ちと、やや三つ巴の展開になった。

南1局

11巡目に北家の関が渾身のリーチを打つ。

ドラ

しかし、流局して西家の松ヶ瀬と二人テンパイ。

南2局一本場

5巡目に南家の松ヶ瀬がリーチ。

ドラ

時間がかかったが、を最後のツモ番でツモり、カンドラも乗せ、2100、4100。 これで、さすがに決まったかの様にも思えたが、
続く南3局
西家の森島が3巡目リーチ。

ドラ

裏ドラのをきっちりツモり2000、4000。

オーラスを迎えた点棒状況は、

松ヶ瀬44300、 森島41900、吉田24900、関8900。

事実上松ヶ瀬と、森島の一騎討ちとなる。

オーラスの17巡目、森島のテンパイ打牌のを、松ヶ瀬が捕らえて決着がついた。

対局後、松ヶ瀬からは1日通して、勝負所で要所要所アガリを拾えたので、あまり苦労せずに良い結果が出た… と手短にコメントを貰った。それは彼の独特のアガリへの嗅覚や、培ってきた努力の賜物である。

2013年、最初のスプリントカップ優勝者は松ケ瀬隆弥。彼は前年度の最高位戦クラシック優勝者でもあり、今年も活躍をしてくれるだろう。

文中敬称略 文責:萩原亮