2010クラウン準決勝レポート

クラウン特設ページ

前日の本戦の熱気が冷めやらぬ中、
「柳勝どき店」で第4期RMUクラウンの準決勝が行われました。
(以下敬称略)

ここまで駒を進めたのは、RMUでは東京は私を含めて2人、RMU長崎が3人。
今回多くの参加を頂いた友好団体のプロの中から、最高位戦や棋士会、麻将連合から総勢4人。
それ以外でも劇画原作者の来賀、
RMUタイトル経験者の平山(第2・4期オープンリーグ)、
山谷(第1期RMUクラウン)など、今期を象徴するような多彩な顔ぶれの15人。
ここに前期優勝者の古久根英孝プロが加わり、ベスト16の戦いが始まりました。
ではその模様を、順番に紹介していきます。

なお、筆者もトーナメントに参戦していたこともあり、
私の卓以外の様相は立会及び観戦していた、
多井、藤中両プロの観戦メモ等を元に構成しています。

(1卓)
古久根英孝(前年度優勝者)、来賀友志(劇画原作者)、
山崎智彦(一般)、浜崎悠(RMU長崎)

(勝ち上がり順位順、以下同じ)

古久根、来賀が激突する注目卓、
来場していた土田プロ、阿部プロ、多井プロをはじめとする多数のギャラリーの中で行われた。
しかし、戦いはそのギャラリーの多くが想像していなかったであろう展開に。

1回戦、浜崎が親番で、

 リーチツモ アンカン ドラなし

果敢にリーチして高目をツモっての6,000オールを皮切りに、

 リーチ一発ツモ ドラ

ドラアンコリーチを一発ツモで6,100オール。

 リーチロン ドラ

またもドラアンコリーチ、が切れていることもあって12,600の出アガリ。
この3連続攻撃でいきなり8万点オーバーとなり、特大トップ。

(1回戦)浜崎+72.1 古久根△5.3 来賀△25.4 山崎△41.4

早くも1席決まった感のある中、続く2回戦でも、東2局で

 ロン  

この8,000をアガると、次局の親番では、

 ドラなし

3巡目リーチで一発ツモ
この4,000オールでさらに畳み掛ける。

結果、浜崎が連続トップで当確。

(2回戦)浜崎+47.6 古久根+1.9 山崎△18.4 来賀△31.1
(小計) 浜崎+119.7 古久根△3.4 来賀△56.5 山崎△59.8

こうなると焦点は2番手争いになるのだが、
上記のようにこの2戦を連続2着で踏み止まっていた古久根が、
他の2人に50ポイント以上の差をつけており、
ここから更なる波乱は起きることなく、古久根が3回戦トップで終了し、2番目の席を確保。

(3回戦)古久根+28.1 浜崎+14.3 山崎△15.6 来賀△27.8
(合計) 浜崎+134.0 古久根+24.7 山崎△75.4 来賀△84.3

(2卓)
白石温郎(RMUアスリート)、近藤誠一(最高位戦所属プロ)、
山谷克也(第1期クラウン優勝者)、宮田信弥(RMUプロB級)

2人残ったRMU(東京)アスリート同士がぶつかったこの卓、先制したのは近藤であった。
親番で連チャンして45,000くらいになって親が流れたところで、さらにチャンス手が入る。

   ドラ

ここで白石からリーチがかかり、数巡後をアンカン。
直後に役なしのをツモって安全牌のをトイツ落とし。

そして終局寸前、

「ツモ、2,000-4,000」

 ツモ   ドラ

ハイテイでツモって満貫のアガリに。
実はこの直前、近藤の上家の白石がツモ切ったを私がポンすれば、
ハイテイは山谷に流れてこのアガリはなかったのだが、
私の手がリーチと仕掛けに共通で通る牌がなく、鳴けなかったのである。
私はというと、近藤の連チャン中にトイツ寄りの手が多く、
役牌のトイツが2組あったりドラドラがあったりで仕掛けていくことが多かったが、
選択ミスなどがあってものにできなかった。

そして、完全に他3人の2着争いになったラス前、南家で、

 ツモ   ドラ

近藤の親リーチが入るも、がアンコになって、
の単騎選択をやっと成功させ、なんとかツモアガって2着を確保。

(1回戦)近藤+37.9 宮田+6.0 白石△16.3 山谷△27.6

2回戦も1回戦と同様に近藤が先行。
私はというと、2局連続で第1打に切った牌を、
2,3巡目に引いてきてのアンコカブりという牌の来方をしており、
もう2番手争いしかないかと思っていた南1局。

 ツモ ドラ

シュンツ手よりもコウツ手を志向してを切ると、親の白石からリーチが入る。
直後に引いたを切れずにアンカン、さらにツモでテンパイしてダマ押ししていると、
山谷が追っかけリーチ。
するとを引き戻す。
白石の河にはリーチ直前にと並べられており、
はいかにも切りづらい。山谷にはどちらも通っていないが、
親に放銃するよりはと思い、を切って追っかける。
しかし、その直後に白石がツモ、
やっぱりと思ったらのシャンポン待ちで、裏も乗って6,000オール。

その1本場、山谷が中盤にリーチ。
私はその前から役牌アンコのカンチャン待ちのテンパイを入れていたのだが、
近藤の2軒目リーチを受け撤収。そして、

「ツモ、4,000-8,000は4,100-8,100」

 ツモ ドラ 裏8

こんな形。
ドラが・img src=”/img/pai/ura.gif” width=”24″ height=”32″>1個ずつ乗ったため、倍満である。
実はこれ、私が一発目にの形にツモで、
形を維持するために山谷の3巡目のを見てを切っているのを見逃しており、
フリテンツモである。
この時点で白石が5万点を超えていて、近藤も原点を超えている。
逆に、私は2万点ほどで山谷は1万点ほどしかなく、
私から8,000をアガれば3着目には浮上するが、
おそらくこの状況下でこのチャンス手を、
私からの8,000で終わらせるのはもったいないとばかりに勝負に行ったのだろう。

しかし、この勝負手を実らせても、
二の矢が放てずに大勢に影響を及ぼせないあたりが山谷にとって辛いところ。
私はラス前の親で少し回復させ、3着目の山谷に600点差まで迫ったところでオーラス。
山谷の親番なのだが、2着目の近藤が早々にリーチ。
700,1300以上なら3着浮上だが、現物のない私は迂回しながら手を進め、

 ドラなし

このイーシャンテン、近藤が上家でリーチ後にを切っているので、
次に切ってくれれば仕掛けてテンパイを入れてラス抜け狙いというところで、
今度は山谷からリーチが。
どうしようかと思っているうちに近藤がツモって500-1,000。
山谷がリー棒を出したことで、私が3着に浮上して終了。

(2回戦)白石+29.6 近藤+7.9 宮田△13.3 山谷△24.2
(小計) 近藤+45.8 白石+13.3 宮田△7.3 山谷△51.8

3回戦、現実的な条件は白石と1万点強の差をつけること。
起家スタートだったが、近藤にチートイツのみの1,600で親を流される。

しかし、その直後、

   ドラ

近藤からが出て、まずは自分が浮くのが先決とばかりアガることに。

さらに東3局、西家で、

  ドラ

ここにを引いてくる。
しかし、ドラトイツを落としてまでホンイツにしても点数は同じだから、
役牌トイツは1つでよく、よりの方が出そうなのでをトイツで河に並べる。
すると、を引いてテンパイした直後に近藤がを切って8,000のアガリ。
これで、冒頭の条件だけでなく、近藤とトップラスで23,100差という条件も見えてきた。
しかし、南場の親番でまだ3シャンテンの段階で白石からリーチが掛かり、数巡後、

「ツモ、2,000-4,000」

 ツモ

安目だったが裏が乗り、満貫の親カブり。
ツモられる直前に、と持っているところに引いてきて手元にあったを見て、
「これをツモ切っていたら2,600でよかったのか」とはさすがに思えない。

続く南2局、

 ツモ ドラなし

2枚目のも鳴かずにこのテンパイ、場にはも1枚見えているのでを切ってリーチ。
トップ目の白石から出てラッキーと思ったが、裏も無しの3,200ではまだ届かない。
これで焦ったのか、ラス前に近藤の仕掛けに対応して食い下げたドラので、
ダブアンコのシャンポン待ちの8,000に放銃してしまい万事休す。

オーラス、1局勝負の倍ツモ条件で、

 ドラなし

このイーシャンテンまで行くが、最後は白石がアガッて終了。
東京アスリート対決は白石に軍配が上がった。

(3回戦)白石+28.3 宮田+4.3 近藤△10.6 山谷△24.2
(合計) 近藤+45.8 白石+13.3 宮田△7.3 山谷△51.8

(3卓)
三上龍玲(麻将連合所属プロ)、今田裕一(RMU長崎B級)、
鈴木悟(棋士会所属プロ)、渡辺洋香(最高位戦所属プロ)

まずは三上が東場で突き抜け、5万点を越すトップで先行する。

(1回戦)三上+36.9 鈴木+9.9 渡辺△17.4 今田△29.4

続く2回戦、東2局の鈴木、14巡目に、

 ツモ ドラ

ここからが1枚、が3枚見えているからかを切った。
すると、次巡ツモで、3巡後にツモ
結果的に満貫をアガリ逃がしたかと思ったが、
17巡目に1回戦トップの三上がを切って満貫のアガリに。
ここから三上がラスになり、トップは1回戦ラスの今田。これで一気に平たくなった。

(2回戦)今田+31.9 鈴木+5.2 渡辺△8.0 三上△29.1
(小計)鈴木+15.1 三上+7.8 今田+2.5 渡辺△25.4

平たくなったことで、上3人は今田に多少条件はあるがほぼ着順勝負、
渡辺は4万点くらいのトップに加え並びを作る必要があったのだが、
自分の対局が終わって見に行った時には、もう鈴木、三上が大きく抜け出していた。
オーラス、渡辺が連チャンして時間いっぱいまで粘るが、渡辺、今田に逆転手は入らなかった。

(3回戦)鈴木+31.8 三上+13.7 渡辺△15.5 今田△31.0
(合計) 鈴木+46.9 三上+21.5 今田△28.5 渡辺△40.9

(4卓)
野村祐三(RMU会員)、伊井克史(RMU長崎B級)、
冨村有平(一般)、平山友厚(RMU会員)

1回戦はジリジリとした小場の展開だったが、実力者平山が制してトップ。
こうした展開は得意とするところか。

(1回戦)平山+26.4 伊井+4.5 野村△9.2 今田△21.7

2回戦、先ほどトップの平山が、

 リーチツモ ドラなし 裏

高目をツモって裏も乗せて3,000-6,000。

最後は野村にまくられたが、2着をキープしほぼ当確と言えるポジション。

(2回戦)野村+23.8 平山+10.9 冨村△9.8 伊井△24.9
(小計) 平山+37.3 野村+14.6 伊井△20.4 冨村△31.5

3回戦、下位2人は野村と2着順差はつけた上で点差に条件が必要で、
途中までは伊井がそれを満たしていたようだったが、
最終的には最後まで攻撃の手を緩めなかった平山がトップ、
野村は厳しい状況から押し返し、ラスでトータルもマイナスながら2番手に滑り込んだ。

(3回戦)平山+23.8  伊井+6.5 冨村△7.3 野村△19.1
(合計) 平山+57.2 野村△4.5 伊井△13.9 冨村△38.8

こうしてベスト8が出揃った。
僅かな休憩を挟んでまた新たな戦いへ臨む8人。
ベスト16の順位によって決まった卓でその開始を待つ。

~ベスト8~

(2卓)
古久根(1卓2位)、白石(2卓1位)、三上(3卓2位)、平山(4卓1位)

ここでは、進行が早かった2卓から紹介していきます。
1回戦、いきなり三上の先行リーチに白石が追いかける。
結果は三上が白石から3,900出アガリ。

2連続流局の後に平山が、

 リーチツモ ドラ

この満貫ツモで供託2本と積み棒を回収。
これが決定打となり逃げ切る。

(1回戦)平山+28.1 三上+8.4 白石△10.0 古久根△26.5

2回戦、白石がタンヤオドラ1の先制リャンメンリーチをかけるが、
親の平山が単騎でチートイツのリーチ、これを一発ツモで4,000オール。

親が流れた後、平山が、

 ドラ

ここから、平山にしては珍しくから仕掛けて単騎のテンパイに取る。
しかし、この鳴きが下家の親の古久根のリーチを誘発してしまい、
さらにリーチ後に古久根がツモ切ったを見てどう思ったか。
しかし、リーチ後に引かされた単騎に変えたところ、
が4枚見えた瞬間にをツモってかわす。

東3局、白石のリーチに平山がイーシャンテンから一発で満貫(メンピン一発ドラ)を放銃すると、
続く東4局は、

 ドラ

この2シャンテンからと引いてテンパイ。
どちらかというと嬉しくない部類のテンパイ形だが、ダマに構えた次巡ツモって700-1,300。
終了後、ダマの理由を尋ねたところ、
テンパイの入り方よりも前局マンガンを放銃した白石の親落としを優先させたとのこと。

平山は、南1局にドラアンコのリーチが不発に終わると、
その次局、白石のタンピン三色リーチと、
古久根の仕掛け(白石の切ったをポンして一色手模様)にはさまれ、

 ツモ ドラ

でテンパイの取れる形だが、のアンコ落としで撤収。
結果的にを押していれば直後に白石がつかんだでアガれていたが、
無理せずここを2着で終えることが出来れば決勝はほぼ当確という大局観に基づいた判断である。
結局、この半荘も平山が逃げ切り、1つ目の椅子をほぼ確実なものにした。

(2回戦)平山+22.1 白石+7.9 三上△5.4 古久根△25.6 供託1.0
(小計) 平山+50.2 三上+3.0 白石△2.1 古久根△52.1 供託1.0

3回戦を残して、平山が落ちる可能性も古久根が通過する可能性も残ってはいるが、
大方は三上と白石の着順勝負。

一進一退の攻防が続く中、東3局に三上が、
の形から、を切っての単騎のチートイツでリーチ。

ところが、このは白石にトイツ、古久根にメンツで使われていてすでに純カラ。
白石から出ることはなく、逆に古久根にの3メンチャンで追いかけられては勝負あり。
結局でメンタンドラ1の5,200放銃。

続く東4局、白石の待ちのシャンポンリーチに対し、
ピンズが安くなって前に出ていた古久根がで放銃、裏1枚で2,600。

南場に入り、白石はノーテンで親を流してしまう一方、
続く南2局1本場で三上はとドラのシャンポンでリーチをかけ、
平山がで放銃し12,300となって白石を逆転する。

同2本場、白石の、

 ツモ ドラ

ドラペンチャン待ちリーチは不発に終わったが三上の親は流れる。

南3局3本場は平山に連チャンの意思はなく、
16巡目に南家の古久根がツモりサンアンコのリーチをかけるがこれも不発。

そして南4局4本場、逃げる三上と追う白石との差は6,200。
白石が点数を確認し、後ろで私も計算する。
その条件は、3,200出アガリ、700-1,300ツモアガリ、三上からの直撃のいずれか。

しかし、勝負はあっけなくついた。
白石が5巡目に条件を満たすリーチ。

河:

手牌: ドラなし

古久根が1枚切っていて2枚残り。
誰も使ってなさそうで、結局古久根から出て、

「ロン、3,200は4,400」

これで三上を200点上回り、決勝進出を決めた。

(3回戦)白石+19.7 三上+9.5 古久根△0.6 平山△28.6
(合計) 平山+21.6 白石+17.6 三上+12.5 古久根△52.7 供託1.0

(1卓)
浜崎(1卓1位)、近藤(2卓2位)、鈴木(3卓1位)、野村(4卓2位)

野村が開始早々の浜崎の先制親リーを、仕掛けての1,000点でかわすと、
次局は近藤のドラ単チートイツの先制リーチ相手にダマ押しして、

 ツモ ドラ

この満貫ツモ。

続く東3局、またも近藤が、

 ドラ

この先制リーチをかけるが、これに対し親の野村が、

 ドラ

このイーシャンテンになってを切り、次に引いてきた4枚目のもツモ切り、
次巡を引いてを切って追いかける。
結果をつかんで放銃となるが、戦えている気はした。

しかし、別卓を見ていたところ、多井からメモが。
それによると、東ラスで、

普通なら迷わない形だが、
がフリテンであることから出アガリの利くノベタンに受けたところ、
次のツモがでアガリを逃す。
これが敗因にならなければいいが…。
というもの。そして南2局、

野村

 アンカン

浜崎

この2軒リーチがぶつかる。
親の鈴木も仕掛けて、

    ドラなし カンドラ

2人の争いに割って入る。
この仕掛けで野村がつかむはずだったが立て続けにベタオリの近藤に流れ込み、
助かったのかなと思っていたが、結局野村がをつかんで親満となる。

このまま1回戦は鈴木がトップ、野村は3着まで落ちてしまう。

(1回戦)鈴木+29.9 浜崎+2.2 野村△9.7 近藤△22.4

2回戦は小場で進む中、東4局で親の近藤が、

 ドラ

三色含みで先制リーチ。
が4枚見ているがソウズが全体的に安く、が2枚にが1枚見えていて良さそう。
しかし、このリーチにを切って追いかけてきた西家浜崎。

 ドラ 裏

こちらの方がさらによく、一発ツモで3,000-6,000。

結局、この半荘はほぼ浜崎と近藤だけがアガる展開で、南4局2本場が最終局。

親:近藤40,500、浜崎36,100、鈴木24,600、野村18,800

南家の鈴木がリーチ。

 ドラ

満ツモだと3着のままだが、ハネツモだとトップまで行くので当然のリーチ…、
ではあるのだが、待ち自体が見た目そんなにいいわけではなく、
上2人から出たら2着に浮上すること、
1回戦がやや大きめのトップだったことを踏まえれば、
ダマにして8,000の確率を上げる選択肢もあるにはあったか。
実際は、野村がすぐに追っかけリーチ。

 ドラ

その宣言牌を近藤が鳴くと、
野村がすぐにつかむはずだったが近藤に食い下がり、2人テンパイで終了。

(2回戦)近藤+24.0 浜崎+9.6 鈴木△9.9 野村△25.7 供託2.0
(小計)鈴木+20.0 浜崎+11.8 近藤+1.6 野村△35.4 供託2.0

野村は5万点くらいのトップが必要そうで、
それを満たせない場合はほぼ等間隔の3人の勝負。
鈴木、浜崎は他の2人との着順勝負、近藤は並び次第となった3回戦。
起家の野村はテンパイ出来ず、東3局では鈴木に5,200放銃してここまでかと思ったが、

東4局・北家
 リーチ一発ツモ ドラ 裏なし

ドラペンチャンを一発ツモで満貫。

南1局・東家

 リーチ一発ツモ

またも一発ツモ、ドラ1枚で4,000オール
この一発ツモ2連発で4万点を超え、通過の可能性が現実的になる。

その後は鈴木が1,000-2,000をアガった以外は重い展開が続いたままオーラス(2本場)。
卓外の私ですら野村の条件を完璧に把握するのに時間がかかるくらい微妙な状況。
その確認に時間が掛かったこともあって2本場の途中でタイマーが鳴るも、この局も流局。
しかもその時点では一番余裕があった近藤が1人ノーテンでさらに複雑になって、
迎えた最終局(南4局3本場)、状況は、

  (2回戦まで)(素点)(順位点)(合計)
鈴木 +20.0   △ 4.1  +5  +20.9(親)
近藤 + 1.6   △ 4.7  △5  △8.1
浜崎 +11.8   △ 5.0  △15  △8.2
野村 △35.4   +11.8  +15  △8.6
供託  2.0     2.0       4.0

上3人はどうアガってもいいが、放銃したら敗退、ノーテンでも敗退濃厚である。
一見有利に見える鈴木にしても、ツモられて親カブリでラス落ちしたら敗退となる。
野村は満貫以上ならどうアガってもいいが、
それ未満の場合は浜崎以外からは出アガリできないし、
ツモれるのは700-1,300までか1,500-2,900以上…(現実的には1,600-3,200)、
なんて計算をしている間に鈴木が取った配牌がすごい。

 ドラ

なんとピンフのテンパイである。
これはすんなり決まると思ったが、
出やすいがドラということもあってなかなか姿を見せない。
途中、を引いたところで一色手に移行もできたが、
と入れ替えただけでただひたすらを待つ。
そのは、配牌から野村に1枚ポツンと浮いていたが、
満貫条件一心の野村からは出てこない。
やがてドラは重なり、さらにはアンコになって、ついには、

 ツモ ドラ

鈴木の欲しいを引いてテンパイ、野村最後の決断は切りリーチ。
これを浜崎がポンして、形テンを取る。
もう全員が突っ張るしかない中、
このポンで浜崎に行くはずだった最後のが野村の元へ行き、当然アンカン。
このアンカンで浜崎にハイテイがまわる。
ハイテイツモでアガリだったら勝ち抜けだったがアガれず。
決勝進出へ一縷の望みをつなぐためには、
テンパイ維持のためにアンコのか、のターツのどれかを選択しなければならない。
浜崎が選んだのは野村へ放銃となるだった…。

(3回戦)野村+41.7 鈴木+0.9 近藤△9.7 浜崎△32.9
(合計) 鈴木+20.9 野村+6.3 近藤△8.1 浜崎△21.1

こうして、決勝進出の4人が決定した。
この4人では、格・実績ともに平山がダントツであろう。
しかし過去のRMUクラウン決勝では、格上の者がやや苦戦傾向にある。
この4人がどういった戦いを見せてくれるのか、10月23日の決勝が楽しみである。

(文責 宮田信弥)