今期から全10節で争うこととなった長崎RMUリーグの最終節。ここまでの成績は、岸部 129.4
岡澤 86.2
岩村 44.2
平田 ▲170.4筆者は第7節の時点で最下位に沈み、無念の敗退…。
最終節のこの舞台に立てない不甲斐なさを噛みしめながら、レポートをお届けする。
第1回戦、並びは、岡澤、岸部、平田、岩村
優勝争いはもとより、優勝の可能性の少ない平田がどのような麻雀を見せるかも興味深い。
東1局、ドラ 南家 岸部
            の長いイーシャンテンから を引き入れ 切りの先制リーチ。
これに平田が飛び込み、裏ドラが で、暫定首位岸部の8000点和了で幕を開ける。
続く東2局も岸部。
            (ドラ )
の三面張でリーチ。すぐに と のポンで親を落としに来たライバル岡澤から5800点をものにする。
岡澤、平田の2人テンパイで迎えた東3局、岸部の手が軽い
            で4巡目にリーチ。(ドラ )
は場に2枚切れ。10巡目にあっさり をツモり500-1000(+600)
快調に得点を伸ばす。
東4局の平田。
親の岩村から10巡目にリーチ。(ドラ )
            のリーチドラ1の形。
            のテンパイでドラの を押す。
ツモ番がなくなった岸部も、平田が押した無スジの をポンし、岡澤の一人ノーテン。
1本場は岡澤が をしかけ、マンズの一色模様。
もチーし、岸部から3900(+300、+1000)
      ポン チー  を和了り返す。
南入し、岡澤27200、岸部41700、平田23300、岩村27700
南1局、親の岡澤が を、岸部が を、岩村が をポンし、さらに のアンカン。
平田も をポンし、叩き合いの様相。
ここは岩村が役役点パネをツモって1300-2600
岸部を追う岡澤の親が落ち、岸部にとっては悪くない和了りか…。
南2局は、岩村が を両面でチーし、マンズの一色へ。
         チー  の5200テンパイ。
親の岸部も連荘に向け、ドラの 単騎のテンパイを取るが、この鳴きで が南家の平田に2枚流れ、ツモダブ ドラ3の3000-6000をものにする。
ラス前、親の平田(ドラ )
            
から をポンし、何と唯一の両面の 落とし…。
は場に2枚切れ はション牌だが、どうしてもチャンタに仕上げたいということか。
ここから 、 を重ね。 をポンし、何とカン の親マンテンパイに…。
しかし、 は岸部がすでにポンしており、その岸部にはカン のタンヤオ三色2000点のテンパイが入っている。
そこに岡澤から
            
のメンタンピンリーチ。
岸部は危険牌を掴み、親の平田は押し切って2人テンパイで流局。
1本場、五巡目、岡澤の手が止まる。
長考の末、
    
の捨て牌でリーチ。
            ドラ
リーチの時点でリーチのみ・・・。マンズの一通への手変わりを考えての長考か。
しかし、このリーチが最高の結果に。一発で をツモり裏ドラも乗って2000-4000(+300)
微差ではあるが、岸部を捲ってトップ目に立つ。
オーラス、
岡澤32000
岸部31100
平田31700
岩村25100
親の岩村から7巡目リーチに岡澤が放銃し、リーチのみの2000点。
ますます混沌とし、親の岩村以外、次局和了ったものがトップという状況。
親の岩村はトップまで点差的には迫ったが、この状況は厳しい。
最低でもノーテンで伏せられる点差まで加点しなければならない。
大混戦の第1戦は、ラス前の思い切ったリーチが功を奏した岡澤が制す。
中盤に300-500を和了りきり、苦しかった展開を見事な逆転で岸部に迫る。
岡澤 31400 +16.4
岸部 30700 ▲4.3
平田 31300 +6.3
岩村 26600 ▲18.4
東場、盤石な麻雀を見せていた岸部にとっては、ライバル岡澤に2着順差をつけられるこの結果は、想定外であったであろう。
1回戦終了時の総合成績
岸部 +125.1
岡澤 +102.6
岩村 +25.8
平田 ▲164.1
2回戦並びは、岸部-平田-岩村-岡澤
東1局は、岩村のリーチに対し平田が5200の放銃でスタート。
東2局は、岸部が7巡目に岡澤からチートイのみ1600を直撃。
淡々と局が進行していく。
東3局は岸部が2巡目リーチ。
            (ドラなし)
これを難なくツモり1300-2600、2回戦の東場も岸部の状態がいい。
開局から10分足らずで東ラス、岡澤の親番。
岩村のホンロウトイトイ、平田のリーチをかいくぐって岡澤が500オール(+1000)で親番をキープ。
その岡澤にドラ暗刻のチャンス手が。
5巡目に、
            (ドラ )の形。
次巡、 を引いて を切り、イーシャンテンの形が良くなる。
すると10巡目に絶好の を引き入れカン の親マンをダマテンに・・・。
は山に2枚生きている。
ここで岩村のカン チーが入り、 が岸部に下がる。
ここは と入れ替え放銃を回避。そして岡澤の一人テンパイで流局。
親マンを食い下げられた岡澤、次局、13巡目の岩村のリーチにスジの を一発で放銃し8000(+300)
南入し、
岸部35300
平田21000
岩村39700
岡澤24000
南1局は岩村がツモのみ300-500で岸部の親番を落とす。
南2局、5巡目に岡澤が、ドラトイツのリーチをまたしても一発でツモり2000-4000で岸部に迫る。
ラス前、北家平田から14巡目リーチ
            (ドラ )
ここは流局、岸部も粘って2人テンパイ。
そして早い展開のままオーラスを迎える。
岸部 34300
平田 17200
岩村 37300
岡澤 30200
(供託1000)
現在総合成績で首位の岸部に22.5ポイント差の岡澤は、せめて岸部をかわしたい。
岸部と約100ポイント差の岩村も可能性を残すためにここでのトップは死守したいところ。
そんな状況で迎えた中盤、岸部の切った二に岩村からロンの声が・・・。
倒された手牌は、
            
岩村にとっては総合首位の岸部の着順を落とす最高の和了。
岡澤にとってもうれしい結果となった。
岸部26000 ▲9.0
平田17200 ▲27.8
岩村46600 +31.6
岡澤30200 +5.2
2回戦終了時の総合成績
岸部 +116.1
岡澤 +107.8
岩村 +57.4
平田 ▲191.9
岸部と岡澤は並び、更に岩村も両者に対し、5~60ポイント差となり、大トップ2回での優勝に一縷の望みを繋いだ。
3回戦 平田-岸部-岩村-岡澤の並び
東1局 6巡目に親の平田がチーテンに構える。
         チー  ドラ
ここに岡澤が 単騎のチートイでリーチ。
続けて岸部がメンタンピン高め一盃口ドラドラの大物手でリーチ。
            (ドラ )
これに親の平田が高めの を放銃し12000の和了り。
ここまで首位と300ポイント以上差がある平田。
三色確定になるとはいえ、6巡目での軽い仕掛けはどうだったか。
じっくり腰を据えて打っても良かったのではないかと感じた。
岸部を追う岡澤、岩村・・・。
順位点を考えると、この放銃で20数ポイント差があっという間についてしまった二人の心境はいかに・・・。
東2局は岩村がチートイのみをツモあがって800-1600。
東3局 ドラ
中盤に岡澤が を仕掛ける。
          ポン
そこに親の岩村からリーチ
            (ドラ )
ここは岩村の思惑どおり一人テンパイで親キープ。
1本場、4巡目に岡澤にテンパイが入る。
            (ドラ )
ここはドラの を引いてピンズを落とす。
そこに親の岩村からリーチ。
            
これに岸部が を打ち、裏ドラが乗って7700(+300、+1000)
一気に岸部を逆転する。
2本場、皆手牌の進行が遅い。
3段目に入り、岡澤がテンパイを入れ、即リー。
            (ドラ )
鳴いてタンヤオのテンパイに取った岩村から出和了り2600(+600)
東ラス、岡澤はこの親番で一気に加点したいところ。
それは許さずと、岸部が積極的に仕掛ける。
3巡目までに場風の とオタ風の をポンし、
      ポン ポン ドラ
少し遠いがソウズのホンイツに向かう。
をチーし、 を引き入れ、更に を加カンし、8000のテンパイ。
これに岡澤が追いつく。
をポンし、
         ポン カンドラとなった と のシャンポン待ち。
軍配は・・・、どちらにも上がらず、危険牌を引いた岸部がオリを選択、岡澤の一人テンパイで岸部を逆転する。
1本場、岩村2巡目にチートイドラドラのイーシャンテン。そしてドラの を重ねると、すぐに平田から6400(+300)を出和了る。
南入し、
平田8500
岸部33400
岩村44700
岡澤31400
南1局 北家岡澤
4巡目に
            (ドラ )
のイーシャンテンから、 、 と引き入れ、7巡目に役なしカン のテンパイ。
さすがにドラ表のカンチャン待ちではリーチに行けず、 、 などの手替わりを待つも、
有効牌、危険牌ともに引かず、そのまま流局し、岩村の一人ノーテン。
1本場、岸部が6巡目に
            (ドラ )
メンピンドラドラのリーチ。
岡澤も
            
で粘るも無スジの を引いて撤退。すると次のツモは ・・・。
そこに親の平田がリーチ。
            
その平田が掴んだのは
岸部に8000(+300+1000)の放銃となる。
南2局、先ほどの和了で息を吹き返した岸部の親番は、岡澤が岩村からタンヤオドラ1、2000を和了り、素早く落とす。
ラス前は5巡目に平田がツモドラ1、500-1000でオーラスを迎える。
平田 2200
岸部 41200
岩村 40700
岡澤 35900
現在、総合ポイントで8.3ポイント上回る岸部は、何としてもこのままトップを死守し、最終戦を優位に迎えたい。
総合2位の岡澤は、ここでの2着順差は最終戦が相当厳しくなる。
最悪、岩村に差し込んででも岸部のトップは回避したいところ。
岩村は、トップ逆転しなければ最終戦が傍観者となってしまう。
そんな状況を記入していると、岸部からロンの声が…。
岡澤からタンヤオドラ1 2600点を出和了り、
ここまで2戦、いずれも南入してから着順を落としていた岸部が、ついにこの日初めて着順で岡澤を上回り、トップを取る。
ここで岩村に捲られるようだと、最終戦は相当厳しい闘いになると思っていたが、ここにきて意地を見せた。
平田2200 ▲42.8
岸部43800 +28.8
岩村40700 +15.7
岡澤33300 ▲1.7
第3戦を終えての総合成績
岸部 +144.9
岡澤 +106.1
岩村 +73.1
平田 ▲234.7
岸部と岡澤の差は、トップ-ラスで1万点差、2着順で2万点差というところ。
岩村はとにかく大トップを目指すしかない。
そして、岸部をラスにし、4万点以上の差を付け、更に岡澤を3位に落としての1万点差か、1着順差で2万点上回る必要がある。
6万点のトップで岸部を2万点以下のラス、岡澤を4万点以下に沈めるというところ。
厳しい条件ではあるが、岩村にも可能性が残されている。
展開次第では、岡澤との2位争いというところか。
岡澤も岸部だけでなく、状況によっては、岩村の点数も気にしながら闘わなければならない。
最終戦 岩村-岸部-平田-岡澤の並び。
大トップが必要な岩村にとっては、厳しい並びに。一方岡澤は、どんなに点差が離れようと、最終局までモチベーションを維持することができる。
平田にとってはつらい闘いとなるが、集中を切らさず最後まで戦ってほしい。
東1局 いきなり大きく展開が動く。岡澤、
            ツモ ドラ
3000-6000と岡澤が岸部に迫る。
岩村にとっては大事な親番が落ちるとともに6000の親っ被り。苦しいスタートとなった。
東2局 今度も岡澤から6巡目にリーチが入る。
            (ドラ )
すぐに をツモって700-1300
この和了であっという間にポイントが並ぶ。
東3局5巡目、岸部の手牌を見るとすでにテンパイが入っている。
            
ここにドラの を引いて平和ドラドラのテンパイ。
すると11巡目、またしても岡澤からリーチが入る。
            (ドラ )
2巡後高めの をツモり、裏は乗らずも3000-6000。
点棒は56700点となり、一気に岸部を突き放す(岸部の着順は上がったが…)
これで岩村は非常に苦しくなった。
こうなれば岸部と岡澤の一騎打ち。
岸部の2着を想定し、岡澤は3万点の差を維持すべく、素点を積み上げていく必要がある。
そして東ラス、岡澤の親番、3局連続で岡澤からリーチ。
            (ドラ )
一気に畳み掛ける。
しかし、これは流局し、岸部との2人テンパイ。
1本場 4局連続で岡澤からリーチ
            (ドラ )
またしても岡澤の独壇場かと思いきや、岸部も追い掛ける。
            
そして岸部が意地を見せるツモ!1300-2600(+300、+2000)
岡澤が和了れば大きく優勝に近づいていたが、これで再び岸部が暫定首位に立つ!
2局連続で親マン級の和了を逃した岡澤に東場のような手牌が来るのか。
南入し、
岩村17400
岸部31700
平田17400
岡澤53500
そして、岩村の親番を岸部が1000点で流し、南2局岸部の親番。
10巡目にまたしても岡澤からリーチが。
それにしても手の入り方が尋常ではない。
            (ドラ )
3巡後に を持ってきて暗槓。
するとその がカンドラに…、と思ったらリンシャンツモ!
裏ドラも乗って、なんと4000-8000!
岸部を逆転するとともに、その差を更に広げる。
ラス前、逆転を許した岸部から8巡目リーチ。
            (ドラ )
先ほどの倍ツモで岡澤との差は、15000点差ほど。ここは何としても和了りたいところであったが、一人テンパイで流局。
そして早くもオーラス。
岩村11400
岸部26700
平田12400
岡澤68500
供託1000
岸部は、満ツモ、6400直条件。
岸部はマンズのホンイツに向かう。
8巡目で岸部はメンホンチートイのイーシャンテン。
岡澤は安全牌を溜め込み和了る気はない。
            
そしてようやく最後のツモでテンパイするも流局し、岡澤の優勝が決まった。
最終戦の結果
岩村 10400 ▲34.6
岸部 28700 +3.7
平田 11400 ▲23.6
岡澤 67500 +52.5
総合成績
岡澤 158.6
岸部 148.6
岩村 38.5
平田 ▲258.3
(伊井 ▲94.4)
優勝の岡澤和洋プロのコメント
「2009年にスタートしたRMU長崎、6年がかりで10節のトップリーグを作る事ができました。
何度も何度も長崎へ足を運んでくださり指導をして頂いた多井代表
また、初年度から関わってくれた選手の皆さんに心から感謝しております。
記念すべき第1期を優勝することができ3月のクライマックスリーグ参戦へ名乗りを上げられ嬉しく思っています。」
順位 |
選手名 |
合計 |
第1節 |
第2節 |
第3節 |
第4節 |
第5節 |
第6節 |
第7節 |
第8節 |
第9節 |
第10節 |
1 |
岡澤和洋 |
158.6 |
▲9.7 |
▲50.5 |
111.4 |
▲28.2 |
32.2 |
32.4 |
▲44.8 |
51.4 |
▲8.0 |
72.4 |
2 |
岸部智彦 |
148.6 |
▲19.4 |
▲2.7 |
▲37.9 |
▲25.3 |
22.3 |
12.5 |
26.5 |
14.3 |
139.1 |
19.2 |
3 |
岩村義久 |
38.5 |
46.5 |
▲56.3 |
▲89.1 |
24.3 |
▲14.1 |
70.0 |
89.6 |
6.9 |
▲33.6 |
▲5.7 |
4 |
平田勝則 |
▲258.3 |
29.9 |
36.3 |
▲27.4 |
▲15.5 |
14.8 |
▲34.5 |
▲3.9 |
▲72.6 |
▲97.5 |
▲87.9 |
5 |
伊井克史 |
▲94.4 |
▲47.3 |
70.2 |
43.0 |
44.7 |
▲55.2 |
▲82.4 |
▲67.4 |
– |
– |
– |

文責:伊井克史
|