RMUリーグ開幕!! |
ついに、はじまる。戦いを繰り広げるのは、RMUのS級ライセンスを持つ、5名の選手たち。楽しみでワクワクしている。期待でドキドキしている。問題は、この観戦記で、それが伝えられるかどうか。伝えられたら、第2節を、観戦にいらしてください。伝えられなかったら、それは、観戦者の筆力の至らぬところなので、第2節以降で、ご自身でご確認ください。どっちにしろ、この対局の観戦をお勧めいたします。 選手の紹介を対局前の各選手のコメントを交えてご紹介したい。 古久根英孝 土田浩翔 河野高志 阿部孝則 多井隆晴 システムは5人のリーグ戦。1節5回戦。それぞれに1回の抜け番があり、年間を通してのトータルで優勝を争う。ルールはRMU公式Aルール(一発・ウラドラあり。) 1回戦
並びは親から古久根・土田・多井・河野(抜け番は阿部)。 東1局。親の古久根、まとまりにくそうな配牌から対子を重ねて5巡目には、チートイツのイーシャンテン。しかし、対面の多井が自風の 放銃は土田。リーチドラ1の2,600。この時の土田の手牌は イーシャンテンながら十分形で迷いがない。放銃を恐れる局面ではない。 東2局。またしても、多井のリーチ。今度は7巡目の即リーだ。 イッツーも見えるが、ドラなし手牌なら「手変わり待ちのヤミテン」、ドラ入り手牌なら「リーチ」がセオリーか。しかし、親の土田はそれより早く5巡目のテンパイがこの形。 テンパイの過程に不満があるのか、土田はヤミテンだった。多井のリーチにもヤミテンを通す。すると、古久根が多井に 東3局。前局、放銃の古久根が7巡目のリーチ。 手変わりを待たないこのリーチは古久根の勝負感か。対する一発目の多井の打牌がション牌ドラの 「早い・高い・広い」三拍子揃った手牌だ。すぐに 東3局1本場。多井以外の3者が親落としを狙う。古久根はマンズのホンイツ模様で5巡目にペン でヤミテン。安めの 東3局2本場。ドラ 東4局。親の河野に好手が入る。6巡目のテンパイ。 ダブ東アンコのメンホンは強力だ。場は 東4局1本場。ドラ 南1局。古久根にとっては大事な親番。12巡目に の手牌から、 南2局。親番の無くなった古久根が6巡目に アンカンをしたことによってお誂えむきに新ドラが乗る。その時点での古久根の手牌、 そこへ次巡のツモが、問題の 南2局1本場。チャンタ形の古久根が4巡目にツモ切った 対する古久根も、9巡目にテンパイ。 ジュンチャンイーペーコーでヤミテン。土田もノミ手でリーチに対して無筋を切るが、古久根のツモ山から喰い取った 南3局。河野が、10巡目にタンヤオのポンテン。多井の親を流しにかける。とはいえ この手牌は高くなる可能性も残している。そんな折、親の多井が終盤のリーチ。 高めツモならマンガンだ。すると、1巡前にテンパイしていた土田も追いかけリーチ。 南4局。ドラ 南4局1本場。またしても土田のチーから仕掛けが始まる。5巡目の 最後の勝負所と河野がリーチ。この時点で土田は2シャンテンなのだが、アガリ切るのは土田なのだ。 かくて記念すべきRMUリーグ最初のトップは土田となった。 1回戦結果 土田 +28.7 河野 +9.8 多井 ▲2.8 古久根 ▲35.7 2回戦
並びは親から阿部・河野・土田・多井(抜け番は古久根)。 東1局。ドラ 東2局。南家土田の8巡目 捨て牌は 当然のように流局。テンパイ表示の手牌を見た対局者はどう思うだろうか。少なからずショックを受けると思う。少なくとも私はショックを受けた。 東3局1本場。親の土田のリーチが7巡目。捨て牌は アガリ点こそ3,900だが、これが次局にも影響を残す。 東3局2本場。土田の仕掛けが5巡目、カン ホンイツへのワタリも視野に入れて打っていた河野だが、親に仕掛けられて、テンパイが入ると引くに引けない。安め外側では、役なしだけにリーチと出る。打点より主眼は親落としなのだ。しかし、またしてもアガったのは土田。 勝負牌でもないのに2連続で親に放銃する多井を、初めて見た。明らかに、土田ワールドに侵食されている。 東3局3本場。この日の土田はあまり好調とは言えない。少なくとも、本人はそう思っているだろう。だから、それを修正するための、仕掛け(鳴き・リーチ)を多用しているのだと思う。おそらく、麻雀の本質に近いものとは破壊と構築を伴う修正なのかも知れない。となると、2連続放銃の多井も修正を仕掛けてくる。8巡目にリーチ。 土田の追いかけリーチを受けるが多井が 東4局。1回戦が抜け番の阿部になかなか手が入らない。毎局のように、我慢した手組を強いられている。しかし淡々と、それでいて粘り強い打ち筋が阿部の魅力である。この局も確実に牌勢を積み上げている。流局になったが、南家、阿部の最終形。 河野のリーチを受けて粘る。いつか、爆発の予感。しかし、残念ながら、このハンチャンではそれは訪れなかった。 南1局1本場。土田にギャラリーびっくりの手牌が入っていた。土田の4巡目の手牌がこれ。 スーアンコまで見えるイーシャンテン、ましてやアンコの 同巡、多井が追いかけリーチ。 これは、河野のアガリを阻止するのが目的のリーチだ。土田は2軒リーチに全部向かう。阿部は完全に受ける。きっとリーチをした方が不安になるくらいの状況。阿部の手牌に河野のマチの 南2局。ドラ 南3局1本場。ドラ 南4局2本場。オーラス時持ち点が河野36,600・土田30,400・多井30,400。供託のリーチ棒が2本ある。1回戦に続き、またしても接戦。河野のテンパイが5巡目。 定法通りにヤミテンに構える。多井も6巡目に 2回戦結果 河野 +26.8 土田 +5.4 多井 ▲7.8 阿部 ▲24.4 3回戦
並びは親から古久根・多井・土田・阿部(抜け番は河野)。 東1局。やっと、阿部に手が入る。丁寧にまとめて9巡目にドラ切りリーチ。 2巡後には親の古久根が追いかける。 ここまで、見せ場のない2人の対決だが、勝負はつかず、流局。 東1局1本場。親の古久根が7巡目に 先取点を奪った形。 東2局。8巡目、親の多井がイーシャンテンでツモッたドラをアンカン。プレッシャーをかける。ドラのカンツをさらすだけに、次巡当然のようにリーチ。 手にならない土田と阿部は受けにまわる。古久根が果敢に捌きに行く。阿部の 土田が古久根に打って2,000点。いわゆる「差し込み」緊急避難の手筋で逃げた感がある。多井の待ち牌である 東3局。全員の手が重い。終盤土田が親番維持の片アガリテンパイ。 古久根もテンパイした土田の 東3局1本場。ドラ 東3局2本場。阿部の7巡目。普通にタンピンサンショクまで望める手牌。テンパイへの受け入れ牌種は 普通はどうするのだろう。阿部の選択は打 東4局。多井が動く。 土田がチャンタ模様で仕掛け返し、流局。 南1局1本場。親番の古久根が6巡目にリーチ。 親番主張のリーチだ。ほどなくツモって連チャン。 南1局2本場。ドラ 南2局4本場。土田が6巡目から仕掛ける。 から 南3局。9巡目に古久根がリーチ。 土田も遅れてテンパイするが、マチが古久根の現物なのでダマる。すぐに、阿部から出てピンフのみは1,500点。南場になってジャブの応酬である。ジャブは古久根や土田のイメージにそぐわない感があるが…。ジャブの打てないボクサーにノックアウトパンチが打てるわけがないように、1ハン手がアガれない麻雀打ちにマンガン・ハネマンはアガれないのかもしれない。 南3局1本場。2巡目に古久根が 新ドラがトイツのタンピン含みのリーチ。ジャブの応酬から、一転、3者で足を止めてのノックアウトパンチの打ち合いだ。古久根のテンパイ打牌で多井がアガる。多井のアガリがこの形。 ウラドラが 南4局。トップ目の土田が4巡目から仕掛ける。 の手牌からペン 点数的にではなく、どよめきの起こるアガリでトップを決めた。 3回戦結果 土田 +29.6 阿部 +4.1 多井 ▲9.3 古久根 ▲24.4 4回戦
並びは親から阿部・古久根・土田・河野(抜け番は多井)。 東1局1本場。河野が6巡目リーチ。 親の阿部がション牌のドラ 体勢に感触を得たかのよう。河野が 河野が一発で高めの 東2局。またしても土田が宇宙流。3巡目の そしてその捨て牌は ダブ東ドラの7,700にササる。河野にしてみれば2局続けて、不幸のドラマが訪れた。1回目の不幸を呼ぶドラマの主役は土田であり、2回目の主役は古久根である。しかし、両方共に作・演出は土田なのだ。 東2局1本場。土田の後ろ側、阿部の対面で観戦していた。5巡目に阿部がション牌の は1,000-2,000。 東3局。阿部が5巡目に やっぱりネ。 東4局、阿部の手牌、8巡目。 阿部に流れが来たのか、そう思っていると阿部のツモ切り メンチンタンヤオは12,000。まったく油断も隙もない人だ。阿部にとっては「好事魔多し」といった感じか。 南1局。東場で傷を負い、持ち点がわずか7,500に追い込まれた河野がマンズのメンホン指向の捨て牌。ドラ 局後に聞いた阿部のコメントだ。これにハマったのが古久根。マンズのホンイツ仕掛けの古久根、直前の 南1局1本場。傷ついた野獣、河野が4巡目のリーチ。この時点での持ち点は、阿部38,700・古久根35,200・土田38,600・河野7,500。ラス目のリーチに、競り合う他の3者は戦えない。時間はかかったが河野が14巡目にツモ。 ウラドラ 南2局。全員の手が重い。1番最初にテンパイしたのが古久根。牽制の意味合いもあり、リーチと出る。 その時、河野の手牌は しかし、アガったのは阿部。 古久根がロン牌を持って来てしまう。 南3局。7巡目に、阿部からリーチ。ダウンを奪ったボクサーが一気にノックアウトを狙ってくるかのよう。リーチの2巡後にはツモ。 南4局。着順は変わらないが古久根がヤミテンで河野から1,000点。終局となった。 4回戦結果 阿部 +29.8 土田 +5.5 古久根 ▲11.1 河野 ▲24.2 5回戦
並びは親から阿部・多井・古久根・河野(抜け番は土田)。 じつは、このテンパイ以前10巡目に北家の河野がテンパイ。 受けは苦しく、役はなく、ドラもない。そのうちに古久根の仕掛けを受けてしまった。いつでも受けに回ってテンパイをはずす時がきそうだ。13巡目に河野の手牌に ハイテイツモドラドラは2,000-4,000。8枚めの 東2局。配牌4トイツの西家河野が、3巡目にトイツを重ねてテンパイ。 マチを探っている。ドラ 古久根の 東3局。5巡目に多井がドラの 案外苦しい形だ。しかし、古久根の最終形がこれ。 テンパイすると打たされる形だった。 東4局1本場。4者の手が重く、親の河野の一人テンパイで流局。 東4局2本場。河野が親番主張のリーチ。 同巡多井が追いかけリーチ。 2巡後、河野がツモって1,000オールの2本場。 東4局3本場。重い手牌を抱えて打ち進む中で親の河野が14巡目のチーテン。 タンヤオ系に見える仕掛けで、 東4局4本場。連チャン中の河野が手牌を目一杯に広げテンパイ即リーチ。 しかし、この局では、戦いを挑むチャレンジャーがいた。南家の阿部は河野のテンパイ以前にヤミテンを張っていたが、河野のリーチを受けて追いかける。 サンショク手替わりマチと親落としの意味合いでのヤミテンだったが、親がリーチなら、堂々と戦う。しかし、流局。 東4局5本場。7巡目に阿部がチーテン。 珍しい阿部の仕掛けだ。対局後観戦の土田がこの牌譜を確認していた。おそらく土田にしても、阿部の仕掛けが気になったのだろう。多井が8巡目にリーチ。 河野も追い付きダブ この局は多井の 南1局。親の阿部の手牌が3巡目 ドラのポンテンに備えつつ、サンショクも見える。しかしこれが、テンパらない。テンパイ1番乗りは河野9巡目にこのテンパイ ヤミテンピンフで局の進行を図る。そこへ、古久根のリーチ。河野がツモ切りで追いかける。今の古久根との戦いなら、勝算が立つのだろう。阿部も 南2局。阿部が配牌で4枚入った ドラ3枚入りのトイトイサンアンコ、ツモれば当然役満だし、出アガリでもバイマン。もちろん阿部は出アガリなど期待していないだろう。河野がぎりぎりまで押す。 カンドラ入りチートイツのテンパイを入れるが、ツモ 南3局。ドラ 南3局1本場。ドラ 南4局。ドラ 阿部の連勝になった。 5回戦結果 阿部 +38.5 河野 +25.4 多井 ▲23.0 古久根 ▲40.9 第1節総合成績 土田 +69.2 阿部 +48.0 河野 +37.8 多井 ▲42.9 古久根 ▲112.1 最後に
1人の観戦者として、言いたい放題の観戦記になった。少しでも、臨場感が伝わってくれれば、と思っている。そのため5回戦全61局をすべて紹介した。 麻雀の見方は人それぞれだ。見る人の雀力によっても、見方が違う。極端な言い方をすれば、生き方によっても麻雀の見方は変わってくる。 打ち手のレベルが高いほど、その意思が対局に現れる。実際の勝ち負け以外の部分にも充分な見どころがある。 そして、第1節の結果は途中経過であり、今後どうなるのかは、誰にもわからない。 見どころ満載ですから、観戦者ご自身の見どころを探しに、どうぞ実際にご観戦ください。 そして第2節以降をお楽しみに!! 文責 真下修
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第1期RMUリーグ第1節レポート
