RMUリーグ第10節
第2期RMUリーグ、ついに最終節が2月11日行われた。
その名の通りRMUの頂点を決める戦いに決着を着ける一日がはじまった。9節までの成績
阿部孝則 +161.2
多井隆晴 +157.6
河野高志 ▲8.5
藤中慎一郎 ▲322.3

5節終了時での200P以上の差を多井が詰め、ほんのわずかな差に。
阿部が逃げ切るのか、多井がまくるのか、河野の怒涛の連勝、大逆転劇があるのか。

一回戦は多井の起家から阿部、河野、藤中の並びで始まった。

まずは藤中がタンピンの2000を多井からアガリ静かな立ち上がり。

東3局河野が本場を積んでゆく。

 ドラ

の配牌イーシャンテン。

2巡目にをツモってカンダマテン。

を暗カンしカンドラ

三暗刻への手変わりを待つ。

14巡目にをツモって切りの即リーチ。

  ドラ 

をツモって裏ドラで3200オール。

一本場は全員テンパイ。

二本場9巡目に、

 ドラ

これをドラ切り即リーチ。

この時点では3枚山。
これをツモって2000は2200オール。

三本場河野、多井の二人テンパイ。

四本場阿部の7巡目リーチ。

 ドラ

これに対し河野は、

からチー。
次巡あっさりとを引きをツモリ1000は1400オール。
これが河野の感性か。
五本場河野はさらにたたみ掛ける。

 ドラ

を8巡目リーチ。
がここは阿部が河野から1300は2800。

その後多井の1000-2000、阿部の1300-2600、
多井の2000-4000、藤中が河野からの6400。

オーラス誰もが満貫でトップという平たい場になるが、
河野が500-1000で終了。

河野+22.4
多井+6.6
藤中▲8.8
阿部▲20.8

この時点で多井がトータルトップに。

二回戦は藤中、多井、阿部、河野の並び。
またも河野の半荘。

東2局に2000-4000。

親で三人テンパイ、一本場多井から1500は1800。

二本場阿部の7巡目リーチ。

 ドラ

山に七枚残っていたが、なかなかアガれない。
ツモを3回残し河野が、

ここからをチーして次巡阿部のアガリ牌を食い取りテンパイを入れ流局。

小さな点棒移動から、南三局多井が藤中のダマテンに刺さる。

 ドラ

この12000で多井一人沈みのオーラス。

河野が8巡目にテンパイ。

 ドラ

同巡阿部もドラポンでテンパイ。

 ポン

このを手中にしたのも河野。

その後一人テンパイ、1000は1200オール、1500は2900とアガり58900のトップ。

河野+43.9
阿部+5.4
藤中▲13.3
多井▲36.0

三回戦藤中、河野、多井、阿部。
派手なアガリはほとんどなく、
最高打点2900にテンパイ料などで、またしても河野がトップ。

河野+28.9
阿部+7.3
多井▲7.6
藤中▲28.6

そして最終戦へ。
ここまでのトータルポイント。

阿部+153.1
多井+120.6
河野+86.7
藤中▲372.4

多井、藤中、阿部、河野の並びで最終戦スタート。

阿部の一人テンパイ。

阿部、河野から1000は1300。

多井一人テンパイ。

そして多井8巡目リーチ。

 ドラ

これを一発でをツモリ、裏ドラで2000-4000。
そして南入。

多井一人テンパイ。

阿部1000は1300。

河野1000。

河野700-1300。

そしてオーラスへ。

多井406、阿部312、河野253、藤中229。

条件は河野はラス親でひたすらアガる。
多井は阿部から6400以上の直撃か3000-6000ツモ。

多井は逆転のチャンタ三色へ。
しかしツモが伸びず、河野の連荘にかけておりへ。

肝心の河野は11巡目に、

 ドラ

このチートイツイーシャンテンに。
しかし無情にもテンパイできずに流局した。

全10節による長い戦いが終わった。
優勝は寡黙な王者、阿部孝則。
第一節で大量リード、第二節では大きくマイナスしたものの、
その抜群の安定感で優勝した。

(最終成績)
阿部 孝則 +159.3
多井 隆晴 +146.2
河野 高志 +77.0
藤中 慎一郎 ▲394.5

表彰式でのそれぞれのコメントを簡潔に。

藤中「力不足でした。鍛えなおしてきます。」

河野「藤中には開き直って思い切りきてほしかった。
多井の集中力、阿部の粘り強さを盗んで、自分のいいところを伸ばしていきたい。」

多井「あまりいいものを見せられなかった。
結果はともかく対局内容が残念だった。
RMU全員の目標になるような舞台にしたかった。」

阿部「結果はうれしい。しかし内容が本当に優勝にふさわしかったのか満足がいかない。
やっつけてやったという感じがまったくしない。
これからも自分のため、団体のために頑張っていきたい。」

単純に優勝した、準優勝したという結果だけを求めて戦ってきたわけではないことが、
それぞれのコメントには表れている。

どうやって勝つか、どうして負けたか悩み苦しみ、
時に涙し、それを乗り越えてこそ強くなる。
まさにこれぞ「プロ」という姿を見た。

文責:渡辺卓也