2011クラウン準決勝レポート
クラウン特設ページ2011クラウン準決勝風景
10月11日、 第5期クラウンの準々決勝、準決勝が行われました。システムは同一メンバーと半荘3回 行い、4人の内2名が勝ち上がるトーナメント方式です。

準々決勝の組み合わせは下記のとおり。

1卓
平山友厚(前年度優勝者RMU会員)
荒井奈央(一般)
三ヶ島幸助(最高位戦)
仲川翔(RMU B級)

2卓
山下健治(RMU B級)
金子美善(一般)
三上龍玲(麻将連合)
谷崎舞華(最高位戦)

3卓
大関忍(最高位戦)
外山淳一郎(一般)
内田良太朗(RMUアスリート)
野村祐三(RMUアスリート)

4卓
阿部孝則(RMU S級)
北島路久(RMUアスリート)
多井隆晴(RMU S級)
岩沢和利(101競技連盟)

1卓では予想に反して、プロ二人と前年度優勝している平山を相手に、一般参加の荒井が
女性ながら堂々とした打ち廻しで1位通過。平山が前年度優勝の意地をみせて、プロ二人に競り勝ち2位通過を勝ち取る。

2卓では、1回戦と2回戦の着順が全く逆になり、3回戦開始時には、4者の差がほとんど無く、
最終戦の着順勝負となる。終始安定した打ち廻しをしていた谷崎が一位で通過、2位には危ういながら山下が滑り込む展開となった。

3卓では、2卓とは逆に2回戦終了時には、内田、大関の両者が野村、外山に60ポイ近く差を付け両者の勝ち上がり濃厚と思いきや、
3回戦で野村が大爆発、親の大連荘で9万点近くのトップを取り大逆転。大関が野村の大爆発に飲み込まれ敗退となってしまう。

4卓では、S級同士の対決で注目を集めたが、多井が絶好調で他者に反撃の隙を与えない。
2連勝で迎えた3回戦も3着目で迎えたオーラスの親、流局で通過にも関わらず、
阿部と通過争いをしている北島のリーチに対して真っ向勝負で、
6000オールを引きアガリ3連勝で対局を締めくくってしまう。
多井が絶好調でアガリまくる展開の中、定評のある守備力と少ないチャンスをものにした阿部が2着を死守した。

準々決勝結果

1卓
荒井奈央 +33.7
平山友厚 +31.5
三ヶ島幸助 -24.9
仲川翔 -40.3

2卓
谷崎舞華 +36.0
山下健治 +15.0
三上龍玲 -9.7
金子美善 -41.3

3卓
内田良太朗 +55.6
野村祐三 +36.2
大関忍 -8.3
外山淳一郎 -83.5

4卓
多井隆晴 +93.1
阿部孝則 -19.0
北島路久 -38.0
岩沢和利 -56.0

準決勝組み合わせ

1卓
荒井奈央(一般)
山下健治(RMU B級)
内田良太朗(RMUアスリート)
阿部孝則(RMU S級)

2卓
平山友厚(前年度優勝者 RMU会員)
谷崎舞華(最高位戦)
野村祐三(RMUアスリート)
多井隆晴(RMU S級)

1卓では山下が好調で、2回戦終了時のポイントが下記のとおり、
山下 +35.9 内田 -6.3 阿部 -10.9 荒井 -18.7

山下は一人浮きでかなり有利な展開、他の3人はほとんど差が無く、最終戦の着順勝負となる。
東三局まで内田が着実に加点して4万6千点のトップ目に立つが、
東四局に負けじと荒井が親の満貫をツモアガリ、
同一本場には阿部が満貫をツモり返し混沌とした展開になっていき、
南三局に勝負手がぶつかる。
まず親の阿部が下記の手をテンパイ
ドラ

三色ドラ1のテンパイ。その後をツモリを切り、待ち替えして満貫のダマテンに構える。
内田もドラがアンコのイーシャンテンで押し返す。
どう決着するのか見守っていると、
阿部のマチが変わる直前にすり抜ける様にを切っていた山下からツモの発声、
ツモ

こちらも三色確定の満貫のツモアガリ、山下はこのアガリでラス目から脱し安全圏に、
阿部は苦しい状況に追い込まれる。
最後に親番の残る荒井と内田の対決となるが、内田があっさりとアガリをものにして、決勝の切符を手に入れる。

対局後、阿部に話を聞くと受け過ぎてしまい勝負に出なかった事を悔やんでいた。
準々決勝では持ち前の守備力で勝ち残ったのに、準決勝では逆にその守備意識の高さが、
敗戦の要因になってしまったように思え、麻雀の難しさを垣間見た。

決勝進出者のコメントはこちら

2卓では初戦またもや多井がトップ。
本選の3回戦から続く連勝街道、なんと7連勝である。
2回戦はやっと多井の連勝を止めた谷崎がトップを取りポイントは下記のとおり。

上位と下位にそこそこポイント差があり、上位の二人が優位ではあるが、
追いかける二人も地力があるので、このまま黙っている訳がなくまだまだ荒れそうである。

予想通り序盤は平山、野村の猛攻で二人がポイントを伸ばす。
多井も前半戦の様に高い手が入る訳ではないのだが、技術を魅せ二人の攻めをかわしつつ攻め返し食らい着いていく。
谷崎は防戦一方となってしまい、じわじわと点棒を削られラス目に追いやられてしまう。

ーラスの点棒状況は下記のとおり

平山 40700 多井 34200 野村 31500 谷崎 13600

現状、多井はほぼ当確状態、平山が谷崎を700点まくって2位だがラス親なのでノーテンにも出来ない点差。
一方野村も多井をかわして2着になれば逆転と、3人誰にもチャンスの残る状況である。

先手を打ったのが野村で、ファン牌を二つ鳴きドラ1のテンパイを入れる。

それに受けつつも谷崎がチートイツのテンパイを入れ返す。
平山は先手を打たれて苦しそうである。
そんな中、状況を見守っていれば通過の多井が、
危険牌を河へと切り出しているので不思議に思い手を見ると、

ドラ

満貫のテンパイである。
平山は多井が押し返しているのを見て、
多井もしくは谷崎が野村から出アガリしてくれれば通過の目があると踏んで、
受けながらテンパイを目指す方向にシフトする。
多井の待ちは山に6枚残っていて程なく野村がつかみ放銃で終了となる。
それを見て平山がほっと胸をなでおろすのだが、実は多井の手が高すぎたのである。
多井が平山をまくってトップとなってしまうため、通過は谷崎の逆転という結果になってしまう。

決勝進出者のコメントはこちら

一日観戦していてとにかく今日は多井が強かった印象が残る。
結局6戦5トップという結果。
最後まで緩めることなく完勝といったところか。
ただ、対局後多井が「ここまで調子いいと逆に決勝危ないんだよな」ボソッともらしていた。

もうひとつ決勝での不安要素が多井にはある、確かに強い多井なのだが、不思議と女性に惨敗している光景を目にするのである。
谷崎が残ったことにより本命の多井にかげりが…波乱の予感である。

第5期クラウン決勝レポート

藤中慎一郎
(文中敬称略 文責:藤中慎一郎)