第6期 RMUリーグ第6節レポート
皆さんこんにちは、ライセンスBの仲川翔です。
今回は私がRMUリーグ第6節のリーグレポートをお送りいたします。
乱文乱筆ではありますが、どうぞ最後までよろしくお願い致します。—————————————————————————-

今年のRMUリーグは序盤まで多井が独走していたものの、前節に谷井が一人浮きの加点をし首位へ肉薄。折り返しとなる第5節を終えて以下のスコアとなっていた。

多井 +56.7
谷井 +40.1
河野 ▲37.8
阿部 ▲60.0

6節目となる今回、これまでずっとトータルトップの座へ居続けてきた多井を苦しめるような他3人の打ち回しが見られるのではないか。

そんな期待をしながら私は対局を眺めていたのだが…。

1回戦目の東1局から、それが打ち砕かれる事となる。

【第1回戦】

東1局、この配牌を貰い受けた北家の多井。

ドラ

第1ツモがで、のペンチャンターツを初手から払う。すると生き生きとしたツモを授かり、あっと言う間の6巡目リーチ。

ドラ

そして一発目に高目のドラを引き、マンガンのアガリを見せつけた。

東2局1本場には、

ツモ ドラ

ここから打のテンパイ取らずとし、すぐさま狙い通りドラのを引き入れて待ちの3メンチャンリーチ。

先にテンパイを入れていた阿部からほどなくが河に放たれる。裏ドラも乗せ、早くも本日2度目のマンガンだ。

他にもテンパイ料や細かいアガリで着実に持ち点を増やし、オーラスの親番では6巡目にこんなお手軽2,000オール。

ツモ ポン ドラ

58,100点持ちの大トップで、SS級の底力を見せつける上々の出足となった。

■1回戦目スコア
多井+43.1 阿部▲1.8 谷井▲13.0 河野▲28.3
■トータル
多井+99.8 谷井+27.1 阿部▲61.8 河野▲66.1

【第2回戦】

初戦を終えてプラスを100付近まで伸ばした多井に対し、他3名は当然ながら快く思ってはいないだろう。それぞれ優勝を目指しているからには、これ以上独走させてはならない。

だがそんな彼らをあざ笑うかのように、またしても東1局に多井から先行リーチが入った。

ドラ

それでも、先に仕掛けていた親の谷井も果敢に攻め、終盤にテンパイまでこぎつける。

チー ドラ

しかしながら、この局を制したのは河野。リーチを受けてからも丁寧に受け進め、タンヤオツモハイテイで1,000-2,000のアガリを物にした。

ツモ ドラ

東2局は3人テンパイで流局し、その1本場。テンパイ一番乗りは谷井だった。

ドラ

一旦はダマテンに構えるも、次巡のツモはが彼から4枚見えており、良い景色に見えたのだろう。待ちにしてドラ切りリーチと出た。

すると親の阿部もテンパイを入れ、すぐさま追い掛けリーチの反撃を食らう。ドラを2枚使い切り、打点は充分だ。

ドラ

そして谷井の一発ツモにいたのは、最初の待ちであった。阿部に通りはしたものの、かなり寒い思いをしたのではなかろうか。

待ち牌の残り枚数は多かったが、ほどなくを掴み、阿部に12,600点を献上する事となる。

次局も、阿部が親マンを今度は河野からアガる。

ドラ

またしてもドラ2枚の大物手。
そうとは知らず、ピンフイーペーコーのテンパイが入ってしまったばかりに、一発目に掴んだがこぼれてしまった形だ。

2局連続でマンガンをアガり、この半荘このまま阿部のペースで行くかと思われた。しかし、ここから谷井が意地を見せる。

ドラ

この配牌に第1ツモ、次に、それからと引き込み、この形。

ドラ

ホンイツやトイトイに行く人も多いだろうと思われるが、彼はここでカラ切りとした。
チートイツの決め打ちだ。

そして狙い通りそのテンパイになり、地獄待ちとなるドラのタンキ待ちリーチを掛け、なんと一発ツモでハネ満に。

ツモ ドラ

それだけでなく、なんと次々局にも谷井がチートイツのハネ満を引き上がる。またしても待ちで、リーチ・チートイ・ツモ・裏2。

ツモ ドラ裏ドラ

親マンへの放銃があったものの、これで谷井が4万点まで点棒を増やし、5万点を持つ阿部のトップへ待ったをかける。

しかし、この半荘を制したのは阿部でも谷井でもなかった。南3局、最初にテンパイを入れたのは親の河野。

ツモ ドラ

この手格好で、即リーチと打って出た。まだ6巡目、テンパイ取らずの選択をする人も多いだろうが、親でドラ1、先制なら…という考えもあったのかもしれない。

これを受け、戦う気満々だったのが1万3千点ほどのラス目、多井だ。

ドラ

途中でドラが重なり、ほどなくしてこのテンパイ。リーチの現物待ちとなり、このタンピンドラドラをダマテンに構えつつ、…と、通っていない牌を勝負する。

もし仮に河野が即リーせずをツモ切りしていたら、を引いていたので待ちでリーチし、このでアガリとなっていただろう。本人も「普段なら絶対しないリーチを掛けてしまった」と対局後に述懐していた。

この局の結果は、多井のマンガンツモアガリに終わる。そしてこれが、快進撃の始まりだった。オーラス、3着に浮上して親番を迎え、大物手が訪れる。

ドラ

ピンフ確定三色にドラが1枚、打点充分との事で、早い巡目にもかかわらずダマテンを選択した多井。これが功を奏し、トップ目の阿部からがこぼれ12,000を手にする。

1本場には、アガればトップの阿部が

ドラ

この先制リーチを掛けるも、多井がすぐさま追い掛け。

ドラ

そして阿部と同じくアガリトップの谷井も軽快に仕掛けを入れ、
クイタンのテンパイ。

チー ポン ドラ

は3枚残り、対しては2枚残り。3枚残りの戦いであったが、軍配は多井に上がる。ツモって裏を2枚乗せ、なんと親ッパネの仕上がりで大逆転だ。

3本場にも2,600は2,800オールの加点をし、遂には6万点を超える。他3名の本音は、もうこれ以上は勘弁してくれといった所だろうか。

結局、4本場に阿部が2着浮上のアガリをし、この荒れに荒れた2回戦が終わった。

■2回戦目スコア
多井+42.7 阿部+5.1 谷井▲10.0 河野▲37.8
■トータル
多井+142.5 谷井+17.1 阿部▲51.7 河野▲108.9

【第3回戦】

赤ドラの無いルールでこれだけ高打点の応酬になる事も珍しい。そう思わせた2回戦目から一転、この半荘は比較的小場の展開で進む。

東1局は親の谷井が仕掛けてドラ1の1,000オールをツモ。同1本場は阿部がメンピンツモドラの1,300-2,600は1,400-2,700。

多井に大きく離されてしまった3者にとっては、あまり好ましくない出だしと言えるか。

ドラ

東2局、親の阿部に入った高目三色のチャンス手も、上手く粘り打ちした谷井に流されてしまう。

ツモ ドラ

東3局も阿部がドラポンしてマンガンのイーシャンテンまでこぎつけるが、谷井がサクっとのみ300-500を引きアガリ。

もうそろそろ高いアガリを拝みたいな、なんて思っていた東4局。河野と阿部の手がぶつかった。

ドラカンドラ

11巡目に河野が先制するも、阿部が前に出て14巡目にドラを切って追い掛ける。

ドラカンドラ

すると河野が一発目にを掴み、マンガンの放銃となった。本日これまでに2ラスを引いている河野としては、たまらない放銃であろう。

それでも南2局2本場には、河野らしい粘りの麻雀を見せる。まず最初にテンパイまで辿り着いたのは多井。

ドラ

ピンフのみの手を一旦、ダマテンの選択をする。

するとドラドラの手をイーシャンテンまで育てた谷井がをアンカン。それにより多井からツモ切りリーチが入るも、ほどなく鳴きを入れてマンガンのテンパイ、勝負する構えだ。

チー アンカン ドラカンドラ

それでも、中盤からチートイツに決め打ちして手を進めていた河野がこの局を制す。

ツモ ドラカンドラ

持ち点が1万5千を割っていた所から、起死回生のひとアガリ。流石の生命力、である。

しかしながら、ラス目に落ちた多井も黙ってはいない。

次局、阿部からこの先制リーチが入るが、

ドラ

不利な待ちでもあっさりとツモってかわす。この日の好調ぶりが伺えるアガリだ。

ツモ ドラ

この後のオーラスも親番で細かくアガリを刻み、2着まで挽回する事に成功した。

■3回戦目スコア
阿部+22.3 多井+8.3 谷井▲4.9 河野▲25.7
■トータル
多井+150.8 谷井+12.2 阿部▲29.4 河野▲134.6

【第4回戦】

トップ、トップときて3回戦は2着。多井はこの日だけで+100近い大躍進を見せている。
その一方で、河野はこれまで3ラスと苦しんでいた。
せめてこの半荘でトップを取り、第6節を2ケタの沈みで終わらせたいと考えていただろう。

そんな東1局、河野にドラドラのチャンス手が舞い降りた。トイツ手を見ながら手を進めていた所にが出て、2つ仕掛けを入れこのマンガンテンパイに。

チー ポン ドラ

だが、を鳴かせた谷井がしっかりと捌き切り、これも不発に終わる。

ツモ チー ドラ

を切る方も、やはり充分な手格好から下ろしていくので、こういう結果になる事が多い。

それでも次局、親番を迎えた河野はめげずにメンタンピンリーチを掛ける。

ドラ

これに挑んだのは、北家の多井。

ツモ ドラ

一発目の手牌はこれで、通っていない牌を抱えており、弱気の虫が走ればあたりをトイツ落としでもするかとも思われたが、果敢に無筋のを勝負する。

ほどなく河野からが鳴けて、のテンパイ。

しかし次巡に引いたのはロン牌の隣、。小考しつつもツモ切りの選択をし、5,800の御用となった。

東2局1本場も、河野が先制リーチ。宣言牌は、得意技であるモロヒッカケのカン待ちだ。数巡前にを切っており、多少はマークされにくいと踏んだのだろう。

ドラ

ところが、阿部が先にテンパイを入れてダマテンに構えていた。ドラドライーペーコーで打点はまずまず。その待ちは河野の現物であり、むしろニンマリと言った所か。

ドラ

ただ、リーチの一発目から無筋を勝負した事により、多井の抱えていたが止められてしまった。おいそれと現物を切らない辺り、流石である。

それでもこの局を制したのは阿部。4枚目のを自力で引き、2,100-4,100をツモアガった。

この親カブリは河野にとって地味に痛い。トップ目に立ったのもつかの間、すぐさま持ち点を原点付近にまで戻されてしまった。だが当然ながら、河野も諦めてはいない。

東3局、真っ先にテンパイを入れた。

ドラ

は1枚切られており、ドラも無く、三色の手変わりもあるという事でこれはリーチを掛けず。

すると、ラス目の多井から先制リーチの声が掛かる。ピンズの上目が多く切られており、愚形ながらヤマにいると読んでのリーチ選択であろう。しかしながら、このはテンパイの時点で残り1枚しかいなかった。

ドラ

これを受けて、河野は現物のをトイツ落としして一時撤退。そうこうしているうち、親の谷井にもテンパイが入った。

ドラ

打点はまずまずだが、場況的にもはそこまで良くはない。こちらもヤミテンとした。
するとこれが大正解、多井のロン牌であるを引かされる。流石にアンコの牌は切りづらかったのだろうか、通ったばかりのを合わせてイッツーを見切った。

そして数巡後、河野の手牌が復活する。多井の現物待ちではあるが、意を決して追い掛けリーチと出た。

ドラ

だが、谷井も大人しくしているハズが無い。タンキの仮テンだった所にを引き入れ、3メンチャンでこちらも牌を横に置いた。

ドラ

3軒リーチとなり、一気に場が沸騰する。見ている方も息を飲む展開だ。

そんな中、決着はすぐさま付いた。谷井がを引かされ、痛い痛いマンガン放銃となる。
対する河野にとっては腹を括った嬉しいご褒美、トップ争いに食い込む大きなアガリとなった。

その後も細かいアガリを拾ったり、テンパイ料でトップ目である阿部との差をじわりじわりと詰めていく。わずか数百点差という所まで追い詰めた。

しかし南2局3本場、阿部が逃げ切ってやるぞと言わんばかりのマンガンをアガる。

ロン ポン チー ドラ

いかにもドラを持ってますという仕掛けではあるが、2巡目にを切っており、またを掴んだ多井も役アリテンパイが入っているため、この放銃はやむなしか。

ただこの動きにより、トップ争いだけでなくラス抜け争いも熾烈になってきた。可能であれば多井にラスを押しつけて終わりたいというのが三者の思いであろう。

それが通じたか、南3局2本場、3本場と親の谷井が連続で先制リーチからのメンピンツモドラを引きアガる。

ツモ ドラ 裏ドラ ツモ ドラ 裏ドラ

これで持ち点を配給原点まで回復させ、まさかの大逆転が見える所までやって来た。
そんな4本場、またしても谷井から5巡目に先制リーチの声が掛かる。子方の3人からすれば、もううんざりに違いない。

ドラ

しかしながら、今回は河野が黙っていなかった。谷井のロン牌であるドラを重ね、2軒目リーチと出る。

ドラ

こちらに飛び込んだのが、多井。は谷井の現物で、トータル2番手の親・谷井にアガらせるよりかは、まだ大きく沈んでいる河野を助けた方が良いという判断の一打であろう。
ただ、これにより本日絶好調だったものの、この半荘は点棒を借りる程まで沈んでしまった。

対して、見事トップ目に立ったのが河野。オーラスも親の阿部から掛かった先制リーチにひるむ事無く勝負し、見事アガり切って最終戦を物にした。

■4回戦目スコア
河野+34.5 阿部+19.5 谷井▲5.8 多井▲48.2
■トータル
多井+102.6 谷井+6.4 阿部▲9.9 河野▲100.1

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6節目を終えて、やはり目立つのは多井が+100の大台に乗せた点か。だが、トップは1回だったものの今回の勝ち頭は阿部である。50程のプラスに仕上げ、負債を一桁にまで返済した。

多井が突き抜けてしまった感はあるものの、谷井・阿部から見て100程度の差。ならば残り4節16半荘で巻き返せない事もない。一方の河野は苦しくなってしまったが、まだまだ諦めてはいないだろう。

これから終盤に差し掛かるこのRMUリーグ。首位・多井の逃げ切るテクニックを、
そして他者の追い上げを楽しみに注目していきたい。

仲川翔

文中敬称略
文責・仲川翔