第7期RMUクラウン決勝観戦記 |
過去最大規模の参加をいただいた予選に始まり、2会場をまたいで行った本戦、そして1日で6半荘の熾烈な準決勝を勝ちあがった4人が、この日「ばかんす」に集結した。 そのファイナリスト4人を、準決勝終了時のコメントとともに五十音順に紹介していこう。 石川泰之(B級) 岡澤和洋(長崎A級) 岸部智彦(長崎B級) 平井淳(101競技連盟) 準決勝のレポートにも書いたが、今回のファイナリストは全員競技麻雀歴が長く、濃密な戦いを期待しながら開始を待った。 (1回戦)岸部、石川、岡澤、平井(起家から、以下同じ) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ドラはないが、手なりでいきなり三色が狙えそう。実際は、すぐに三色イーシャンテンになったものの、その後持ってきたドラをツモ切ったら平井にポンされるなどして微妙な感じの中、それでもこの形なら、という即リー。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 高目の ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ここから放銃。裏が その後は岸部のアガリが2,600と1,000、岡澤のアガリが3,900を2回に300-500を1回と、子方の小さめのアガリで局が進む。とはいえ、岡澤はリー棒を2本回収していることもあって、4万点台とそれなりのトップ目になっている。そんな南2局、ここまでノーホーラでラス目の石川が、5巡目ピンフのみ親リーが1人テンパイに終わるも初収入を得た直後の1本場、事件が発生する。 石川の配牌 6巡目、上家岸部の切った中を下家岡澤がポンすると、石川の対面の平井が ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 残り2枚とはいえ これに飛び込んだのが岸部。石川がテンパイする前巡に引いた これで一気にラス目まで落ちた北家岸部、親番もなく焦ったか、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 平井が第1打に切った アガリがあるとするなら役牌が本線で三色になれば、というくらいの配牌だから、1つ鳴くのはまだいいと思うが、ターツすら足りていないところで安全牌候補のアタマをなくす2つ目はちょっとやりすぎの感がある。 幸いなことに、端牌のドラがばらけ、タンピン系の人もいなかったので、積極的に押し返す人がおらずに一人旅ができ、最後の単騎選択はさすがの山読みで700-1,300となったのだが…。 オーラス、終わらせようとしたカン ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() と、条件を満たすリーチをかけるが、親の平井にさばかれ、ダンラスになってしまう。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 石川がアガリ切って初戦を制した。 (1回戦)石川+24.1、岡澤+12.5、平井▲0.7、岸部▲35.9 (2回戦)岡澤、平井、岸部、石川 1回戦トップの石川、7巡目に ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 一応ドラドラだがちょっと使いにくそうなところ、上家から出た ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() この岸部のリーチはなかったが、石川も岸部に流れる 本譜は、スルーした4巡後に3枚目のドラを引き、岸部のリーチを受けた一発目に 山に1枚残り同士の勝負は石川に軍配が上がり、2,000-4,000。 これは石川が乗って行けるかと思いきや、次局、親の平井が3巡目に さらに平井は、1本場の7巡目に ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ピンフドラ1でリーチをかけるが、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 10巡目に岸部にリーチドラ1で追いかけられ、さばきに来た石川の鳴きで平井が掴み、裏裏で8,300放銃と、先ほどとは異なって激しい展開。 と、思いきや、ここからまた3,900以下の細かい応酬となり、気が付くとラス前。トップ目の岸部が13巡目にピンフドラドラのヤミテン、その次巡、石川が2つ仕掛けて追いつく。 待ちは2人とも3枚残りの ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ヤミテンからのマンツモでトップ目に。 オーラスは、岡澤25,900、平井36,000、岸部33,000、石川25,100(親)という状況。1回戦目がやや大きめのラスだった岸部、ここはトップを取りたいところで、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() このドラの浮いたチートイツイーシャンテンから 確かにこの状況だと字牌を押さえる人はいなさそうだが、石川に ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() これをヤミテンでツモって3着を守って終了。 ここの判断は難しいところで、リー棒を出しても着順が落ちないとか、1,300-2,600で2着になるとか、マンツモでトップまで行くとかといったように、少し条件が変わればリーチという選択もあったように思う。 一方の岸部、手中に浮いている ちなみに、冒頭の手から鳴かないでチートイツに決めた場合、2巡後に (2回戦)平井+20.3、岸部+7.3、岡澤▲6.4、石川▲21.2 (3回戦)平井、岸部、石川、岡澤 状況は、上3人はまだ一線に近いが、1人マイナスで全員と30ポイント以上離れている岸部は、ここから連対を外すと厳しくなる。 東1局、岡澤の配牌がいい。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 第1打の ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
元々、両面待ちの中でもあまりよくない待ちと言われる4-7待ち、さらにドラ表示牌の上1枚メンツとして使っている最悪の部類で、しかも打点は一発裏が無ければ2,600と、岡澤のスタイルからすると見合っていないリーチに思えた。 実際、この時点で他の3人は2シャンテン以下で待ちは山に1枚。ここは巡目も早くマンズが4連続形の好形なので、いったん ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ここから上家の切った 手牌進行によってはハネツモまであったのが分かるだけに失敗したという気持ちはあったと思うが、アガれた分救われたか。 次局も岡澤は配牌ドラドラ、分岐点は6巡目、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 場に 手広いのは ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() このリーチがかかるが、同巡に
結果から言えば、本譜通りの進行なら、 これで岡澤が頭一つ抜け出したが、直後に平井、岸部と連続で満貫をツモって差を詰め、石川がダンラスになってしまう。 その後、平井が3連続の満貫級のリーチ。最初の2つは不発に終わって親も流されたが、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 三度目の正直でツモりあげ、トップ目に。ラス前、岡澤がダブ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 1つ仕掛けてドラ表の この時岡澤は、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() このように、ドラのポンテンがかかる形。それを許さず、逆に岡澤の切った
結果的にはドラをツモ切って鳴かれていても (3回戦)平井+26.8、岡澤+10.7、岸部▲10.1、石川▲27.4 平井が連勝したため、やや縦長になった。ここで選手がやや長めのインターバルを取ったため、その時間を利用して状況を整理することに。 岡澤は、どんな形でもいいから平井に先着すること。2着順くらい差をつければ最終戦着順勝負ができる。 石川と岸部は、特大トップまではいらないが、4,5万点くらいのトップは欲しい。ここでマイナスをほぼ完済して平井を沈めれば、チャンスは残る。 逆に言えば、平井がこれらをすべて阻止してしまえば、最終戦は相当楽な条件になる。 (4回戦)岡澤、石川、岸部、平井 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() すぐに親の岡澤が ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() この形で追うも、軍配は石川。 アガって親を迎えた石川の配牌。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 第1打にドラ、2巡後には 鳴いて2巡後、 1本場は、岡澤がムダツモなく4巡目にリーチ。岸部がリーのみで追いかけるが、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 返り討ちにしての満貫。次局、平井のテンパイは4巡目 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ここからシャンポンでリーチ。しかし、 対局後の平井に話を聞いたところ、 とのこと。 4回戦、ここまでのアガリは石川と岡澤ばかり。 貯金のある平井はともかく、岸部はこのままだと最終戦が相当厳しくなる。それが分かっているから、多少強引にでも攻めるしかない。東4局も ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() この形で即リーチ。親の平井にピンフのみのリーチで追いかけられるが、 南入し、親番は各自あと3回。テンパイ一番乗りは北家平井。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 出アガリ5,200のヤミテン。続いて9巡目に親の岡澤が、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() こちらは出アガリ7,700のヤミテン。同巡、石川が、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 配牌13枚中6枚から遊び手のつもりだっただろう国士が、9巡で5種類引いてきてイーシャンテン。 残る岸部は12巡目にやっと、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ドラもなく見劣りするのはやむを得ないが、ぜいたくを言っている暇もないとばかりに即リーチ。すると同巡、 1本場は石川が仕掛けて岡澤の親を落とし、南2局は岸部の ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() この形で追いつくが、岸部の河にマンズは すると、岸部の次のツモが 本譜はここで ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() この役なしドラ1のカンチャン待ちで即リーチ。これは先制の効果があり、同巡チートイツのみでテンパイした岡澤が次巡ドラを掴んで撤退し、一人旅に持ち込んでからの しかし、1本場は岡澤に役牌のみでさばかれる。 そしてオーラス、この時点での状況は(カッコ内はトータル) 岡澤がトータルトップ目に立っていた。 筆者がそれぞれの立場なら……。 とでも考えるだろうか。そんな中、石川が早くも3巡目にイーシャンテン。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() チャンタになれば仕掛けが利くが、形は苦しい。一方、5巡目にイーシャンテンになった岸部は7巡目に分岐点。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ここはそれなりの打点がないといけないので、打点に絡まない ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ただ、現状そこまで攻めたい形ではない。最後に岡澤、8巡目に、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() シャンテン数的には一番遅いが、ドラが重なって、1枚切れの 「リーチ」 声の主は石川。ドラを横向きにして河に置いている。そこが曲げるとはあまり思っていなかっただけに役なし好形かと思って石川の手牌を確認しに行くと、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 確かにドラを切るだけの価値はあるテンパイである。素点を叩きたい気持ちは分かるし、岡澤の リーチをしても増えるのは素点だけ。しかし、 それに対し、石川がリー棒を出したことにより、岡澤はどこからでも3,900で同点、直撃かツモなら逆転となり、これだけで15~30ポイント近く離されてしまう。また、岸部のトップへのツモや直撃条件も作りやすくなってしまう。 石川は、オーラス時の状況のまま安くてもアガって終われば、岡澤とは20ポイントあまりの差で平井とは着順勝負。これは岸部がほぼ目無しになっていると言ってもそんなに難しくない条件であり、役ありテンパイであるここでのリーチは自重してほしかった。 これでどうなったかというと、平井が、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() イッツー確定テンパイとなり、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 平井のリー棒でどこからでもトップになる3,900テンパイになった瞬間に石川が掴んでトップが逆転して終了。 (4回戦)岡澤+28.5、石川+13.6、岸部▲3.7、平井▲38.4 (5回戦)石川、岸部、岡澤、平井 実際、石川の親は岡澤が1,000点で流し、岸部の必死の1,500での2度のアガリも岡澤の1,000-2,000に一掃される。これで岡澤は34,600持ちのトップ目となり、ラスに沈めたい他3人にとっては厳しい展開。 東3局、平井が5巡目にツモ切ったドラを、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 岡澤がこの形から動くが、当然のように平井はイーシャンテンで ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() すぐにテンパイしてリーチ。ほどなくツモって1,000-2,000。 このまま攻めたかった平井であるが、東4局のピンフのみの親リーが、岸部のピンフのみリーチに負けてしまう。 南1局、岸部がドラを切ってリーチ。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 親番を落としたくない石川は当然前へ、岡澤と平井はその後ろを進んでいる……はずだったが、残り2巡となったところで、岡澤から突然無筋の ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() この形でテンパイし、不本意ながらも岸部が掴んだ 平井としても岡澤がノーテンなら見逃すに決まっているのだが、最後の2牌はどう見てもオリている牌には見えないのでやむなしといったところ。 果たして、岡澤の手牌は 南2局、3巡目に岸部が ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() しかし、ドラドラとはいえあまりに遠い。 岸部には多少連荘されても問題ないし、少なくとも、普段の岡澤だったら毎回仕掛けるような牌ではないだろう。大きなタイトル戦の初優勝が見えてきた岡澤、少し焦ったか? 岸部は7巡目までに3つ鳴いて、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ここから、岸部の切った 直後に岡澤は ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 岡澤の手牌に両者に通る牌はなく、一発目は ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 石川32,000 まさかの満貫放銃で岡澤がラスに落ち、平井は岡澤ラス目のままトップ目に立った時点でトータルでまくれる状況に、親のない石川も南3局で満貫やハネ満をツモれば優勝が見えてくる状況になった。ただ、岸部は、最低でも満貫はツモらないと、オーラスの役満ツモ条件が残らない。 南3局、突如追い込まれた岡澤の親、岸部と岡澤が5巡目にイーシャンテンになったが、岸部はチートイツのイーシャンテン、しかも浮いているドラを使い切らないといけないから、シュンツ手イーシャンテンの岡澤の手の方が先にまとまるのは自然なことで、9巡目にリーチ。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 裏が1枚でも乗ればこの半荘のトップ目に返り咲くので一気に楽になるところ、裏ドラじゃない方の1,300オールでまだラス目のまま。 1本場、配牌がそれなりにまとまっていた平井が、4巡目に ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 三色目の消える方でテンパイし、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 少しでもオーラスにいい条件を残すべく、チンイツに向かう必死の応戦。この鳴きで一発のツモ筋にいた 石川29,300→▲5.7(▲16.6) ラス親の平井が2,400リード。先ほどの平井のリーチにもう1ハンあったら、岡澤と平井との点差だけでなく、他の2人との点差も開くのでノーテンで終わらせることも可能になっていたが、それを言っても仕方ない。 岡澤は、ラスのままでも2,400差をまくり返すか、ラス抜けすれば優勝。 石川には岡澤からの倍直か三倍満ツモという優勝条件がわずかに残ったが、岸部に優勝条件はない。 では、平井が流局で安全に終了させるために必要な条件は? 実はこれ、相当厳しい状況なのである。 現状で流局して伏せた場合、岡澤がノーテンなら優勝だが、テンパイしていたら逆転される。 流局して手牌を開けた場合、岡澤がノーテンならまだいいが、テンパイだった場合には他の2人はノーテン濃厚だから、岡澤の条件が楽になるばかりか、二度目の時点で岡澤の方が上になってしまう。 岡澤以外の2人からアガった場合、生半可な点数では逆に岡澤を浮上させるだけ。仮に他から18,000出アガっても岡澤とは10.4ポイント差にしかならず、次局岡澤が残った1人をまくればいいだけ。そこはテンパイ料で変わる点差であるから、結局安全に伏せれないまま。 ツモった場合も、安手ではあまり意味がない。岡澤と他2人との点差が現状のままでは、24ポイント差ないとテンパイ料で変わってしまう可能性があるので6,000オールは必要。 それでやっと26.4ポイント差になり、岡澤の条件を1,300‐2,600か3,900直、6,400出アガリの一局勝負にできる。 (1,000‐2,000は同点となり、4回戦終了時上位の岡澤の負け) つまり、一番いいのは直撃で、1,500でも次局安全に伏せられるようになり、5,800直撃すれば満貫条件にできる。 他の2人がアガるケースを念のため考えてみると、石川は優勝条件がある以上最後まで狙ってくるものとすれば、アガられた場合はまくられると考えるだろう。 また、優勝条件のない岸部がアガリに来る可能性は低いが、それでもアガるならば、せめてトータルの順位を3位に上げに行こうとするだろう。 その場合石川の着順を下げるか平井の着順を下げることになるため、結果として岡澤に利してしまうことになり、平井の利になることはほぼない。 結局、平井としては大きくツモって決めに行くか、ヤミにして直撃かツモだけアガりつつ伏せるタイミングを計るかくらいしかないのである。 オーラスの両者の配牌は 岡澤 どちらもそこまでいいとは言えない配牌だったが、先にまとまったのは平井 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() チートイツのみのテンパイ、どうするのかと思ったが、これを1巡おいてツモ切りリーチに行く。 この時点で岡澤は ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() このイーシャンテン。しかし、一発目に しかし、ここからツモが利いて ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() この形で追いつき、スジの ただ、平井がリーチしていなければ、 ここをしのいだ岡澤は、次に何をアガっても優勝になった。 1本場の配牌 平井 岡澤 平井の手はあまりパッとせず、岡澤の その岡澤、岸部の2巡目の 平井もそのポンテン打牌の ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() イッツーを見つつ、なんとかテンパイを入れて粘ろうとするが、 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「ツモ、1,000-2,000は1,100-2,100」 (5回戦)平井+18.9、岡澤+7.6、岸部▲8.2、石川▲18.3 半荘終了時に各自が点数を申告して記録するのだが、岡澤のところでその流れが止まる。うながそうと岡澤を見ると、ハンカチで目元を押さえており、さすがに声をかけられなかった。 【結果】 3位…石川泰之(▲29.2) 2位…平井淳(+26.9) 優勝…岡澤和洋(+52.3) 筆者は岡澤が上京する度にしか実際に会う機会はないのだが、岡澤の魅力は、麻雀の実力もさることながら、麻雀に対する姿勢及び人柄の良さがストレートに伝わってくることにもあると思う。 対局後に聞いた話によると、今回の決勝メンバーである岸部も岡澤に影響を受けた一人とのこと。 関東に在住していた時に参加していた競技麻雀に自分の中で区切りをつけてから九州に渡ったのだが、しばらくしてその地で岡澤と出会い、店を手伝うようになったことがきっかけとなって競技麻雀活動を再開した。 麻雀エヴァンジェリスト(=伝道者)岡澤和洋の、今後の活躍にますます期待したい。 それとともに筆者も、これをきっかけに一層盛り上がるであろうRMU長崎の活動に刺激を受け、ともに切磋琢磨していけるようにしていきたいと思った。 こうして、第7期クラウンは幕を閉じた。 最後に
|
第7期RMUクラウン決勝レポート
