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選手名 |
合計 |
1回戦 |
2回戦 |
3回戦 |
4回戦 |
1 |
阿部孝則 |
84.7 |
30.0 |
46.6 |
12.2 |
▲4.1 |
2 |
河野高志 |
▲9.6 |
18.9 |
18.9 |
▲10.9 |
▲36.5 |
3 |
藤中慎一郎 |
▲25.4 |
▲35.1 |
▲21.9 |
23.6 |
8.0 |
4 |
多井隆晴 |
▲49.7 |
▲13.8 |
▲43.6 |
▲24.9 |
32.6 |
■5節目までの合計
阿部孝則:194.6
河野高志:32.6
多井隆晴:▲24.3
藤中慎一郎:▲213.9
8/28(土) 第2期RMUリーグ 第5節が行われた。
私が会場に到着した頃には、対局者4名は談笑しており、
決戦前といった雰囲気は全くなく、どこか余裕が感じられた。
私も一頃に比べれば対局前に話す事も平気となったが、
以前はリーグ戦前はなんとなく話しかけられるのが嫌だったような記憶がある。
硬くなりすぎないよう、程よい緊張感を保ちつつ対局に望めるようになると、
打ち手としてはひとつレベルアップできたと言う事になるのかもしれない。
さて、前節までのポイントだが、
阿部 +109.9
河野 +42.2
多井 +25.4
藤中 ▲188.5
藤中が大きく遅れをとっている。
他の3名に比べ極端に雀力が劣るわけではないと思うのだが、
これほどの差がつくのはどんな原因があるのだろうか?
今日を含め、残り半荘24回。
そろそろ挽回していきたいところだ。
1回戦の東3局、親の多井がドラ8ピンと白がトイツの配牌をもらい、順調に育てる。
白、8ピンと暗刻にし、9マンを切って7マンと1ソウのシャンポン待ちに取る。
もちろんダマテンだが、ツモれば三暗刻、6000オールの大物手だ。
次巡、多井は9マンを引いてツモ切り。
一度はシャンポンに取ったものの、ここで7マンを切ってカン8マンに受ける手もある。
多井の目からは7マンが2枚、9マンが3枚見え、8マンは相当使いにくい牌である。
とはいえ、多井の手もタテに寄ってきており、
他家に8マンがトイツ、暗刻で持たれていても全くおかしくはない。
相当、微妙な選択である。
結果は河野と阿部から8マンを一枚ずつ打たれ、河野がリーチ。
直後、バラバラの配牌を素晴らしい打ち回しで三色手にまとめ、阿部もテンパイ。
三者の対決は多井のツモ切りを捕らえた阿部に軍配。
この局が序盤の大きなヤマとなり、アガった阿部には好調の波が押し寄せ、
アガリを逃し放銃となった多井は、常に守勢に回らざるを得なくなった。
その後を見ていると手牌が動き好調なのは阿部、河野で、
反対に多井、藤中は厳しい。
この日は全体的に2:2の構図で進んでいった。
そして、2回戦。
阿部の好調を象徴するかのような局がこれ。
1223455666779 ツモ3(全てピンズ)
アガリに至るまでに何枚ピンズを引いたか覚えていないが、
すごい寄り方だったのは確かだ。
さて、待ちをどう取るか。
情報は下家の河野が3巡目に8ピンを手出ししているくらいで、
ピンズの内側は悪そうである。
ちなみに直前に河野が西をトイツ落とし後、阿部の東をポンしている。
A.打9ピン 567ピン待ち
B.打25ピン 8ピン待ち
C.打7ピン 8ピン待ち
D.打6ピン 9ピン待ち
情報が少なすぎて、判断が難しいかもしれないが、正解はAとC。
BとCは待ちは同じだが、何を打つかにより結果が大きく違う。
打25ピンだと河野に1000点の放銃となる。
やはり同じ待ちに取るなら、3巡目の打8ピン、
その後の西のトイツ落としを見て7ピンを切るべきだろう。
阿部は長考の末、平面的には一番無難に思えるAを選択した。
すぐに8ピンを引き、一回はアガリを逃した形になったが、
好調の阿部はそれでも数巡後に5ピンを引きアガった。
この間に河野は7ピン、6ピンと引かされ、回っている。
この後も阿部は安定した強さを見せ、プラスを84.7積み上げた。
5節終了時点で2位の河野に160P近くの差を付け独走である。
私は第1期のRMUリーグ最終節のレポートも担当させて頂いたが、そこにこう書いた。
「強者の戦いにおいて一つのミスは命取りとなる」と。
その観点で行くと、やはり安定感抜群で大きなミスが少なく、
ポイントの状況から考えても優勝の最右翼は阿部である事は間違いない。
心配なのは藤中である。
大きなミスを連発するわけではないが、前に出る局面が本当に少なく、
「戦えていない」ように思える。
対局終了後にも本人と色々話したが、
藤中の実績を考えると本来の実力、持ち味が出せているとは思えない。
ヤケになれというわけではないが、開き直っての「重戦車」が見たいところだ。
中間地点を折り返し、阿部の独走状態。
だが、ここまでの5節と残りの5節は全く違うものになるはず。
後になればなるほど、阿部には厳しい展開になるはずだ。
河野、多井、藤中がいかに阿部を追い詰めるか、
阿部がどのように凌いでいくか、
非常に面白い物が見られるだろう。
次節は10/16(土)になります。
ぜひ、柳・勝どき店まで足をお運びください。
文責 鈴木智憲